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【毎日読書感想③】いい子に育てると犯罪者になります

ぶっそうなタイトルです。

子どもを持つ身にとって、聞き捨てならない言葉だったので、つい購入して読んでしまいました。

著者の岡本茂樹さんは、臨床教育学博士で刑務所での受刑者の更生支援に携わられてきました。

本書では、岡本さんが今まで関わった受刑者や、覚せい剤で逮捕された酒井法子さんについて詳しく分析されています。

犯罪者がなぜ犯罪を行わなければならなかったのか、そして子どもを犯罪者にさせない、健全な子育てとは何かが大変わかりやすく、説明されています。

普通、人は、うれしいときに、笑い、悲しい時には悲しんだり涙を流したりします。しかし、自分の本当の感情(とくに否定的感情)と向き合うのが怖いとき、人は、その感情を押し殺すか、別の感情、すなわち「笑い」を出します。うれしいとき笑いますが、悲しかったり、苦しかったりするときにも笑うのです。(P.44)

おかしくない状況で笑う人がいるとき、どうしてなのだろうと不思議に思っていましたが、この文章を読んでやっと腑に落ちました。

自分では直視できない状況や感情を押し隠すために笑っているのだと。

自分の本当の感情にどんどんふたをしていくと、自分が本当に何を感じているかがわからなくなり、他人の感情もわからなくなってしまうそうです。

そうした状況がエスカレートすると、人を傷つけても、人が精神的にも身体的にも痛みを感じるということが理解できず、簡単に暴力行為や犯罪行為を行ってしまうー。

犯罪者の過去を振り返っていくと、必ず幼少期の育ちの問題にたどりつくと著者はいいます。

では、幼少期の子どもには何が必要か。

幼少期に子どもに身に付けてほしいことは、親に十分に甘えられることに尽きます。(P.200)

子どもの話をちゃんと聞いて、スキンシップをとる、ありのままのあなたでいいんだと受け止めてあげることが大切だそうです。

常に子供を受け止めてあげられるかわかりませんが、一日一回でもこのことを思い出して、接してあげようと思いました。

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