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息子の涙。


私は学校も教師も、同級生達も、大嫌いだった。
同調圧力には反発したかったし、私のことを解ろうとするふりをする大人も大嫌いだったし、オタクだ真面目だとからかうくせにスポーツ大会になると、チームでがんばろう!みんな仲間だ!と言い張る同級生には腹が立っていたし悔しかった。
とにかく学校生活は苦でありいい思い出もない。
早く逃げ出したかった。
そんな子どもだったから、自分の子は明るく前向きに育って欲しいし、人と関わっていける子であって欲しいと矛盾な気持ちを抱えていた。

そして今日、息子は幼稚園の先生が転任すると知って帰ってきてからずっと泣いている。
本当にいい先生で、私も話をしたり一緒に涙したり息子の幼稚園生活の話で笑ったり、とにかくお世話になった。
それはきっと息子も同じで、だからこそ彼は今、とても悲しいのだ。

涙する息子を見つめて、こんな気持ち私にはあっただろうか?と過去の蓋を開けては息子を羨ましく思った。
そしてそれと同時に誇らしく思った、彼は立派に成長していて、自分なりに世界を維持していて生きている。
楽しく笑い合える友達もいて、支えてくれる先生がいて、きっと辛いこともこれからあるんだろうけど、きっと気持ち的には私みたいに1人じゃないから大丈夫だろうなと思う。

息子が1人じゃないことが、私はなぜだかとても嬉しい。
息子を通して過去の自分を拾いにいく作業をしている、救われていくあの頃の私と、私に見えなかった世界をついでに見せてくれている息子には感謝している。
これからも、たくさんのいろんな気持ち達との出会いを大事にしていって欲しいなと願う。
彼の人生が素晴らしいものでありますように。

進級おめでとう。息子も私も、また一つ成長した日。


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