越境人材ミートアップ インタープレナー(越境人材)が活躍するための条件とは
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越境人材ミートアップ インタープレナー(越境人材)が活躍するための条件とは

SUNDRED Industry-Up Week  2021 Autumnインタープレナー公式レポーターの竹松です。
10日間にわたる大型カンファレンス、SUNDRED Industry-Up Week  2021 Autumnも水曜日の今日が折り返し地点、山場に差し掛かっています。

今週、13日月曜日から17日金曜日の5日間は Industry-Up Dialogue という企画が毎日1~2本行われています。

「Industry-Up Dialogue」は “実現すべき未来”の共創に取り組むキーパーソンと、新産業の目的やエコシステムの仮説等についてインタラクティブな対話を行うリアルな場の企画です。

リアル会場で数日間集中的に行われるようなカンファレンスとはまた一味違って、対話を毎日繰り返すことで、日々熱気が乗数的に高まり、インタープレナー間の関係性も密になってきているのを感じます。

もしかしたら、ニューノーマルな時代には、一気呵成、瞬発的な興奮よりも、ライトだが保続的な刺激が重要になってくるのかもしれません。

さて、本日のdialogueは、「越境人材ミートアップ インタープレナー(越境人材)が活躍するための条件とは」というテーマ。

第一部では、インタープレナー同士の対話(グループディスカッション)により、〜私が考える新産業共創のあり方・進め方〜というお題で、インタープレナーが活躍していくには何が必要かが議論されました。

第二部では、専門家の方々により、サーベイの途中経過や第一部の議論を踏まえた、〜越境人材の生の声を元に専門家が対話〜が行われました。

SUNDREDと経済産業省関東経済産業局では、インタープレナーの活躍に向けた環境整備のためのサーベイを実施しております。
「インタープレナー」並びに事業の概要説明はこちら
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/open_innovation/ecosystem.html
サーベイアンケートについては
こちらのGoogleフォームからご回答ください。 ※9/19締め切り


インタープレナーへのサーベイで見えてきた課題

第一部では、前述のサーベイの途中経過が報告されました。(結果については、後日公表予定)

サーベイの途中経過によると、もともとインタープレナーコミュニティを中心に回答が集まっていることもあり、「自身がインタープレナーである」「インタープレナーになりたい」と回答している割合は非常に高いものの、

● 所属組織(関係する組織)のルール、制度
● インセンティブ、報酬
● 共創プロセスの確立・共有、個社(個別の組織)の動き方・考え方
● コミュニティ、出会いの機会
● 各セクターの分断、分断した政策・産業

が共通する課題のトップ5として浮き彫りになっています。

インタープレナーの活動の障壁 (1)大組織のジレンマ

対話に参加している「インタープレナー」の属性を大きく2タイプに分けると、①大企業所属の方と、②起業(ベンチャー所属含む)家や主に個人で活動されている方・学生などに分けられた印象です。

このうち、①大企業所属の方からは、個々の会社ごとに様々な制度的、文化的な拘束があり、それが障壁だという声が多数上げられました。

例えば、よくある副業禁止や、SNSでの自社に関する投稿の自粛指示。倫理規定や就業規則で決まっているような業界職種もあれば、部門ごとの運用、上司次第など、様々な壁があります。(場合によっては家庭も。)ジェンダー的な背景も無論透けて見えます。

ただ、「副業禁止はあかん」と圧力をかけたり、「だからウチの会社は」と決めつけるのも、ストレスフルなことでしょう。

大企業や公開企業における従業員へのさまざまな拘束 、あるいは「コンプライアンス」に関する要請は、組織の知的財産や営業機密の保護や、安全衛生の確保や過重労働の防止、部門ごとのKPIすなわち事業計画の達成、ひいては株主責任を果たすといった観点から必要とされてきた側面もあります。

また、ピラミッド型の組織構造によって、「越境する」部下を持つマネージャーへの支援が十分ではなかったり、権限がないにもかかわらず「会社の名前」を出しながら活動してもよいかという悩みもあるようです。
これらは、様々な大企業のリソースを使いたいが十分使いこなせていない、という大企業型インタープレナーの苦悩につながっているようにも感じられます。

インタープレナーの活動の障壁 (2)認知度

一方で、大企業のような拘束の少ない、②起業家(ベンチャー所属含む)や主に個人で活動されている方・学生の方などからは、地域間での温度差や、そもそもまだまだ「インタープレナー」といっても非常に少数のイノベーター層の動きであり、存在が認知されていない、という課題があげられました。

①、②どちらのタイプからも、インセンティブやモチベーションの持たせ方について多くの意見が寄せられ、とにかく熱意だけで頑張るけれども、やりがいだけが報酬でいいのか、やりがい搾取ではないかといった意見も。

