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PT×ATの思考の整理

フィットネスジムでのコンディショニング ・パーソナルトレーニング、スポーツ現場でのトレーナー活動で得られる経験から、その知識・技術をnoteに整理して行きます。日進月歩の医学の世…
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2020年10月の記事一覧

腸脛靭帯タイトネスの改善

臨床において必ずと言っていいほど頻繁に遭遇する腸脛靭帯のタイトネスにについて、その原因と改善方法について考えていきます。 腸脛靭帯の解剖大殿筋・中殿筋・大腿筋膜張筋より腸脛靭帯となり、大腿骨外側上顆を越えて脛骨粗面外側のGerdy結節に付着する。 腸脛靭帯遠位 浅層|膝蓋骨外側に付着 深層|脛骨外側に付着 外側広筋の表層を走行する。 深部に脂肪体があり腸脛靭帯との摩擦により炎症を起こすとされている。 膝関節に対する作用 膝関節屈曲30°を境に屈伸作用が変わる。 屈曲30

肩関節後方タイトネスの改善

オーバーヘッドスポーツにおいて肩後方タイトネスは肩関節疾患に影響し、その改善を図ることは多いと思います。 まず考えるべきはなぜ肩の後方が硬くなるのかを考えます。 スイング動作においてリリースやアタック後に、肩の動きを止めるために身体の後方の筋群でブレーキをかける必要があります。 投球動作で考えると、 リリース後に肩内旋、肩甲骨前傾・内旋、体幹回旋にて減速するため、肩後方(三角筋後部や棘下筋)、肩甲骨後方(広背筋や菱形筋)、体幹後面+対側股関節後方筋群の働きが必要となります

胸郭-前腕連動性トレーニング|四つ這いトレーニング

物体に力を加える時には物体と接触する手指や手掌の動きに対して前腕・上腕・肩甲骨・胸郭がその動きに追従してくる必要があります。 下肢におけるCKCトレーニングでは足部・足関節に対して骨盤帯まで動きが追従してくる必要があるのと同様に、上半身のトレーニングにおいても手指・手関節に対して肩甲骨・胸郭の動きを引き出すトレーニングが必要になります。 またトレーニングにおいて土台となる手関節・前腕の可動域制限、周囲筋の筋機能不全は胸郭の動きを阻害するため、トレーニング前にその機能をチェッ

胸郭と肩甲骨の連動による軸回旋

回旋運動において上半身の回旋軸には胸郭と肩甲骨の連動が大きな影響を与えます。 上半身は投球動作の様に物体に力を加えるだけでなく、下半身とのバランスを保つことや、キック動作の様に下半身に力を伝達する役割があります。 そのため上半身の動きは、様々なスポーツ動作における効率的な動作の獲得に必須となります。 上肢の運動は肩甲骨を介して胸郭に伝わり、運動が連鎖します。 そのため上肢からの運動連鎖としての肩甲骨と体幹回旋運動としての胸郭の運動、それぞれが連動することで効率的な運動になる