英語苦手から社内でグローバル人材の地位を確保するまで
私はかつては英語が苦手でしたが、入社10年ほどで、社内で「グローバル人材」と言われるポジションを得るに至りました。その過程を振り返りながら、気付いたことなどをまとめます。
<入社時は英語は苦手・海外に興味なし>
大手民間企業に新卒で入社してしばらくは、研究開発職としての技術的な専門分野はあるものの、自分の「居場所」が見つけられず、将来のキャリア形成に不安がありました。もともと英語が不得意で、TOEICも600点台あたりをさまよっていたかと思います。
海外に関わる仕事にもほとんど関心はありませんでした。海外旅行は、学生時代に2回ほど行っていたため多少は興味がありましたが、海外で仕事をするイメージは全くありませんでした。
<入社後数年で転機>
入社6年目ころまで、海外出張は一度もなく、国際関連の業務経験も皆無でした。ただ趣味としての海外旅行に行く機会は増えました。その流れで、仕事でも海外関連の業務も少しは経験してみたいと考えるようになりました。研究開発の仕事では英語が必要なので、英語学習は継続していました。それでもTOEICは800点程度にとどまっていました。
入社6年目頃に、職場で外国企業との共同プロジェクトの話が持ち上がりました。当時、たまたま私が部署内でTOEICのスコアが最も高かったため、担当者に抜擢されました。人事関連の書類に、「海外関連の仕事に関心がある」と書いていたのも影響したかもしれません。
同年に5回ほどその国に出張を経験する機会がありました。その結果、外国企業との共同プロジェクトでも結果を残すことができました。
<英語力と海外経験値を伸ばす>
海外の業務を通じて、英語の必要性を痛感し、これまで以上に英語学習にも力を入れるようになりました。入社7年目には、TOEICで900点になりました。
この頃から、社内で「海外事業で結果を残し、英語力もある人材」として認知され始めたように思います。
その後、人事異動で、海外とのやりとりが多い部署に移動するなどして、国際業務の実績を少しずつ積んでいきました。海外出張も年に数回コンスタントにありました。
<アメリカ勤務>
仕事の実績や英語力の面でも自信がついてきたので、「海外に住んで仕事をしたい」と考えるようになりました。人事の書類にも海外勤務希望を明記しました。
そこから数年後にアメリカ勤務の機会があるという話を聞くようになりました。希望を出して、通りました。実際にアメリカでの勤務を通じて実感したのですが、やはり海外で仕事や生活をする経験の価値は絶大です。能力や経験だけでなく、自信がつきます。また、社内でも「海外勤務経験者」として一目置かれるようになります。(※アメリカ勤務の状況の詳細は、身バレ防止のため省略)
帰国後は、国際事業の担当をしたり、研究開発でも外国企業との協業や国際会議への参加などがメインの業務となっていきました。キャリアの軸を作るのは難しくありませんでした。
<グローバル人材の地位を確保するための行動>
このように、「研究開発の専門分野 × グローバル専門人材」のかけ合わせの形で、独自のポジションを確保できました。それまで実行してきた過程を振り返ると、以下の行動がポイントだったと考えます。
英語の勉強をしておく。TOEICのスコアの実績を作る。
人事の面談や書類にグローバル業務希望の意思を言い続ける。
海外関連の仕事の経験を積む。また業務内容をレベルアップを継続する。
実績や英語力を上げることで、自信を深めていく。
このような地味で地道な作業をループさせるように繰り返したことが、結果に繋がったと考えています。
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英語が苦手でも、海外に関心を持ち、英語学習をするうちにチャンスを掴むことは可能だという事例のお話でした。グローバル志向キャリア形成を考える人の参考になれば幸いです。