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冬のオホーツク旅日記

こんな時ではありますが、オープンエアーならと、オホーツク、知床へ旅に出ました。

冬こそ体感する、この地の豊かさ

朝一番の飛行機で女満別空港に到着。夏に降り立った時はジャガイモの白い花が美しかったけれど、今はもちろん一面の真っ白な雪。
オホーツク流氷館からの眺めも清々しくて、深呼吸してきれいな空気を身体の中へ。

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次に向かった網走監獄は、夏に一度来たことがあったのだけど、冬に来るのが正解だなと思った。
何しろ寒い…。囚人たちが冬を乗り越えるのがいかに厳しかったか、ちょっとだけど想像できる。

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念願の流氷硝子館で流氷風のイヤリングをゲットして(蛍光灯のリサイクルガラスというのが素敵)、これまた念願だった、食堂manmaでランチ。オホーツク産の優しい味にあふれてた…食事のときって、土地の豊かさを実感する瞬間だ。

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午後、いよいよ知床へ向かう。車内の話題は、最近の仕事とかとか。ほんとに社会ってままならないなぁと思うことは多いけど、景色がとにかく気持ち良くて、ちょっとどうでもよくなってくる。
(天に続く道は、ちゃんと望遠のカメラで撮りたい…)

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念願の…

知床に着いたら、この日のメインイベント。

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冬の北海道で一度は見てみたかった!流氷!
(網走のは流されていたので、知床にあって良かった…)
この流氷の上を歩ける「流氷ウォーク」なるもの、知床だけでやっている。服の上からドライスーツを着るので全然寒くなくて、小さめの流氷に乗ってゆらゆらしたり、海に入って(!)ぷかぷか浮いたり、不思議な感覚…ただただ楽しい。5歳児くらいの気分で遊んだ。
ロシアのアムール川の河口で凍ったやつがここまで流れてきていると思うと感慨深い…そしてオホーツクの恵みの原点が流氷なので、感謝です。
(流氷の下の植物プランクトン→動物プランクトン→魚→クマとか…っていうやつですね)

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お宿は北こぶし。流氷を眺めながらの温泉&サウナでバッチリととのいました…お料理も最高…すばらし…。

人と出会ってより好きになる

夜はちょこっと外に出て、ホテルにほど近いお店へ。夏にお世話になったツアーガイド兼カフェバー経営者(いつ寝てるのかわからない仕事)の“ピエさん”がやっている「ピリカデリック」。

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同じく夏にお世話になった同い年女子の村上さん(こちらもホテル従業員兼ガイド兼いろいろ活動しているのでいつ寝てるのかわからない)も合流しておしゃべり。
意外と知られてない知床の歴史の話、ヒグマの生態のこと、ヒグマと人間との関係…話は尽きない。
一緒に来た友人が「旅って景色もいいけど、味わった味とか、話した人とかの印象が残るよね」と言ってくれて本当に嬉しかった。雄大な景色も知床ならではだけど、人を通してこの場所を好きになってもらいたいから。(この一年仕事で目指してきたのもここ。)

“人間”に戻るとき

翌日のメインアクティビティはこちら。

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スノーシューをはいて、知床五湖の森を散策。
案内してくれたのは、こちらも夏にお世話になったガイドの“愛ちゃん”。とってもお茶目で大好きです。下の写真は身体で北海道を表そうとしてくれたときの図。

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冬の森はとても静かで、空気がぴんと張っている。でも少し足元に目を向けると、鹿のフンがあったり、モモンガがかじったトドマツの葉が落ちていたり、ちゃんと生き物の息づかいを感じる。(モモンガは葉っぱの半分を手で持って、もう半分を食べたらポイッとしちゃうそうです。その真似をする愛ちゃんが可愛かったです。)

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しばらく歩くと、鳥の声が聞こえてきた。双眼鏡をのぞくと、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、そしてアカゲラも!全部はじめてちゃんと見ました。可愛い。

そして湖も、夏は湖岸から眺めるだけだけど、冬は凍った湖の上を歩ける。
夏とはまた違う、知床五湖の表情を知った。こうなると春も秋も来たくなる…。

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一緒に行った友人は「トドマツの樹液をちょっと舐めてみたときの柑橘のような不思議な味や、落ちていたホオノキの実の香りが印象に残った」と言っていて、普段都会では刺激されない五感が開かれていくのを感じるよね、人間って感じがしていいよね、と話した。

ちなみに夏はピエさんに知床五湖を案内してもらったのだけど、旅に出かけるちょっと前にClubhouseで愛ちゃんと若ちゃん(愛ちゃんの夫でガイド)と村上さんとが「ガイドそれぞれの楽しませ方がある」という話をしていて、今回それを実感した。
自然が主役のツアーでも、やっぱり“人”の存在は大きい。若ちゃんや村上さんのツアーも体験してみたいな。

お昼はウニ漁師さんがやってるお店で、流氷を眺めながらウニ飯。うまし。

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知床で、映画

腹ごしらえの後、向かったのは知床自然センター。この日だけ特別公開していた、ある映画を観るためだった。ちなみにこれは道東の親方、拓郎さんにオススメしてもらった。いつもありがとうございます…。

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映像作家でダンサーの吉開菜央さん(米津玄師のPVで踊ったりしてるすごい人)と写真家の石川直樹さんの「SHARI」という映画。知床まで来て映画?と思われるかもしれないが、知床半島のオホーツク側にあたる斜里町に生きる人たちを映したものだったから、ここで観れて良かった、ここで観ることに意味があったと思う。

吉開さんが「赤いやつ」(下の写真)として斜里町に入って、時に優しく時に厳しく変わり続ける自然とともに生きる人たちと出会っていく。子どもたちを含めた、町の人の素の表情が印象的。
川越宗一の「熱源」と似たものも感じるけど、「人は熱がなければ生きていけない」という言葉が出てきて、自然に突き動かされて生きるのが人間の本来の生なのかも、とか色々考えさせられる映画だった。

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そんな感じで旅は終わりへ向かう

北見で焼肉を食べながら、翌日十勝まで運転しながら、友人といろんなことを話した。何に対しても面白がって、興味を持って、突き詰めて考えるところが、いつもながらすごい。

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音更町の素敵な古民家カフェでランチをしてお別れ。お店の中の照明とか家具とか柱時計とかちょっとしたものが全て可愛かった…。なにより、十勝産の食材たっぷりのカレーとチーズケーキ、美味しかった…。

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旅のおともの方々、出会った方々、ありがとうございました。

おまけ

ランチのあとはそのまま上士幌町で仕事だったのだけど、ここは熱気球の町として知られる。熱気球というのは、本当に青空と白い雪に映える…いつか乗りたい。

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あとこれは完全におまけで、もうちょっと前に行った豊頃町でジュエリーアイスがとてもきれいだったので載せたかっただけです。要は、十勝もとても良いところなのでもっと色々行きたい。

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最後で話が逸れましたが、知床はじめ北海道は本当に良いところなので、落ち着いたらたくさんの人に来てほしいな、とあらためて思った旅でした。

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