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チームとグループの違いから考えるチームビルディング入門

Voicy Advent Calendar 2023の7日目の記事を担当する立花(@kzytcbn315)です。VoicyではiOSエンジニアをしています!

私がチームビルディングに深く関わるようになったのは、約2年前のことです。当時、チーム運営の経験がほとんどないにも関わらず、チームリードの役割を担うことになりました。初めてのことで、どこから手をつければいいのか、途方に暮れていました。ネットで調べたり、本を読んだりしても、理論的なことはわかるものの、それをどう実際のチーム運営に応用するのかがピンと来ませんでした。

しかし、実際にチームをリードしていく中で、一つの大切な気付きがありました。それは、新しく組まれた「チーム」が実際にはまだ真のチームになっていないこと。そして、このグループを機能的なチームへと導くプロセスが、まさにチームビルディングの核心なのではないかと思うようになりました。

そこで、この経験を生かして「チームとグループの違いから考えるチームビルディング入門」と題した記事を書くことにしました。特にチームビルディングの初心者の方々に向けて、私が経験から学んだことや気づいたことをシェアしたいと思います。この記事が皆さんのチームをリードすることに役立つヒントやアイデアを提供できればと思います。


チームビルディングとは何か?

チームビルディングについて考える前に、そもそも「チーム」とは何なのでしょうか?この疑問は、チームビルディングのプロセスを深く理解するための出発点となります。一般的に、「チーム」とは共通の目的や目標に向かって協力する人々の集まりを指します。しかし、この単純な定義だけでは、チームビルディングの全貌を捉えるのは難しいです。

チームビルディングは、一見すると単に「チームを構築する」ということに思えますが、実際にはそれよりもずっと複雑なプロセスを含んでいます。このプロセスには、メンバー間の結束を強化すること、互いの理解を深めること、そして各自が自分の能力を最大限に発揮できるような環境を整えることが含まれます。

私がチームリードとしての経験を積む中で気づいたのは、新しく結成されたチームが、実際には最初は「グループ」としての性質を持っていることです。この「グループ」とは、まだ共通の目的や協力体制が確立されていない、人々の集まりを指します。

チームビルディングの核心は、このようなグループを、実際に機能的で協力的なチームへと発展させることにあります。このプロセスでは、メンバー一人ひとりの能力や経験を適切に理解し、それをチームの目標達成に活かすことが重要です。役割の明確化、相互の理解を深めること、そして共通の目標に向けた協力が、効果的なチームビルディングを成功に導く鍵となります。

チームの本質

チームビルディングにおいて深く考えるべき最初の問いは、「チーム」とは何かということです。私がチームリードとしての経験を積み重ねる中で、この問いについての理解が徐々に深まってきました。チームという言葉は日常的に使われますが、その本質はしばしば見過ごされがちです。

一般的に「チーム」とは、共通の目的や目標に向かって協力する人々の集まりを指します。これは、個々のメンバーがそれぞれの役割を担い、相互に依存しながら目標達成を目指す集団です。しかし、これはチームの表面的な定義に過ぎません。チームの真の本質は、その構成員がどのように連携し、共通の成果に向けて協力するかにあります。

チームは単なる人々の集まり以上のものです。それは、互いの能力やスキルを活かし合い、一つの目標に向かって努力する組織です。効果的なチームでは、メンバー一人ひとりが自身の強みを理解し、チーム全体の目標達成に向けてその強みを発揮します。この過程で、相互理解と信頼関係の構築が非常に重要になります。

チーム内のコミュニケーションは、メンバー間の関係性を強化し、共有のビジョンや目標に向けた協力を促進します。効率的なコミュニケーションによって、個々のメンバーは自分の責任を明確に理解し、チームとしての一体感を醸成することができます。

チームビルディングにおいては、単にメンバーを集めることだけではなく、彼らが協力し合い、相互に支え合いながら目標に向かって努力できるような環境を作り出すことが求められます。これには、個々の能力や強みを理解し、それをチームの成果に結びつけるリーダーシップが不可欠です。このプロセスを通じて、グループ状態だったチームが、共通の目標を達成できるチームへと変化します。

グループとしての出発点

これまでの章で、チームビルディングのプロセスとチームの本質について考えてきました。しかし、実際にチームビルディングを始めると、具体的な取り組み方がすぐには見えないかもしれません。そこで、チームを考える前に、まずは「グループ」という概念に目を向けてみましょう。

例えば、私たちの周りには様々な「仲良しグループ」が存在します。友人グループ、趣味のサークル、職場の同僚など、これらはすべて何らかの共通点を持つ人々が集まって形成されるグループです。これらのグループは、単に共通の関心事や活動を共有しているだけで、特定の目標を達成するために組織化されているわけではありません。

