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高畑勲展へ行ってきました
夏ですね。思い立って、noteを始めてみました。というのも、最近感動したりモヤモヤしたりしても、言語化せずに終わっちゃうことが多く。やっぱりアウトプットした方が自分の中にも定着するよねと思ったので。心に残ったこと、感じたこと、考えたこと、ぽつぽつと書いていこうと思います。
軽く自己紹介。京都に生まれ育ち、大学から東京へ。就職して、今は転勤で札幌住まいです。
音楽、演劇、美術、このあたり広く好きです、あんまり深い造詣はないですが。その辺の感想も書いていこうかな。
さて、最初のnote、何を書こうか迷ったのですが、最近いちばん心に残った「高畑勲展」について振り返ってみようと思います。
東京出張に来て、休みの日、やってるらしいから行ってみようかな〜という軽い気持ちで行ったんですが、泣きそうになるほど感動しました…。
日本を代表するアニメ監督、高畑勲。
火垂るの墓、平成狸合戦ぽんぽこ、かぐや姫の物語…どれも名作。
テレビアニメでは、ハイジや赤毛のアンも。大好きな作品です。
展示で初めて知ったのは、絵を描かない高畑監督が、驚くほど様々な「演出」の方法を編み出していたこと。
企画段階のメモや図、原画も含めた他のクリエイターとの共同制作の過程などが幅広く見られるのですが、特に、その“緻密さ”と“共有力”に圧倒されました。
「子どものためのもの」と思われていたアニメ。でも、大人にも通じる大事なことを、アニメだからこそ伝えられるのではないか。
昨年に亡くなるまで、アニメ作りに人生をかけてきた高畑監督の信念が、展示に表れていました。
まず、作品の「テーマ」そのものに関する思考が、深い。原作がある作品でも、オリジナルでも、「誰に何を伝えるのか、なぜ今それを伝えるのか、伝えるために作品やキャラクターのどんなところをとりわけ見せるのか」、細かい丁寧な字で、レポート用紙にびっちりと書かれている。
絵を描く前にこれだけの徹底的な分析があるからこそ、説得力のある作品が出来上がるんですね…。
ほかにも、「ハイジ」でリアルさを追求するため、実際にヤギの乳でのチーズ作りについて調べて詳細にまとめたり、海外ロケハンを行なったり。
相手が子どもだからと言ってナメない。むしろ、幅広い世代が親しむものであり、かつ実写と違って偶然が起こり得ず、すべてに意図を持って作るアニメだからこそ、大きなテーマから細部の表現に至るまで、まじめに、緻密に積み上げていく。
ものを作ったり伝えたりするうえで、この真摯な姿勢は、本当に見習いたいです。
一人で考えるだけでもすごいのに、高畑監督がさらにすごいのは、それを「共有する」ためにいろんな工夫をしていたところ。
人物相関図だったり、物語の中でのテンションの上がり下がりを示したグラフだったり、考えを「見える化」している。
そのことで、ほかの人もアイデアを出しやすくなったと思います。
それに、分業が避けられないアニメ作りで、それぞれのシーンの意図をしっかり伝えておくことで、作り手が自分の役割の意味をわかって仕事に取り組めるという点でも、この工夫は必要だったんですね。
まず、自分の芯をしっかり持ち、進むべき道を示す。その上で、背景、キャラクターデザイン、絵の動き、音楽など、それぞれが得意な人たちが、方向性に納得しその中でのびのびと制作できるよう、徹底的に話し合って高める。
「演出家」、かくあるべし。胸を打たれっぱなしの1時間でした。
おまけですが、『なつぞら』ファンとしては、ドラマで高畑勲をモデルにした役を演じている中川大志による音声ガイドが、なんとも粋…。一人で行って中川大志の声を聞きながらじっくり見るのがオススメです。
東京にいる人はぜひ、行ってみてください〜!
グダグダと書いてしまいましたが、こんな感じでぼちぼちやっていけたらと思います。
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