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重心移動の評価・トレーニングセミナー
1.重心移動の評価・トレーニング
動作評価において、自身の重心をどのようにコントロールしているのかを見ることが重要である。
重心制御において可動性、筋力、そして感覚器からの情報の統合と処理が適切に行われているかを評価し、トレーニングに反映させていきます。
重心制御に必要な基礎知識と評価、トレーニングをご紹介します。
2.重心制御の基礎
重心移動には3つのフェーズがあります。
phase1|重心を支持基底面内に静的保持する
phase2|重心を支持基底面内で移動させる
phase3|重心を支持基底面外に移動させる
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.007](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40117336/picture_pc_a7d51d57596afdbfda3f16b592350341.jpeg?width=1200)
トレーニングを考えた際に、筋力トレーニングの代表であるスクワットはフェーズ1のトレーニングと考えられます。
重心の前後移動を最小限にすることで関節モーメントの増大を抑制し、重心を上下動させるトレーニングであると考えられます。
フェーズ2では支持基底面内で重心を前後移動をさせため、支持基底面内を大きく動かせる能力を向上させる必要があると考えます。(例|ケトルベルスイング)
フェーズ3では重心を支持基底面から外すことで移動が伴うため、重心移動の際の衝撃吸収と推進の動作戦略を評価し、トレーニングする必要があると考えます。(例|フロントランジ)
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.008](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40117521/picture_pc_bb5497f6c4f29ce631ade36a2c8f3187.jpeg?width=1200)
その重心移動能力を評価する方法は以下のバランス評価が挙げられます。
数値化されることから量的評価となりますが、そのバランス戦略も評価する必要があります。
phase1|片脚立ち
phase2|ファンクショナルリーチ
phase3|Time-up &Go test
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.009](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118019/picture_pc_5d482f12982012b8a9b04dc880939fe8.jpeg?width=1200)
Hip strategyとAnkle strategy
支持基底面の中心部分ではankle strategy優位となり、支持基底面外足部分ではhip strategy優位となります。
高齢者はHip strategy優位であるとされています。
どちらかに偏ったバランス戦略はパフォーマンスの低下だけでなく、障害につながりやすくなると考えられます。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.012](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118127/picture_pc_c658996093fa8531341e70f9ad121974.jpeg?width=1200)
全身のバランス戦略
カウンターアクティビティ(CA)|筋の制御
前方から外乱が加わった際に後方に転倒しないように筋収縮によりバランスをとる戦略となります。
カウンターモーメント(CM)|逆方向の関節運動
骨盤帯が後方偏位した際に、上半身を前方に偏位させることでバランスをとる戦略となります。
カウンターウエイト(CW)|体節の制御
上肢・下肢を逆方向に移動させることでバランスをとる戦略となります。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.014](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118246/picture_pc_96a0997d1aea5fd2300897942e62b29b.jpeg?width=1200)
バランス戦略において、目的動作に対してCWにてバランスを保つことが良いのかどうかを考える必要があります。
上肢を使う動作においてCWでバランスを保つことは、動作の遂行を阻害してしまいます。
しかしCWは大きく重心を移動させる点ではメリットとなるため、動作の目的によって良いかどうかは変わってきます。
3.静的姿勢制御の評価
上記したフェーズ1の評価となります。
静止立位を確認し、上下運動及びフェーズ2の動的姿勢制御で起こりうる問題を推測し評価を行います。
上半身質量中心と下半身質量中心を確認します。
静的姿勢制御から、動的姿勢制御における運動が起こりにくい方向の動作を確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.019](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118661/picture_pc_1075511ab97c4e505864bddac26ceb68.jpeg?width=1200)
下半身質量中心前方偏位・上半身質量中心後方偏位
しゃがみ動作における各質量中心の移動および、前屈動作にて下半身質量中心を後方に移動し、上半身質量中心を前方に移動できるかを確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.026](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40134272/picture_pc_16c777b6715ae889b563186f0aa05b72.jpeg?width=1200)
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.020](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118670/picture_pc_e5d5af44505422eb7cbb30d3e56222df.jpeg?width=1200)
下半身質量中心後方偏位・上半身質量中心前方偏位
しゃがみ動作における各質量中心の移動および、後屈動作にて下半身質量中心を前方へ、上半身質量中心を後方へ移動できるかを確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.027](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40134275/picture_pc_161fe87be63b657a93c521a9c9821d8e.jpeg?width=1200)
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.022](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118676/picture_pc_aa9a3014c8fd890e494bb7213418c37e.jpeg?width=1200)
フェーズ2の動的姿勢制御における支持基底面内での移動方法を確認することで、動作の優位性や苦手となる動作を確認します。
4.動的姿勢制御
フェーズ1および2の評価より、動的姿勢制御方法を推測し評価を行います。
前方に踏み出す動作において動作をどこから始め、どこを優位に動かすのかそのタイミングや方向を確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.030](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40134330/picture_pc_b48b30e869d6b49c27e6900e3d151e09.jpeg?width=1200)
以上の評価かから得られた現象を基に、トレーニングでは動作の優位性を考慮した指導が必要になります。
5.前額面の姿勢制御
歩行動作において重心の前額面ので移動は足部の回内外・骨盤挙上下制にてコントロールされます。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.038](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118807/picture_pc_caad54d8ecc89f9435f78115bfe5ee53.jpeg?width=1200)
静的姿勢制御の評価は片脚立ち、動的姿勢制御の評価は体幹側屈にて評価します。
下半身質量中心の移動は足部の影響を受けやすく、上半身の質量中心の移動は肩甲帯の影響を受けやすくなります。
下腿の傾きとそれに対する骨盤の挙上・下制の制御および上半身での立ち直り反応を評価します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.039](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40134450/picture_pc_ae39927f65efb4977d6958cf7ff747fe.jpeg?width=1200)
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.043](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118822/picture_pc_dbb95f78c1dec1c9cf38b0cd6fe8691c.jpeg?width=1200)
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.047](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40134484/picture_pc_eda72a9d35cab79cb2a224e68d8e8d9a.jpeg?width=1200)
フェーズ3の動的姿勢制御の評価ではサイドランジを確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.046](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118828/picture_pc_6b57f9eb27e696314632a543bd6468b8.jpeg?width=1200)
6.水平面での姿勢制御
水平面での姿勢制御は体幹の回旋を評価します。
足圧中心の移動に伴う股関節での制御を確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.053](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118856/picture_pc_df0f34abe3872fc8f67d3e4018bdb083.jpeg?width=1200)
動的姿勢制御の評価ではクロスオーバーランジを確認します。
![2020.12.1 重心移動の評価 資料.055](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40118885/picture_pc_5ee3ff334c7e91dfa1246fc8519e51e9.jpeg?width=1200)
以上、重心移動の評価とトレーニングについてご紹介しました。
重心制御を観察するポイントは
✔︎動作の優位性
✔︎力の方向
✔︎タイミングや割合
こららが目的動作に合致しているのかを評価する必要があります。
参考にしていただけたら幸いです。
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