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【モヤモヤ】マンションマーケターの思うところ・・・

こんにちは、kenjiです。今回は最近とくに感じる、新築分譲マンション販売におけるマーケティング(プロモーション寄りです)にまつわるモヤモヤを綴りたいと思います。結論があるわけではないですが、是非ご覧ください。


●kenjiが思うマーケティングとは?

これは僕の持論ですので賛否あるかと思いますが、お付き合いください。


マーケティングとは、売れる仕組みをつくること、と捉えています。


しかし、不動産業界にいて思うのは、この業界でいうマーケティングとは、市場調査・競合調査のこと、と捉えています。つまり、情報としての認識です。


当然、市場調査もマーケティングの一部ですが、それはあくまで材料集めの段階。それらの材料をもとに美味しい料理(商品企画やプロモーションプラン、さらには営業シナリオ)を作るのが、マーケターの腕の見せ所だと思っているので、このあたりで、モヤモヤした感じをよく抱きます。


●商品と顧客のあいだで・・・

また、売れる仕組みとして重要なのが、そもそも売れる商品であること。そのために、市場調査や顧客分析などで顧客像を描き、インサイトを探る。それらを商品企画に活かす。また、そうして企画した商品を、当社描いた顧客設定に応じてプロモーションプランに落とし込んでいく。その際、シナリオ通りにいくこともあれば、想定した顧客に響かないこともあり、新たに顧客像を作り直す場合も多々あります。そのときには商品の視点に戻り、改めて機能面やデザイン面の訴求点や使用方法などの新しい情報をネタとして提案する。


●強烈なまでのプロダクトアウト

では、新築分譲マンションの、たとえば広告(チラシ)などを見てみるとどうだろうか?


ほぼほぼ下記の内容に集約されます。


・空撮

立地のファクトの提示

・完成予想CGパース

建物の規模感やデザイン、共用施設の主張

・間取り

用意しているプランの提示


つまり、「わたしはこんなマンションです!!」という紹介。それをエリアに向けて絨毯展開して、反応する人を待つ。つまり、当該マンションの解釈を顧客に委ねる展開とも言えます。


それはそれでいいのです、が、何か大味だなぁと感じてしまう。


●立地100%

ではなぜそれでうまくいくのか?そうです、これまでもこの展開で売れているので、うまくいっています。


答えは、下記だと思っています。

ただし前提として「どのデベロッパーも通常の品質は担保していること」「価格が市場とあきらかな乖離をしていないこと」とします。


・立地(ほぼ)100%の商品であること。

・商品に可変がきかないこと。


◎立地(ほぼ)100%

どうあがいても、駅から10分のマンションは10分であることは変えれません。最寄駅を人気駅に変えれません。商業施設や公園を近くに持ってこれません。用途地域は変えれません。


つまり、仕入れた時点で、評価は決まります。同じエリアに競合がいて、より駅に近いならば、駅距離という点ではあきらかに不利です。マンションに住むなら、当然駅10分より5分の方がいいでしょう。


また、駅距離の差を埋めようと、素材や共用施設を充実させようとすると、その分販売価格に転嫁されます。


◎商品に可変がきかないこと

たとえばホテルなどは、サービスの質をあげる、設備を新しくする、プランを増やす、など日々変わるマーケットや顧客志向に合わせて商品を変えていくことができます。まさにマーケティングにおける、商品と顧客のつなぎ合わせです。


では、新築分譲マンションはどうでしょうか?


販売をした時点でプランや共用施設は決まっており、マーケットや顧客思考に合わせて途中で変えれません。建築確認などのルールがあるためです。また、サービスも変えれません。一度決まった価格はなかなか変えれないためです。つまり、販売の時点ではすでに商品が固まり、それを作るために色々な人たちが動き出しているため、途中で方向転換できないのです。


よって、商品企画の段階で顧客像を間違えると、なかなかしんどいことになります。


●良い立地は、誰でも売れる!?

いささか乱暴ですが、ということは、人気駅から5分のマンションは、たとえ担当マーケターが新人でも、問題なく集客でき、売れると思います。


逆に、そこまで人気ではない駅から10分以上かかるマンションは、かなりの凄腕のマーケターでも苦戦すると思います。


新築分譲マンションという商品はなかなか特殊で奥深く、そのためのマーケティングも、難しいようで単純なようで、、、という話でした。



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