紅麹問題を通して、科学と疑似科学について考える
さて、最近、紅麹問題なる問題が勃発しました。
小林製薬の紅麹というサプリメントを常用的に服用していた方々が相次いで体調不良を訴える。多くが腎機能に何かしらの問題が生じ、死者まで出たとか、なかなかに闇が深い問題です。
本問題に対して、最近読んだ書籍『科学がつきとめた疑似科学』を踏まえて考えていきたいと思います。
紅麹問題を通して、科学と疑似科学について考える
科学と疑似科学の違いって何?
科学は体系的な観察、測定、実験、そして理論の形成を通じて知識を拡大しようとする取り組みです。一方、疑似科学は科学的な方法論を欠いたり、証拠に基づかない主張を科学的であると称したりすることが多いです。
ちょっとわかりづらいですね。
もう少しかみ砕いてみると、科学は基本的にエビデンス(証拠)があるよということです。だから、実証できるし、逆に間違っていれば反証できるということです。
逆に疑似科学はエビデンスが不十分だったり、信念や考えがその証拠となっていたりするので、当然証明することもできなければ反証することもできないということなんですね。
実はこの定義の部分(=エビデンスに関する部分)は今回の紅麹問題ともつながってきます。
トクホと機能性表示食品の違いについて
トクホ(特定保健用食品)
トクホは「特定保健用食品」の略で、消費者庁の厳しい審査と承認を経て、特定の健康効果が認められた食品です。
機能性表示食品
機能性表示食品は、企業が自らの責任において、科学的根拠に基づく健康効果を表示できる食品カテゴリです。
上記の定義の通り、トクホと機能性表示食品とは一消費者からすると同じようなお墨付きがついているように見えますが、機能性表示食品はあくまで自主的に主張している「自称」でしかなく、トクホのような厳正な審査を経ているわけではないんですね。
だから、今回の件も、国の責任ではなく、小林製薬の企業としての責任だと言われるゆえんとなります。
サプリメントの罠
今回の件で、「サプリメントは害悪だ」といった声も聴かれます。私もサプリメントはあまり好きではありません。
また、サプリメントを摂取する前に一つ知っておくべきことがあるようです。経口摂取がそのまま効果があるのかどうかとういことなんです。
例えば、猛毒を持った蛇にかまれて死ぬって事故がありますよね。
けれど、猛毒の蛇の毒って経口摂取(口から飲む)しても大丈夫なことが多いようです。要するに血液などの体液を通して摂取するとアウトな毒もあれば、飲むだけでアウトみたいな毒もあるってことです。
だから、サプリメントもたしかにその成分は身体にとって大事なんだけど、そのまま経口摂取してもほとんど身体に吸収されなまま分解されたり、排出されたりしてしまうものあるらしく、「意味がない」ものも多いみたいです。以前の疲労と疲労感についてのレビューでも書きましたが、商業主義の害悪とも言えます…。
一番よくないのは「思考停止」
さて、こういう問題が起こると、サプリメントは絶対悪という論調が見られます。私もサプリメントはあんまり好きじゃないので、まあわからなくもないです。サプリメントみたいなものってどのくらい摂取すればいいのかって難しいんですよね。
だって、栄養素は食事や、あるいは、体内分泌からも得られているわけで、加えて経口摂取に意味がなかったりすると、どのくらいを追加で摂取するのがいいのかどうかなんてわかりづらい。
ちなみに、「毒島」さんって苗字読めます?
正解は「ぶすじま」さんです。これ、なかなか強烈で変なあだ名つけられそうな苗字なんですが、実は誇り高い苗字で、毒には「薬」って意味もあるのだとか。猛毒で有名なトリカブトさえ、適切な処方であれば漢方では薬になるみたいです…。
そう、栄養素にしろ、取りすぎれば、毒になるってことなんですね…。
けれど、絶対悪ってのはいささか極端すぎる。
体質的なところで、サプリメントの補助が必要な方もなかにはいるでしょう。自分にとって必要ないことが他者にとって必要でないことにはなりませんし、すべてが悪と決めつけるのは早計かもしれません。
ヨーグルト健康法から考える
私はここ数年、「はちみつ+MCTオイル+ヨーグルト」という組み合わせを食事に取り入れることで、劇的に腸内環境が改善しました。
加えて、蜜柑ゼリーを毎日食べることで、ビタミンCを摂取し、免疫が向上したことから、風邪をひくことは一年に一回あるかないかくらいです。
一般法則だけでは決められない個人の体質もある
しかし、紆余曲折がありました。
実は、「合うヨーグルト」「合わないヨーグルト」があるんですね。
私は製品名は言いませんが、トクホになっているヨーグルトを摂取すると、毎回、おなかをくだすようになってしまったんですね。
逆にトクホではないヨーグルトが自分にはすごくあっていて、毎日、その二種類を食べています。
どうやら、ビフィズス菌にもたくさん種類がいて、「自分の体質に合う菌」と「合わない菌」がいるようです。
加えて、フルーツゼリーも、ミックスゼリーにすると、高確率でおなかをくだすので、最終的に蜜柑ゼリーになりました。どのフルーツなのかまで特定できなかったのですが、アレルギーというレベルではないものの、体質的に微妙なフルーツが存在しているようです。
紅麹事件についても、「あれ?なんか摂取したら体調悪くなってない?」と気づければ早い段階でサプリメントの摂取をやめられたかもしれませんね。
ちょっと、酷なことを言ってしまっていますが…。
結局、個人個人が自分の体質を踏まえて考える必要がある
結局、こういうことなんだと思うんですね。
だから、以下がまとめです。
知識は武器になる。
けれど、思考停止は悪。
自分の体質を知る必要がある。
そのためには細かな観察が必要。
妄信しない。微修正。