パワーポジション
パワーポジションとは
一般的には膝関節、股関節を軽度屈曲位で体幹を前傾したポジションとなる。
パワーポジションのメリットは静止状態からあらゆる方向へ瞬時に力発揮させスムーズに動き出すことができるとされていることから、スポーツ動作において必須の姿勢と考えられる。
しかし、その形(外から見た状態)にばかりフォーカスされ、実際に動作をする選手の内的な感覚にフォーカスされることが少なく感じる。
内的な感覚とは筋肉の収縮・弛緩状態、足圧の位置であり、それらは視覚、聴覚、筋肉の固有感覚など様々な感覚器からの情報が統合され運動として表出された結果となる。
よってトレーニングにおいてはその内的な感覚と外から見た形をすり合わせながら指導することが望ましいと考える。
また、状況によって求められる動きに対する良い姿勢は変化する。
前に行くための良い準備姿勢(重心を前にする)、後ろに行くための良い準備姿勢(重心を後ろにする)は目的が違うためその姿勢も変わってくるできである。
ニュートラルポジション
ここではニュートラル(真ん中)の構えについて考察していきたい。
体幹と下腿(スネ)が平行な状態。
バランスをとる足関節と股関節が同じ割合で動いているのかを確認する。
膝がつま先より前に出れば足関節優位でバランスをとり、いわゆる股関節が使えていない状態。
また上述した通り、この姿勢を保つために無理をしていないか。
構えの姿勢から動き出すには筋肉を収縮させる必要がある。そして収縮させるには弛緩させておく必要がある。姿勢を保つために無理をしている状態では身体にブレーキがかかっている状態であり、身体を動かすには大きな力が必要になる。
そのため構えの姿勢の状態では可能な限り、最小限の力で構える必要がある。
最小限の力で構えるポイント。関節の求心位。
構えの姿勢で重要となる股関節。
股関節は球関節であるため、いわゆる嚙み合った状態(求心位)になると関節で安定することができる。筋肉によって必要以上に支えなくて良い状態となる。
しかし股関節は重心位置に近いことから、上半身、下半身の影響を受ける。
上半身(特に胸郭)、下半身(特に足関節)での動きの低下は、股関節で代償する(かばう)ことになり、求心位になりにくくなる。
問題は大きく分けて2つ
上記の可動性低下は股関節運動軸の偏位を招き、関節の求心位がとりにくい状態となる。
パワーポジションを外から見た形にとらわれず、内的な感覚を考慮しながら構えの姿勢を取れる様に指導していくことが望ましい。
平 純一朗|タイラ ジュンイチロウ
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