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韓国語翻訳練習 ハ・テワン~全ての瞬間が君だった~58「2.二人だけの季節が始まった瞬間」

温かな色で彩られた心


映画のように妙に流れた時間が次を期して散った。愛らしい出会いの後の名残惜しさは、美しさと一見似ている面があって、その後の出会いで君に微笑みで全部返してやろうと誓った。十分に満足できる一日であっても、できなかったことに対する未練が残るのが少し残念だけど、一方ではそれでよかったのではないかと思う。


それほど僕にはこれから

君に渡せる愛情がいっぱいあるということを

一番確実に見せられる証拠でもあるから。


だから、今度の出会いで解けなかった名残惜しさはそのまま美しかったと気分よく認めるのが、君を慎重に愛する方法だと結論付けたってことだ。

君の一言一言には香りが濃く染み込んでいてその口を緩く塞いでも僕の心まで深く染みわたり、君と向き合って話をするときは世界中に花が咲いたような気分になる。そんなわけで僕は時々君の顔を穴が開くほど見つめているけれど、君はその理由を知ってか知らずかにこっとして見せたりする。


そんな君の笑顔が好きでもう一度君の顔を見つめると、君はまたその理由を知ってか知らずか照れた姿をあまりにも愛らしく表現したりする。だから、愛らしいよりもっと愛らしい行動でその瞬間を満たしたり、綺麗な表情で「愛してる」という、感激する称賛をしてくれたり。


愛する君を後にしたまま少し疲れた体を預けたバスは、人の匂いでいっぱいだった。バスが道路の上を走り、僕は最近はまっている歌を聞くために鞄を漁ってイヤホンを取り出した。小さなイヤホンから流れてくる音楽は僕の息遣いとすごく似ていて、僕は火照る顔を急いで隠さなければならなかった。


恥ずかしい気持ちを次第に落ち着かせて眺めた車窓の外には黄色い街灯の明かりが行く道を忙しく過ぎていった。それほど豪華ではない街灯の明かりが続いているだけのことでも僕には君との出会いの余韻のように長くて美しかった。

僕はだから、

君が僕の目の前で呼吸しているのではない時までも

君のことで頭がいっぱいで、

全てに君を被せて意味付けしてしまうんだ。

それほど君を愛してるんだって。


懐かしい家に帰った後で荷物をほどいて腰かけたベッドの角でも僕は君を思って余念がなかった。無意識に見た鏡の中の顔には君の痕跡がいっぱいだ。特に厚い下唇には君の残響が香ばしくちらついて、唇を一度噛んで残念さを慰めた。


さらに体をベッドに半分だけ転がして君をもっと思い出すと、君は僕にとって本当に大切な人であることは間違いないと、もう一度全てに感謝することができた。そうして一人で話していた。


これから続く僕たちの人生に僕たちの話を温かな色で描くことができるようだと、無彩色が混ざった物寂しい場面を映すのではないと。


僕の愛情で芽を出し、

君の存在で森を築き、

僕たち、数多くのものを抱えられるほど

力の限り温かくなろう。



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