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プロダクトロードマップを作ってみた

スタートアップで1→10フェーズのプロダクトのプロダクトマネージャーをしています。転職して最初のミッションはプロダクト開発を正しい方向に加速させていくための基盤を整えていくことでした。
エンジニアはシニアエンジニアもいてパワーは申し分なく開発スピード、品質ともに全く問題ない状況でした。
プロダクト指標やバックログの運用、プロダクトロードマップはまだなくプロダクトの今後向かっていく所が分からないという状況になっていました。
この辺の課題を解決するために色々やってみました。


はじめに

1→10フェーズのプロダクトのプロダクトロードマップを作成したのでその過程を振り返りつつ書いていこうと思います。
転職して1ヶ月が経ち、オンボーディングも落ち着き始めて何かアウトプットしたいという気持ちもあり、チームの目標にプロダクトロードマップの作成を入れていたので着手することにした。

プロダクトロードマップの作り方

どんなプロダクトロードマップを作るか

まず、プロダクトロードマップについて色々調べました。
プロダクトロードマップを作るためにはプロダクトビジョン、プロダクト戦略、事業戦略が必要らしいということがすぐに分かった。
当然、無かった。プロダクトビジョンをまずは決めることにした。
下記の記事を参考にしました、それ以外もいろいろな記事も見ました。

プロダクトロードマップに種類があることも判明した、

  • 目標ベース

  • 機能ベース

  • Now-next-laterベース

この時点で機能ベースを作成しようと決めました。前述した通りプロダクトビジョンはない状態なので目標ベース、Now-next-laterベースはやめようと決めました。またプロダクトロードマップを共有したいステークホルダーはこの時点ではCTO、チーム内のエンジニア、デザイナーだったということもあり、機能で書いた方がイメージを持って貰いやすいかなと思いました。

次に期間については、チームの運営にもプロダクトロードマップを使用したかったので短期版と中長期版のロードマップを作成しようと決めました。
短期版は半期、中長期版は1年から3年。
プロダクトロードマップを丁度作り始めるタイミングが下期スタートのタイミングだったので短期版にはチーム内で決めた目標を落とし込んでいくことにしました。

中長期版はプロダクトビジョンを決めつつ、チーム内、CTO、CS、Salesのメンバーからプロダクトに欲しい機能や改善を集めてから作成しようと決めました。この時点ではプロダクトバックログも作成したばかりで施策もそこまで溜まっていませんでした。やるべきこと、方向性がある程度決まった。

  • プロダクトビジョンの策定

  • 機能ベースでロードマップを作成する

  • 短期版と中長期版を作成する

プロダクトロードマップ作りの準備

どのようなロードマップを作成するか決めたが、プロダクトビジョンが無いとだめだ、プロダクトビジョンを作るにはリーンキャンバスが必要だとなりまずは一番土台のリーンキャンバスから作成するとこにしました。
1→10フェーズだったのでまだ顧客もそこまではおらず、このプロダクトがどの層のニーズにマッチするのか誰も分かっていない状況でした。(まあよくある状況)
この段階である程度何をしていくか決まりました。

  1. リーンキャンバスの作成

  2. プロダクト指標の作成

  3. プロダクトビジョンの作成

  4. プロダクトロードマップの作成

本命のプロダクトロードマップの作成に辿り着くまでかなり道のりが長いなあと思いながらもこれを遅くとも2ヶ月で終わらせようと思いました。

ゴールを決める

プロダクトロードマップを1人で作って終わり、なんてことは無いと思います。ステークホルダーに共有し合意を得る必要があると思います。

今回は経営層、チーム内に共有し合意を得ようと決めました。
経営層: CTO
チーム内: エンジニア、デザイナー

アウトプットを出していく

リーンキャンバス、プロダクト指標、プロダクトビジョンの作成は書いたらとんでなく長くなりそうなので割愛。
プロダクト指標は下記の記事を参考にしました。

特に、NSM(North Star Metric)については1ヶ月くらい緩く考えいて、思考したり、このプロダクトを使ってないて嫌なことがあるとしたらなんだろう?このプロダクトを使っていて良いことってなんだろう?とかひたすら考えていました。地道にホワイトボードに付箋をペタペタ貼っていました。
そして、辿り着いた。

いよいよ本題のプロダクトロードマップの作成。
プロダクトロードマップは説明することが多いので最終形はGoogleスライドにまとめることにした。
まずは短期のロードマップを作っていく、半期分を想定して作成していく。
このロードマップに入れるものはプロダクトのフェーズによって違ってくると思います。今回私が担当しているプロダクトでは狩野モデルで言う当たり前品質に当たる部分とクライアントからよく要望を頂いていて一番効果がありそうなものなどを入れていきます。

入社して1週間ほどでプロダクトバックログが無かったので作成し、打ちたい施策を優先度をつけて並べると言うことはやっていたのでPBから優先度の高いものを取っていくことにしました。

経営層にも説明するため、出していた施策を分かりやすくするためにマッピングします。
横軸に効果、縦軸に工数をとりマッピングしていきます。

施策マップのイメージ図

これで、右上の象限にある施策は優先的にやるべきと言うことが直感的に伝えられるようになります。

この施策達を時間軸ごとに並べていきます。

プロダクトロードマップの一部

これを半期分、中長期の1年~3年単位のもの2つ用意していきます。
施策のサイズが全くわからない状態なので、チームのエンジニアの方とあてずっぽう見積もり会というのを実施して、2週間かかりそうだなと思ったら2のラベルをつける3週間なら3をという感じで超適当に見積もっていきます。
この段階で正確な見積もりをしようなどとは誰も思わないと思うので適当でいいです。なぜかこの見積もりは私も参加して見積もってました。
基準となるストーリーポイントやベロシティを計測していればもう少し精度のいい見積もりができたかもしれないが、今回はここら辺のスクラムの要素は無かったので適当にやることにした。

短期のロードマップは適宜予定を動かしていいと思うので、この施策を動かしやすいFigJamなどのホワイトボード、Asanaのロードマップ機能も使いやすいのでここら辺をお勧めします。

続いて、中長期のロードマップを作っていきます。これはかなり難しかったです。半年先のことも予測できない市況や環境であるため1年や3年後にやりたいことを出すのはとても難しかったです。
ここはCTOとの1on1の時やチーム内で中長期の施策案をブレストしたり、Salesの方にもヒアリングに行ったりして施策案を集めたりしました。

中長期の施策に関しては先が読めない環境ということもありあまり時間はかけませんでした。よくある国際化、使用しいてるサードパーティ製のライブラリの自作、独自技術のR&Dなどを出して終わりにしました。

これらをGoogleスライドにまとめていき、経営層、チーム内で共有していきます。
合意が取れたら終わりです。この後は定期的にメンテしていくことになると思います。

おわり

プロダクトロードマップを作るぞーとなってから必要なものがたくさん出てきて、しかも1つ1つとても重たいタスクばかりで1人では到底作成はできなくて、チームのメンバー、CTO、Salesチームのメンバー、EMの方にも協力していただきました。
現在はプロダクトの進んでいく道がある程度可視化されて共通認識になっているのでやってよかったなと思っています。
プロダクト指標も用意したばかりなのでダッシュボードを作っているところです。
これも今後定点観測していくことになるでしょう。

書き忘れていましたが、一応プロダクトロードマップには内部向けと外部向けがありまして、今回作成したものは下記のように位置付けていました。
短期版→外部に公開しても良い
中長期版→完全に内部向け

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