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受験勉強における親の存在

 こんにちは、たつやです。今回は、「受験勉強における親の存在」という少々センシティブなテーマについてお話ししたいと思います。

①この話に至った経緯

 私は現在、東京大学の学生です。東大生は、そのバックグラウンドから教育関係のアルバイトをしている人が多いです。私も、ほぼ最低賃金の接客業のバイトをする傍ら、例に漏れず個人契約でのオンライン家庭教師を先日始めました。

 そのクライアントはとある地方の公立中学の1年生でその地方の公立のトップ進学校を志望されています。私も公立進学校の入試を経験しているので、自分の経験にあっていると思い、このお話を快諾しました。(東大生は中高一貫校出身者が多く、高校入試経験者の割合が相対的に少ないのでこのお話をいただけました。)

 1回目の面談が平日の昼間に設定されたことから少々不安になってはいたのですが、面談してみると、やはりご両親がお子さんの受験にかなり熱心になっている様子でした。お子さんは現在、塾や英会話教室を掛け持ちしていて、お話を聞く限りでは部活動に熱心という感じでもありません。

 苦手科目のお話をしても、社会や理科といった、暗記がメインの、学生自身のやる気が大きなウエートを締める科目が挙がり、不安な気持ちは確信に変わりました。

 単刀直入に言うと、お子さん本人にやる気がないのです。志望校についても、ご両親の勧めだそうです。先日1回目の授業としてテスト直しを行ったのですが、直す部分が多すぎてこちらからお話しする時間が取れないほどでした。2時間も授業時間があったのに、です。対照的に、お子さんが私と画面越しで勉強している姿をお母さんは熱心に観察していらっしゃいます。

 みなさんも中学生の頃の社会や理科のテストを思い出して欲しいのですが、理科の一部の分野を除いてテストで求められるのは暗記であり、それには才能なんて要りません。求められるのは十分な時間をとって繰り返し勉強するやる気だけです。そんな科目が苦手になっていて、実際に点数が取れていないと言うのは、お子さんのやる気不足としか言いようがありません。しかし、ご両親からは、「社会と理科が苦手だから、勉強法を教えて欲しい」と言う要望が入ります。

 せっかく頂いた案件なので成績アップのサポートをしたいと思っていましたが、正直本人にやる気がないのはこちらではどうしようもないので、この記事がご両親に見られてクビになったとしても構わないと考えるほどに、もう投げ出したい気持ちでいっぱいです。

②受験生と親のあるべき関係についての持論

 今回の例は、「やる気のない学生と受験をあまりにも心配しすぎて空回りする親」と言う極端な例でしたが、では受験生と親の関係はどうあるべきなのでしょうか?

 私の考えでは、少し乱暴な言葉にはなりますが、両親は「金は出すから好きに決めろ」と言うスタンスで受験に臨むのがベストだと考えています。

 もちろんそれぞれの家庭の事情がありますから、例えば「私立はダメ」といった制限はあるかもしれません。私も母親には「私立なんてもってのほか」と言われ続けた身です。

 ですが、それ以外は自分の進路を選択するにあたって、何も制限はありませんでした。それは現役で東大に落ちて浪人をすると言う決断をしたときでもそうでした。

 私はこういった両親の方針のおかげで、自分の進路について主体的に考えると言う経験をさせてもらったという風に考えています。受験勉強で辛い時は両親と話したこともありましたが、最終的な決断はいつも自分で行いましたし、なるべく口を挟まないようにしようという両親の意図も感じられました。

 私は、受験勉強で得られる収穫として、忍耐力や、学歴よりも大きなものとして自分の進路、ひいては人生について真剣に考えるきっかけになることが挙げられると考えます。

 もちろん私は所詮大学1年生ですから、人生がどうだとか語る資格がないのは分かっているのですが、自分なりに人生をどうしたいかという考えはあります。時間のあまりある大学生活だかあこそ、そういった抽象的な問いについて考える時間もあります。そして、そういった考えを巡らす習慣は私は受験勉強で培われたような気がします。

 だからこそ、受験においては、ご両親はお子さんのためを思って、苦しいかとは思いますが自主性を尊重してあげて欲しいです。たとえそれで学習が不十分になったとしても、それが本人が自主的に選んだ道なのですから。


   

  

 

 

 

 

 


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