「原因」と「結果」の法則 ジェームズアレンを読んで。
何か事件がおこると、加害者が幼いころに両親が離婚したとか、不幸な生い立ちがあったとか、不幸な環境が要因でその事件か起こったように報道されることが多い。
その度に、不幸な環境があっても成功している人は沢山いて、真っ当な人生を送っている人が圧倒的に多いはずなのに、そのような眼鏡で見てしまうことの不公平を感じるし、真面目に生きている人たちに失礼な報道だと感じていた。
この原因と結果が伝えていることは非常にシンプルで、「人の思いが人格を創り、環境と運命を創る」ということである。
思いは、密かに心に抱いているものを引き寄せてしまう性質があり、望んでいるものではなく恐れているものも引き寄せてしまう。善い思いは善い実を結び、心に忍び寄る自己中心的な欲望や悪い思いも悪い実を結んでしまう。
事件の加害者は、不幸な運命や環境のせいで事件を引き起こすのではなく、不純な思いや利己的な欲望が犯罪という行為につながる。
清らかな心を持った人はどんな誘惑を受けようと犯罪に手を染めることはない。
仏教にも「すべての結果には必ず原因がある」という因果の道理を根幹として説かれていて、私たちの運命を生み出す原因は、自分の行いだと教えられ「自業自得」「因果応報」として伝えられている。徳を積むような善い行いは善い運命に導き、悪い行いや悪い心は悪い運命を導く。筆者ジェームス・アレンも釈迦や仏陀を学び、すべては神が生み出したとするキリストの教えよりも自分の心と行為が運命を創るという仏教の教えが、聖書に次ぐベストセラーと言われている『「原因」と「結果」の法則』を生んだのだと思う。
「しあわせはいつも自分のこころがきめる」と相田みつをの書にもあるが、幸せを考えるときに、ついつい誰かと比べて自分の立ち位置を測り、幸不幸を決めてしまうような醜い思いを描いてしまう場面がある。
何かと比べているようでは幸せや望んでいる運命や環境を形づくることはできず、利他の心で自己の欲望ではなく正しい思いを持って善い行いをすれば、自ずと善い環境や善い運命を創ることが出来ることを忘れずに、周りに良い影響を与えるような発言や行動を意識しつつ、無意識にできるようになるまで、心を鍛え人間力を高めていきたい。
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