新しく形成されたチームも、初期段階ではこのような「グループ」の性質を持ちます。メンバーは集まっていますが、まだ共通の目的や明確な役割分担、協力体制が確立されていない状態です。この段階では、メンバーは互いに知り合い、信頼関係を築くことが重要です。相互理解を深めることで、グループ内でのコミュニケーションが活発になり、徐々にチームとしての一体感が生まれてきます。

チームビルディングにおいて、この初期のグループ段階を適切に管理することが非常に重要です。グループがチームに成長するためには、グループに働く力学を理解し、それらに適切に対処していく必要があります。グループをチームにしていく活動こそが初期の効果的なチームビルディングの鍵です。

リーダーとしての役割は、メンバーをただ導くだけでなく、彼らがチームの一部として自分の役割を認識し、自発的に貢献するように促すことにあります。これには、定期的なミーティングやワークショップの開催、個々のメンバーとの1対1の会話など、さまざまなアプローチが考えられます。これらの活動を通じて、メンバーは互いに理解を深め、チームとしての共通のビジョンを持つようになります。

グループからチームへの移行は、しばしば時間がかかるプロセスです。しかし、この過程を通じて、メンバーはより強固な絆を築き、共通の目標に向かって努力できるようになります。チームビルディングは、単に効果的なチームを作ること以上の意味を持ち、メンバーの個人的な成長や組織全体の強化にも寄与します。

この章を通じて、グループとしての出発点からチームを考える重要性を理解していただければと思います。グループの段階を適切に管理し、メンバーが互いに協力し合い、共通の目標に向かって努力できるチームへと成長させることが、成功への第一歩です。

チームとグループに働く力学の違いを理解する

これまでにチームビルディングのプロセスとチームの本質について考察してきましたが、ここからは「チーム」と「グループ」の間に働く力学の違いを具体的に掘り下げていきたいと思います。

チームとグループは一見似ているように見えますが、その構成員間の関係性、コミュニケーションのパターン、目標達成に向けた取り組みの仕方には大きな違いがあります。ここでは、これらの違いをテーブル形式で比較しながら説明します。

グループは、例えば友人の集まりや趣味のサークルのように、共通の関心事や楽しみを共有するために集まります。これに対して、チームは特定のプロジェクトや目標を達成するために形成され、各メンバーがその目標達成に向けて役割を持ち、協力し合います。

グループ内では、メンバー間の関係性は比較的緩やかで、コミュニケーションも非公式で断続的なことが多いです。一方、チームでは、メンバー間に信頼関係が築かれ、定期的で構造的なコミュニケーションが行われます。これにより、チーム内での意思決定は共同で行われ、メンバーは共通の目標達成に向けて連携し合います。

このように、チームとグループは、目的、関係性、コミュニケーション、決定プロセス、成果という点で明確に異なります。特に、チームビルディングにおいては、これらの違いを理解し、グループを効果的なチームへと成長させるためのアプローチを考えることが重要です。

チームビルディングのプロセスでは、まずグループの現状を理解し、その後にチームとしての目標を設定し、メンバー間の関係性を強化し、協力的なコミュニケーションを促進することが求められます。このプロセスを通じて、チームは目標達成に向けて一丸となり、成果を生み出す力を持つようになります。

まとめ

私がチームビルディングに深く関わるようになったのは、約2年前のことです。その時、私にはチーム運営の経験がほとんどなく、どこから始めればよいのか途方に暮れていました。しかし、チームを実際にリードしていく中で、チームとグループの違いを理解することが、チームビルディングの要であるという重要な気づきがありました。

この記事では、チームビルディングの基本的な概念について考察しました。特に、新しく形成されたチームが実際には「グループ」としての特性を持っていること、そしてこのグループを機能的なチームへと変えていくプロセスが、チームビルディングの重要な部分であることを見てきました。

チームビルディングは、「チームを構築する」という単純な概念を超えています。それはメンバー間の結束を強化し、相互理解を深めること、そして各自の能力を最大限に引き出せる環境を整えることを含んでいます。これは、個々のメンバーが自分の役割を認識し、チーム全体の目標達成に向けて自身の強みを活かす過程です。

チームとグループの間の力学の違いを把握することは、効果的なチームを構築する上で極めて重要です。目的、関係性、コミュニケーションのスタイル、意思決定のプロセス、そして成果の面において、両者は明確に異なります。初期段階のグループを適切に管理し、メンバー同士が協力し合いながら共通の目標に取り組むチームへと成長させることが、成功への重要な一歩となります。

この記事が、チームビルディングの初心者の方々に対して、チームをリードする上での貴重な洞察とアイデアを提供し、皆さんのチームが共通の目標に向かって協力して取り組む支援となれば幸いです。チームビルディングは、単なるプロセスではなく、人々が互いに協力し合いながら共に成長する旅です。この旅を通じて、皆さんが個人として、そしてチームとしての成長を達成できることを願っています。

さいごに

この記事を読んでチームビルディングについて情報交換してもいいよって方がいらっしゃいましたらカジュアル面談なり、XのDMなり気軽に連絡ください!!


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