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本格的なボルシチの作り方!

本格的なボルシチのレシピは、日本語だとなかなか見つかりません。あまりおいしくできなかったという話もよく聞きます。そこで、本場ロシアの料理番組から作り方を紹介します。特段料理が得意なわけではない私が作っても、スプーンを口に運んだ妻曰く、「レストランで食べるよりもおいしい!」どうぞお試しあれ。

番組の名前は「イェダー・チャンネル」の「ラゼルソンの原則」。いや、「ラゼルソンのコツ」と訳した方が響きがやわらかくていいかな。教えてくれるのは、五つ星レストランに勤めていた経験もあるシェフ、ラゼルソンさんです。この人、トークもなかなか面白い。でも今回は作り方に集中しましょう。

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材料

この番組のコンセプトは、分量にはこだわらず、料理のコツだけを伝授するというもの。ですから分量の表記がありません。だいたいの比率が合っていればおいしくできるはず。動画を参考にお好みで分量を決めてください。

骨付き牛バラ肉(スペアリブ)
ビーツ
タマネギ
人参
パプリカ
キャベツ
ニンニク
ディル
イタリアンパセリ
青ネギ
サーロ(豚の脂身の塩漬け)
トマトペースト
レモン
黒こしょう(粒)
ローリエ

砂糖
サワークリーム(お好みで)

コツ1:ブイヨンは、骨付き肉で!

ロシア人も「神聖な料理」というボルシチ。まずは、ブイヨンを作るところから始めます。ブイヨンとは日本で言うところの出汁です。骨付きの肉を水から煮出しましょう。タマネギ(捨ててしまう切り落とした部分なんかでもいい)を加えて弱火でゆっくり煮ます。時間をかければかけるほどいい出汁が取れるとのこと。番組では牛のスペアリブを使っていますが、鶏でも、豚でもおいしいスープが取れますよ。ポイントは骨付きを使うということです。

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コツ2:ビーツの調理は単独で!

次に、ビーツの下ごしらえをしましょう。皮をむいたら、スライサーで薄い円盤状にスライスし、さらにそれを千切りにします。

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これを小鍋に入れ、塩と多めの砂糖と、それから上で作ったブイヨンをお玉で適量加え、蓋をして火にかけます。ビーツは他の材料より火が通るまで時間がかかるので、単独で調理するのがコツです。蒸し煮にすることで土臭さがなくなります。沸騰してきたら弱火にし、トマトペースト(トマト缶や生のトマトでも可)を少々加えます。これは味のためだけでなく、色止めのためでもあります。ボルシチは鮮やかな色が命。この状態でやわらかくなるまで蒸し煮にしましょう。15~20分くらい。

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コツ3:パプリカはお好みで!

タマネギと人参とパプリカをやはり千切りにし、油で軽く炒めます。ボルシチにパプリカを入れるかどうかは人によって意見が分かれるそうですが、ラゼルソンさんは好きだそう。油で炒めるのは、油は香りと味をよくひきだすから。これがボルシチをおいしくします。使う油は植物油でも、バターでも、両方でもお好みで。番組では両方使っています。

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次にキャベツを千切りにします。ロシアでは伝統的に中でスプーンが立つくらいスープが実だくさんなことが重要だそうで(言い過ぎでしょうが、ロシアではよく聞く表現です)、キャベツがメインの「実」になります。千切りにしたキャベツをブイヨンの中に入れ、さらに塩を加えて軟らかくなるまで煮ます。

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今度は、ボルシチに加える特製調味料を作ります。サーロという豚の脂身の塩漬けと、ニンニクとディルとイタリアンパセリをミキサーにかけます。このとき、それらだけだとペースト状にならないので、少し水を加えておくことがコツ。ただし、日本ではサーロがなかなか手に入らないため、私はサーロは抜きで、ニンニクとハーブのみじん切りでやっています。なしでもおいしくできますが、レシピ通りに作りたいという方は、脂身の多い豚肉を買ってきて自分で塩漬けするという手もあります。ラゼルソンさんがやはり動画で紹介しているので、このページの最後に貼っておきます。

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さて、キャベツがやわらかくなったら、キャベツ入りのブイヨンの中に炒めた野菜を投入します。そして、ローリエの葉と黒こしょうを何粒か加えます。

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コツ4:ビーツ投入前にレモンを!

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ボルシチの味の決め手は甘みと酸味です。この酸味をつけるためレモンを用意しましょう。お好みで酢や他の柑橘などでもかまいません。ボルシチはこれからブイヨンにビーツを加えてほぼ完成ですが、このプロセスの前にブイヨンにレモン汁を入れておくのが重要なポイントです。酸味のないスープにビーツを投入すると色が悪くなる恐れがあるためです。

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ブイヨンを味見してみて酸味を感じたら、準備OK、鍋にビーツを投入しましょう。

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かき混ぜたら、火を止めます。味見をして、味のバランスを整えます。お好みで、塩、砂糖、レモンを加えてください。

最後に、上で作った調味料のペーストを加え、かき混ぜたら、鍋に蓋をして全部の香りが混ざり合うよう10分ほど待ち、完成です。皿によそって青ネギを散らし、お好みでサワークリームを加えて、召し上がれ!

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※ 日本の味噌汁のように、ボルシチは旧ソ連諸国の各家庭にそれぞれのレシピがあると思われます。この作り方はあくまでラゼルソンさんのものなので、他の作り方を否定するものではありません。いろいろ試して自分の味を作り出しましょう。

[おまけ1]生のビーツはどこで手に入る?

我が埼玉のスーパーでも産直野菜のコーナーでたまに見かけますが、都内だと、紀伊國屋やザ・ガーデン、伊勢丹などで見たという情報があります。ロシア大使館の近くの八百屋で売っているとの情報も。お近くの方は探してみてください。

[おまけ2]サーロの作り方

サーロはウクライナのもう一つの伝統料理です。脂身の多い豚バラなどの塊を買ってきて、塩とニンニクと黒コショウとローリエなどお好みのハーブをまぶして、ジップロックに入れ、中の空気を抜いたら、5日間ほど冷蔵庫で寝かせてできあがり。そのままをスライスしてお酒のつまみにも。

わからないことがありましたら、コメントなどで質問してくだされば、可能な限りお答えいたします。でも、私は料理の専門家じゃないので、その点ご承知おきくださいね。では、Приятного аппетита!(たんと召し上がれ!)


ぼ:ボルシチ2

イラスト:せいのちさと

#ロシア料理 #レシピ #翻訳 #料理 #いま私にできること


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