「インタープレナー」が何を求めて「越境」しているかは人それぞれと考えられるものの、「インタープレナー」が活躍できる環境を整備していくには、その活動にとって欠かせないものがある程度類型化され、モデルパターンとして共通認識が形成されることが前提となるでしょう。

インタープレナーの活動の障壁 (3)自己客観視


障壁に見えているもの、あるいは強み弱みに見えているものが、単なる思い込みだったというケースもあるようです。

ただただ、上司を説得したり、会社に働きかける努力が足りていなかったことに気づかされたり、自社の強みだと思って外に踏み出すときわめて脆弱だったり、何の強みでもなかったり。

その逆で大したことない、と思ったことがすごく感謝されたり。

チャレンジは素晴らしい。けれども、失敗を受け止め、ナラティブとして共有することも欠かせないでしょう。

インタープレナー自身も、コミュニティでの対話を通じて、自己を客観視、相対化していきたいものです。

インタープレナーを受け入れる側の視点も必要

主に専門家の方から、「インタープレナー」を受け入れる側の視点や環境整備も必要だという指摘がありました。

例えば、地方(※むろん関東・東京も含まれると筆者は考えます)や大企業の既存事業、など、課題を抱え、アップデートやトランスフォーメーションが必要とされている地域や組織において、インタープレナーの力をどう引き出すか、あるいはニーズとマッチングさせるか、あるいは企業の社会課題解決の取り組みにおいてどのような、制度や報酬設計がありえるかといった点が課題になってきます。

新産業共創にあたって、「インタープレナー」の活動が必要であり、個人と組織間での調整に限界があるとすれば、根本的な問題解決は社会全体での合意形成、極端に言えば、ある種の国家戦略に依存するかもしれません。

その活動を法的に「労働」と定義するのか「余暇の延長線上」と定義するのか、はたまた新たな概念を整備するのか。専門家の方でも明確な回答があるわけではありません。まさに、インタープレナーの相互の議論によってこれを具体化し、必要性を説き、社会実装していくべきです。

現実的な対応としては、一部の企業では週●日労働といった企業内の雇用形態の多様化が進んでいます。その効果について、組織の内外からより深い考察があってもよいのかもしれません。

知的財産の取り扱いも変わる

共通目的をもって、越境人材が活躍した結果、社会課題が解決されたとすると、そのプロセス、および成果はどのように表れ、報酬はどのように与えられるのか。

この議論を進めるときに、知的財産の取り扱いが重要な論点となります。

これは、初日のキーノート2でも語られましたが、生産手段(=資本)が機械装置や土地、設備といったハード的な財産ではなく、知的財産、すなわちソフト的な財産に変わった。それがゆえに「個人」が生産手段を所有するようになった。つまり、近代資本主義の前提が崩れた時代の特徴の表れでしょう。

企業ごとの温度差や感覚のずれが大きいのが知財の分野です。オープンライセンス、共同特許などの仕組みはあるものの、知財の意味合いが変わって居ている中、現行の制度や慣習では、個社ごとの戦略では、変化に対応しきれていないのが実情です。

「アイディアそのものに価値はない」と言われることもあります。しかし、社会的なインパクトを連鎖的かつ持続的に発生させるには、ナレッジそれ自体を評価するしくみがあってもいいのではないでしょうか。

さらには、ナレッジのインパクトの価値を高めていくような仕組み(例えば、オークションや投資ファンド)もいずれ出現するかもしれません。

最後に個人の感想

SUNDREDのコミュニティらしい、抽象と具体、マクロとミクロで大きく揺り動く活発なDialogueでした。

個々のインタープレナーの目線だと、「インタープレナー」を起点、始点、あるいは主語として語ってしまいがちです。役者だけで舞台は成立せず、脚本と舞台とそれらを統合する演出、何より観客が欠かせません。

インタープレナーは、なぜ動くのか、何を期待されているのか、何ができるのか、何をしたいのか、どうすれば社会課題を解決できるのか。具体的な目的を達成するプロセスによって、社会に示していく必要もあるでしょう。

たとえば、EXPO2025をどうデザインしていくかも、一つの実践や実証の場となりえるかもしれません。ふと、平成の総括?であったかもしれない2021年の東京2020大会を振り返ったとき、私たちに残された時間はあまり多くはありません。

急ピッチで社会変革を進めていく主体がインタープレナーとその活動であるならば、インタープレナー一人一人とそれを受け止める社会全体が、未来社会に向けて対話、そして変革の歩みを止めてはならないでしょう。

もし、言えない、言いづらいことがあったとしても、沈黙を破り、眼を開いていくときではないでしょうか。勇気を出して。

SUNDREDと経済産業省関東経済産業局では、インタープレナーの活躍に向けた環境整備のためのサーベイを実施しております。
「インタープレナー」並びに事業の概要説明はこちら
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高校は文系→大学で理転→SEときどき◯◯ 士業としても少しだけ活動中 (本記事の内容は個人の見解であり、所属する組織を代表するものではありません。)