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いわゆる“股関節を使える様にする”トレーニング

1.股関節を使うメリット

スポーツ動作で股関節の重要性は周知の通りかと思います。

股関節が使える様になることで

✔︎他の関節に加わる負担が減り、痛みが軽減する。
✔︎大きな力を発揮できる様になる。

などメリットがたくさんあります。

重心が股関節近くにあることから、股関節が動くことで重心移動をスムーズになります。

また、股関節には大きな筋肉が多数あることから、股関節が動くことで力発揮にも有利となります。

しかし股関節を動かすことは容易なことではなく、単純に股関節を意識すれば動くということでもありません。

大事なことは股関節を使える環境にすることで、

自然と股関節を使える様にする必要があります。

股関節を使える様になるための股関節の機能チェックとトレーニングについてご紹介します。

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2.股関節機能チェック

❶股関節を曲げた時のつまり感
❷股関節を開いた時のつまり感
❸膝を内側に寄せられるか(股関節を曲げて)
❹腰を動かさずに股関節を開けるか
❺腰部に力を入れずに脚を上げられるか|仰向け
❻腰部に力を入れずに脚を上げられるか|うつ伏せ

※❶-❸は柔軟性のチェックであり、股関節につまり感がないか確認してください。
   ❹-❻は筋力チェックであり、開きやすさや挙げやすさを指標にしてください。

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以上をチェックしてからトレーニングを始めましょう。


3.股関節トレーニング

❶股関節の深部筋を働かせる

関節の深部には股関節をスムーズに動かすための筋肉があります。
代表的な筋として腸腰筋・内外閉鎖筋・小殿筋が挙げられます。

これらの筋肉は股関節を安定させる作用があるため、トレーニングの始めに行うことがおすすめです。

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まずはそれらの股関節深部筋を働かせます。

腸腰筋トレーニング
太ももと抱え膝の曲げ伸ばしを行い、ハムストリングス・内転筋を伸ばしていきます。
※股関節屈曲位を維持できる様に太ももとヘソ(腸腰筋)が近づいた状態を維持したまま動かしましょう。

内外閉鎖筋トレーニング
股関節0°-90°の様々な角度で股関節を開くトレーニングとなりますが、まずは動かしやすい角度で行いましょう。
骨盤が回旋しない様に手で支えておきましょう。

小殿筋トレーニング
股関節外転位で股関節を内旋させ、外旋内旋を繰り返します。
膝が下がってこない様に注意しましょう。


❷腰椎(腰骨)と連動させる

股関節は隣接する腰椎と連動します。
そのため腰椎の可動性が低下していると股関節が十分に動きません。

腰椎周囲の筋肉をストレッチし、可動性を改善しましょう。
後方に丸めながら捻る事で腰部の筋肉のストレッチとなります。

ここまでのストレッチ・トレーニングにてチェック項目で行った柔軟性や筋力が改善されたら、mobility改善エクササイズを行い、さらに可動性を高めていきます。

腸腰筋により股関節を曲げ、重心を前方に移動させて立ち上がります。
腰部の緊張により過剰収縮を起こさない様に注意して観察し、股関節による重心移動によって立ち上がれる様にトレーニングしましょう。

その他mobility exはこちら


❸荷重位置との関係性

次に体重をかけた状態で股関節を動かしていきます。
股関節を動かすには足関節との連動性も必要になります。
足関節の動きを認識するには足裏の荷重されている位置を感じましょう。

荷重されている位置によって股関節の動きは変化します。

例えば、立った状態で身体を捻ると、捻った側は足裏の外側に荷重を感じ、
股関節は締まる感覚があると思います。
逆に捻る側と反対は足裏の内側に荷重され、股関節は開く感覚があると思います。

股関節に体重を乗せるには、この締まる感覚が重要になります。

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そのため、足裏の外側に荷重される感覚を維持したまま股関節を動かす必要があります。

足裏全体を内外側に2分割したときに外側を優位に荷重します。(3:7くらい)
そのまま股関節を動かしていくのですが、

股関節を動かす際に意識するのは、

ヘソを股関節の付け根に向かって動かすこと

です。

腸腰筋という腰と股関節をつなぐ筋肉を働かせるためでもありますが、腰椎と股関節を最短距離で曲げるために、ヘソと股関節の付け根を意識すると無理な動きが減ることが多く経験します。

股関節の回旋では、股関節を閉じるときは足部外側荷重のままヘソと付け根を近づけて、股関節を開くときは足部内側荷重のままヘソと付け根を離します。
※下腿が傾かない様に注意


4.意識せずに股関節を使うトレーニング

ここまでは股関節を意識して使ってきましたが、冒頭でお伝えした通り、

股関節を意識せずに使える様にする必要があります。

瞬間的な力発揮のトレーニングは意識しても反応できないため、ジャンプトレーニングの様な瞬間的な力発揮のトレーニングを行います。


ここまでの過程で股関節をトレーニングすることで

股関節に乗る感覚

が掴めると思います。
この感覚をもとにトレーニングを進めていくと、

股関節が使える動きを獲得

できるのではないでしょうか。


股関節を使える様になるには、

✔︎股関節深部筋のトレーニングで関節がスムーズに動く様にする
✔︎腰部との連動性獲得のために脊柱の柔軟性を改善する
✔︎足部との連動性を意識するため荷重位置を意識する

是非お試しください!!


平 純一朗|タイラ ジュンイチロウ

Medical Fitness Ligare(https://ligare-matsudo.com)GM 2016.10-
L-fit.(https://www.l-fit.training)代表 2017.10-
アスレティックトレーナー養成校非常勤講師 2011.4-2023.2
KSL関東サッカーリーグ1部所属チームトレーナー 2016.1-
V2リーグ女子所属チームトレーナー 2016.10-2022.3
【資格】
理学療法士
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

【SNS】
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