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よもぎ図書だより3

<はじめに>
今回は小説の紹介になります。
選んだのは現在(2018年8月)映画上映されている「ペンギンハイウェイ」の原作本です。

<注目本>
「ペンギンハイウェイ」 著者:森見 登美彦

<出会い>
こちらは出会いという出会いを語るのは難しいです。なぜなら、作者である森見さんの作品が元々私は大好きだからです。ただし、読んだのは同著書が文庫化されてからです。他作品も読んでいるのでそちらとの作風の違いや共通点については<小話>の方で触れたいと思います。
出会いのエピソードがそこまで思い浮かばない…そのくらい、森見さん作品は細めにチェックしており、ほとんどの作品を読ませてもらってます。「ペンギンハイウェイ」自体は、正直SF作品+主人公が小学生という点で、森見さんにしてはかなり異色の設定のため正直買い渋っていました。そして数年後(たしか)文庫化されたのを書店でみて、読んでみるか!となり手に取った作品です。
私は書籍の所有がかなり多いのですが、社会人になり引越しもいくつか経験しており、所有するのは文庫サイズのが手軽だと思うようになりました。なので、社会人となってからは文庫化されたものの所有が多いです。(ここで電子書籍があるじゃないかという意見もあるとは思うのですが、どうしても紙媒体が好きなのです)
あれ…話が脱線したらだいぶ出会いの項目が長くなってしまいましたね、ここらで区切って<紹介>、<小話>へ移行します。

<紹介>
小学4年生の少年が主人公の一風変わったSF小説。そこはかとなく児童文学のような雰囲気を併せ持つ作品です。私自身がこの著書に出会ったのがもうすでに社会人となってからだったので、子供の時にこの作品と出会っていたら違った意見を持つかもしれませんが、この作品はむしろ大人にこそ読んで欲しいと思える内容です。SFとしてのテイストはあるものの、主人公の少年の子供らしく、子供らしくない言動がなんとも小気味よくクスリと笑えたり、かっこよく見えたり、切なく思えたりします。こんな奴と友達になって夏休みを過ごしたかった!もりみーワールド全開です。著者の作品はほとんどが大学生くらいの青年が主人公であることが多いのですが、その少年版といった感じにうまく落とし込んでいるなぁと思います。
あえて、紹介でいいます。主人公の少年は多感な少年ということもあり「おっぱい」についての描写がかなり多くあり、大変笑えます。性的というよりは、なぜこんなにも「おっぱい」が気になってしまうのか…と主人公の学術的な見解によるおっぱい論がものすごく笑えます。私はこのおっぱいエピソードがかなりお気に入りです。特に主人公が情景描写を語るシーンで、山をおっぱいに例えるところがあるのですが、もうね、そこまで!?そんなにおっぱいに囚われているの!?と…文体もかなり読みやすい(四畳半神話体系やきつねのはなしが合わないなと思われた方はこちらはいけるかもしれません、そのくらい雰囲気も違います)ので、気になった方は是非に笑
以下まじめな紹介を申し訳程度にしておきます。
簡単にあらすじに触れると、主人公が住む街に突然ペンギンがたくさん現れます。その謎を解明すべく主人公が研究と称して調べていくのです…そしてそのペンギンの謎は歯科のお姉さんと密接に関わっているようで…?

麦茶片手に、カランと氷の音を聞きながら夏にこそ読んで欲しい作品です。

<小話>
正直森見さん作品ということで、語りたいことは山のようにあるのですが、ぐっとこらえて軽くいきたいと思います。森見さんというと、「夜は短し歩めよ乙女」で一気に知名度があがったかと思います。アニメ化では「有頂天家族」「四畳半神話体系」あたりなら知っている方もいるでしょうか?そちらを先に知っている方からすると、かなり文体、作風ががらりと変わっているので、是非この機会に作品に触れてくださると嬉しいです。そう、私が嬉しくなってしまうほど、私はこの作品が大好きです。
好きすぎてこれしか出てきませんね笑
今年(2018年8月現在時点)は映画化されたので、久しぶりに再読し、映画館足を運んでみたいと思います。(もしかしたらこちらの記事に追記する…かも) 


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