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役者×写真家WS「flash.」プレレポート

初めまして。
地域密着型演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』代表
オガワジョージです!


今回は12月21日に行ったWS事業のプレレポートになります。
簡単に内容を説明します。

奥田さん(カメラマン)と僕(役者)が協同で写真を撮影します。
被写体(参加者)の方へヒヤリングを行い、
そこで出てきた言葉を大切にしながらイメージを作り上げ、
一体となって「良い写真」を目指します。

これだと普通の写真撮影との違いがイマイチ分かりません。
奥田さんの言葉かけも設定や感情・動きについて様々ありますが、
僕の立ち回りでより演劇的でクリエイティブな時間を目指します。

・ヒヤリングの質問(2つの視点から人物理解を深めます)
・状況へのイメージを膨らませ、一段深くのめり込ませる言葉かけ。
・より被写体の身体や心が自由になれるようなディレクション。

以下のレポートである程度の詳細が載っています。
ご興味ありましたらご覧ください。


また、僕の他の活動が気になった方はマガジン
【リアルタイム構築演劇ビジネスモデル「けい」】
というものがありますので、そちらも参照なさってください!



それではレポートです!


1.構成案

今回は事前にこんなことをしますという構成案を作成し、共有しました。
それがこちら。

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実は1月で行う予定だったWSのプレ開催で、
それに向けて作成した構成案をあえてそのまま共有しました。
見にくいようでしたらごめんなさい…!

受講者観=どんな人が来そうか。
題材観 =写真を撮られてこんなことに気づけるんじゃないか。
構成観 =良い気づきにするにはどんな流れがあったらいいか。
テーマ、達成に必要なこと、その判断規準。
具体的な流れ。

という感じです。
しかし実際にこのような流れにはならず、
自然な感じでヒアリングに入っていきました。


2.ヒアリング

屋外の待ち合わせ場所に3人が無事に揃い、
車で移動しながらヒアリングを1時間ほど行いました。

はる(@haru_sibaiさんに被写体としてご協力いただき、今年1年間を振り返りつつ、悩んでいることや最近の趣味、仲の良い友人たちとの交流などの会話を行いました。細かい内容は載せない方が良いと思うので、こちら側からして、人物理解につながった質問をいくつか載せておきます。

・寂しかったり、悲しかったりした時にどんな場所に行くか。
・どうして紅茶にハマったのか。
・便箋をこだわったりしたか。


ヒアリング序盤の方に話された「悩んでいる自分の顔をのこしておきたい」というような言葉に重点を置き、どのような場所・設定で撮るのかを探っていきました。


3.撮影

撮影場所として3ヵ所巡り、約500枚ほどの写真を撮りました。
時間としては1時間30分ほど。
選抜していただいた写真をお見せしながら、振り返っていきます。


1ヵ所めは駅改札へとつながる歩道橋の上で行いました。
電車の音や街の電光掲示の光が多い中での撮影。
【動き】
橋に寄っかかり、眺め、数秒してから振り返り、歩く。
【設定・感情】
聞き損ねましたが「悩みを思い出しながら街を眺めるも、踏ん切りをつけて前へ進むようなイメージで」という設定をしていたように思います。
途中で目線を上に向けたり、目元に自然に見えるほどほどの力を入れてみる
などの言葉かけがありました。
少しずつ表情に変化が見られるようになります。


2ヵ所めは道路下の短いトンネルで行いました。
オレンジの灯りがほんのりと灰色のコンクリートを照らす中での撮影。
【動き】
・ガードレールに寄っかかり、数秒して振り返る。歩く。
・階段の中段に立ち、対象物を見つめ、好きに動く。
【設定・感情】
僕を「悩みや悲しみなどが具現化されたもの」として設定して、
そこにイメージを膨らませていくように言葉かけを行っていました。
実際に動いた際「マフラーを投げつける」という動きが生まれ、
内側でぐるぐると回っている葛藤が分かりやすく現れたように思います!


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3ヵ所めは駅前のイルミネーション広場で行いました。
柵には金色、木には白と青の光がきらきらと光る中での撮影。
【動き】
・ベンチに座り、対象物を眺める。
・ベンチの上に立ち、動き回る。
【設定・感情】
自身の成功体験や嬉しくなる物事を思い返して「悩みをきれいに昇華し、前に進もうとする。自信に満ちた自分になる」という設定。
イルミネーションが消えたりするハプニングがあったものの、ベンチの上に立ち、こちら側からの言葉かけでより心や身体が上向きになってきたところでこれ以上ないタイミングで再点灯。
さらにやりたくなったことにチャレンジする、飛び込んでみてと伝えると「(ベンチを)降りてもいいですか?」と逆提案。
設定を覆して、変わった瞬間のように思いました。
木の電球に触ってみたり、木に抱き着いてみたりといった動きが生まれていきました。


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こちら側の言葉かけからいくつか
・主役、素晴らしかった。はるにしかできないことだったよ。
・地下から出てきたその子が初めて見た空、光。
・ここが今世界の中心。
・はるのために点いた灯りだよ。
・いっちゃえ。


4.アンケート結果

事後アンケートにご協力いただきました。
許可を得て共有させていただいています。

・お名前(芸名など)
はる

・どこでこのWSを知りましたか?
Twitter

・WS内容について
1.受けてみて、何か気づいたことや感じたことが「あった/なかった」りしましたか? また、どうしてそう感じましたか?

あった。今の自分の心情を共有することで、自然体な写真を撮ってもらえたのではないかなと思いました。

2.撮られる時「やりやすさ/やりにくさ」を感じましたか? また、それはどういう時に感じましたか?
やりやすさは回りからの言葉かけや、目印になってくれる人がいたのでやりやすかったです。
やりにくさは、冬だったので表情が固くなりがちだったかなと個人的に思いました。

3.印象に残っている言葉かけはありますか?
「はるなら大丈夫」


5.次回の工夫点

奥田さんとの反省会では、言葉かけや撮影の導入部、複数参加者がいた時の流れについてが多く工夫点が挙がりました。
抜粋です。

・簡単な事前アンケートを行い、話の切り口やイメージを予め準備すると序盤の会話が流れやすく、撮影により時間をかけられる。
・どんな質問(掘り下げるのか、膨らませるのか、つなげるのか)をしているのかの共通認識を持つと、こちら側でヒアリングの流れを整えやすい。
・別の参加者が被写体へ言葉をかけられる空気を作り、全員が目的に向かって創作する時間にする。
・息を吸う、吐くで身体や心をアイドリングさせる。


6.まとめ

プレWSにしてはかなりの収穫があり、今後もこのような流れで研ぎ澄ませていけばより良い創作の時間になるという自信が生まれたように感じます。
人が場所や言葉から影響を受けて、次々と変化していき、自分の中の何かを乗り越える瞬間が見えた気がしました。
僕はこの瞬間が生まれること自体がとても演劇的だと思います。
WSに参加された方が、何かしらを感じてもらえたのであれば大成功なのだと信じて、準備していこうと思います。

そして何より、寒い中ご協力くださった
はる(@haru_sibaiさん
カメラマン奥田さん(okun_makenありがとうございました!!







いただいたものはすべて創作活動にあて、全国各地を回って作品をつくったり、地域に向けた演劇活動の資金にします。「たった一人でもいいから、人生を動かす」活動をより大きく、豊かに頑張ります。恩返しはいつになるか分かりませんが、必ず、させてください。よろしくお願いします。