防已黄耆湯も合っていなさそう



ことのあらまし

かつて、ダイエット目的でなく体調を良くする目的で、証を素直に素人判断して、十全大補湯をのんでいた。

Instagramerの中で流行っているメディカルダイエットの存在を知り、てはじめとして、GLP-1作動薬やマジンドールより手軽な、漢方を試してみた。

十全大補湯では副作用が出なかったのに、メディカルダイエットに使われている漢方薬では、副作用が出現した。防風通聖散は人工ノロウィルスと形容せざるを得ない働きをし、防已黄耆湯は汗を少なくはしてくれたもののなぜか元々短気な性格をさらに短気にしてしまった。

防已黄耆湯とはどのような薬なのか

https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/bouiougito.html

  • 身体を巡るエネルギーとなる気を補い

  • 胃腸の働きを高めて

  • 飲食物を身体が処理しやすくし

  • 余分な水(飲食物中の水分に由来する身体を潤すもの)を排出しやすくしやすくすることで

  • 水太りの肥満やむくみ、多汗を改善する

ような薬である。

確かに汗はかきにくくなった

しかし、さらにイライラしやすくなってしまった

ダイエット効果はともかく、確かに汗はかきにくくなったが、さらにイライラしやすくなってしまった。これは、解毒証体質と防已黄耆湯の相性が悪そうなせいだ。

解毒証体質とは、アレルゲンやウィルス、細菌というような外界からの刺激に対して反応しやすい体質である。筆者には、ハウスダスト・ラテックス・花粉などをアレルゲンとしたアレルギーが有る。そのうえにコロナ禍前から戦々恐々としていたほどに風邪をひきやすい体質だ。アトピーも少し残っていて、乾燥して浅黒い肌をしている。一貫堂医学の分類に従えば、筆者に解毒証体質の気が有るだろう。

香杏舎銀座クリニック日笠院長による、陰陽の過剰および不足による体質の解釈を用いる。ここでの、陰とは脂肪や筋肉などの身体の物質的構成成分であり、陽とは身体を動かすエネルギーである。陰に偏れば同化作用に、陽に偏れば異化作用に代謝が偏るイメージだろう。
偏りやすさ・代謝されやすさを+(代謝が行われやすい)と-(代謝が行われにくい)で直感的に分類すれば、陰+陽+、陰-陽+、陰+陽-、陰-陽-の4パターンになる。

筆者の体質は、先述した外界への過敏さと、幼い頃は疳の虫が強く今もイライラしやすい性格であることを顧みれば、食べたものがもっぱらエネルギーにばかりなって身にならないような解毒証(陰-陽+)に該当しそうだ。ただし、この解釈での解毒証とは反して寒がりだし、大人になってからの体質は体調を崩しやすいため神経質になりがちで胃腸の弱い虚証(陰-陽-)の方が近いかもしれない。

防已黄耆湯は、食べたものがもっぱら身になるばかりでエネルギーになりにくいがゆえに水を飲んでも太るような人(陰+陽-)への処方らしい。

代謝の陰陽の偏り的に、筆者の陰-陽+〜陰-陽-の体質と、防已黄耆湯が対象とする陰+陽-の体質が食い違っているから、防已黄耆湯を服用するとイライラしやすさが酷くなってしまったのだろう。

でも汗をかきにくくする効果は本当にありがたい

汗をかきにくくなったのは本当によかった。常識外れな多汗症の人から、普通の、滝汗をかく人くらいになった気がする。さて、防已黄耆湯のどの生薬が多汗に効果があるのだろうか?

防已黄耆湯は、以下の生薬の組み合わせで成り立っています。
・防已(ボウイ)……ツヅラフジ科の根や茎で、水分代謝不良によるむくみや関節痛に用いられます。
・黄耆(オウギ)……マメ科の根です。水分代謝をよくしたり、過剰に出る汗を止めたりする目的で配合されます。
・大棗(タイソウ)……ナツメの果実です。消化器系の保護の目的や、利尿薬として作用します。
・蒼朮(ソウジュツ)……キク科の植物で、根を用います。胃腸に良いとされます。
・甘草(カンゾウ)……防已黄耆湯には、消化器機能を高める目的で配合されています。
・生姜(ショウキョウ)……消化機能の活発化を目的として配合されています。

https://www.herbal-i.com/kanpo-shoyaku/bouiougito/

どうやら多汗に黄耆が効果があるようだ。汗対策になるのはありがたいので、黄耆を含む漢方が他に有るのか調べてみよう。

によれば、主な配合漢方薬は、

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

https://www.kampo-view.com/syouyaku/a008

らしい。ん?

さいごに・まとめ

  • 自分の体質と合わない漢方薬を飲むと効かないどころか予期せぬ副作用に襲われることがある

  • メディカルダイエットに漢方薬を使うときも自分自身の体質と相談して使うべき(ただのプラセボラムネではなさそう)

  • 筆者には漢方薬によるメディカルダイエットは向いていなかった

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