武田神社

山梨県甲府市古府中町2611
宝物館 入館料:高校生以上300円
        中学生以下150円 


概要

甲府駅から武田通りを直進で徒歩約30分程度。
武田神社は武田信玄の居城躑躅ヶ崎館の跡地、つまりは信玄の本拠地であり、そのため周囲には武田家重臣の屋敷が集中していたらしく、武田通りの歩道のあちらこちらにその場所に屋敷を構えていた武将(武田24将)の名前が記された看板が設置されている。
それらを眺めながら武田神社までの道程を楽しむのも一興である。
ちなみに、山梨大学には秋山伯耆守信友(正しくは虎繁)の屋敷が存在していた。

武田神社の販売書籍について

武田神社の出版物はかつてはネットで購入できたが、現在は不可で電話もしくはFAXでのみ受け付けている。
書籍は宝物館の入口にて購入可能。
新編 武田二十四将 正伝 1,200円
図説・武田信玄公 17,000円
武田神社誌 3,900円
武田晴信朝臣百首和歌 1,500円
信玄の人生訓 武田家百目録 1,700円
花づくし 実づくし 2,500円 
花づくし 実づくし 二(甲斐のきのこ) 2,500円
花づくし 実づく 三(甲斐の息吹) 2,500円
以上の内、新編武田二十四将正伝、武田晴信朝臣百首和歌、武田家百目録の3冊を購入したので紹介する。

新編 武田二十四将 正伝

著者:平山 優 発行:武田神社 発行年月日:平成21年11月3日
武田研究の大家である平山優氏が執筆した唯一無二の武田二十四将本で武田神社に訪れたら絶対買うべき書籍。私の愛読書でもある。
武田二十四将とは、信玄に仕えた24名の名将のことで本書では以下の24名(外伝として追加で17名)の戦国武将の経歴やエピソードについて記述されている。
甘利虎泰、板垣信方、飯富虎昌、春日虎綱、内藤昌秀、馬場信春、山県昌景 穴山信君、一条信竜、武田信廉、武田信繁、秋山虎繁、小山田信茂、真田幸綱、真田信綱・真田昌輝、土屋昌続、原昌胤、小畠虎盛、小幡昌盛、三枝昌貞、多田満頼、横田高松、山本晴幸(外伝:青木信時、浅利信種、今福長閑斎、荻原昌勝、小原継忠、小幡憲重、小幡信真、小山田昌辰、加藤虎景、栗原詮冬、小宮山昌友、曾根昌世、武藤昌幸、武藤常昭、室住虎光、米倉重継)
エピソードについては甲陽軍鑑を引用しているため史実として信憑性に欠ける部分が多々あるが、各武将の個性を知る上で興味深いし、平山氏による専門家としての説明も添えられている。
何よりその子供の末路まで言及されているのはこの書籍の最も白眉な点であると私は思っている。山景昌景のことを知っていてもその子供のことを知っている人は非常に少ないのではないだろうか?
末尾には概要で説明した武田二十四将の屋敷跡の地図も付録している。
また、本書籍は武田家臣個人にスポットを当てているが、武田家臣の組織や役職にスポットを当てた書籍が教育評論社から出版されている(「戦国大名武田氏の家臣団」丸島和洋著)。こちらの書籍も秀逸な一品なので是非お勧めする。

武田晴信朝臣百首和歌

解説:筒井 義明・小島 勇 発行:武田神社
発行年月日:平成16年3月30日
この書籍は、武田信玄が1559年(永禄2)に加賀美山法善護国寺に奉納した和歌と筒井氏と小島氏によるその和歌の解説本である。
原本は1812年(文化8年)に焼失したが、富士浅間神社神官の大小沢啓行氏が信玄の筆跡を可能な限り似せて書写したものが現存しており、各和歌の冒頭に掲載されている。
掲載されているのは勿論信玄が詠んだ歌であり、実在の信玄の人柄に触れられる希少な一品である。また、写真も豊富に掲載されており、信玄が描いたと伝えられる画が2点(「渡唐天神画像」、「蘆雁の図」)掲載されているのもお勧めポイントである。

武田家百目録

編訳:小島 勇 発行:武田神社
山本勘助が記し、武田信玄が加筆した書という体裁で成立した書物で、成立時期は江戸時代とされている。一種の教訓本で歴史の資料というよりは読本として単純に楽しむ書籍である。ただ、当時の風習や考え方を知る上では非常に参考になる。
以上の3冊は内容の濃さの割には値段が手頃で、そういうところに武田神社の良心を私は感じている。


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