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「町の歴史・文化との繋がりを感じて欲しい。」 笹島 唯さんが思う、オーストリアから学んだ休学中に取り組む新しい地域づくりの方法とは。

休学の集いコミュニティメンバー紹介第1弾!
今回は、笹島 唯(ささじま ゆい)さんを紹介します!
オーストリアという国が大好きな笹島さん。オーストリアで話されるドイツ語を勉強している中で、ドイツ留学を考えるようになった。しかし、留学するのではなく休学して地元に戻って活動することを決断した。グローバルからローカルな活動へ180度意識を転換させた笹島さんの想いとは。

プロフィール 2 2

<プロフィール>
笹島 唯(ささじま ゆい)(ニックネームは、ささ)
神戸市外国語大学3年生
外国語学部 国際関係学科 所属
休学予定(休学期間:2021年4月〜2022年3月)

"勉強していることや興味があることは何ですか。"

「ヨーロッパ文化史について勉強していて、それが休学期間中に取り組みたいことのヒントをくれた気がしています。」

大学のゼミで、「ハプスブルク家の政治史」について研究しています。
オーストリアの皇族の一家であるハプスブルク家が築いていた帝国があって、その皇族の統治下で、どのようにして異なる民族が統治されていたのかを研究しているのですが、その研究を通じて休学中にしたいことのインスピレーションを得たりしています。
大学に入学してから、ドイツ語の勉強もしています。「ハプスブルク家の政治史」について興味を持ったきっかけの一つがドイツ語なのですが、とにかく発音がかっこよくてドイツ語に惹かれて勉強を始めました。
大学2年生の春休みにオーストリアに滞在し、語学留学を経験しました。1ヶ月しか滞在しませんでしたが、現地で生活しながら英語とドイツ語の両方を勉強することができたのは、とてもいい経験だったと思います。

「異文化理解という課外活動でオペラ鑑賞や美術館に行ったことが、
 今思うと原点でした。」

オーストリア滞在中に課外活動的な取り組みで、オペラ鑑賞やウィーン美術史美術館に行きました。その活動を通じてオーストリアの文化に触れられたことはとても貴重な経験だったけど、疑問に思ったこともありました。それは「現地の人が、それらの美術品や街に残る貴重な建造物に対して何を思っているのだろうか」ということです。ハプスブルク家の展示品を見たり、世界遺産のウィーン旧市街にあるハプスブルク家の皇帝の銅像や古い建築物を見ていく中で、現地の人はそれらを貴重な物だとは認識しつつも、観光客ほどの感動はしてないように思えたのです。そこから、”ハプスブルク家" と "なぜ異なる民族達が同じ帝国の下で暮らしていたのか"を知りたいと思うようになり、ゼミでそれを研究し始めました。ゼミで研究しようと思った原点と休学中にしようと思ったことの原点は、オーストリア留学だったかもしれません。

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<オーストリア留学にて>

"なぜ、休学することを決めたのですか。"

「オーストリア留学よりも、
 "自分がしなければならないと思うこと"に出会ったからです。」

ある時、私が所属するコミュニティで地元について話をする機会があり、それがきっかけで地元のことを考えたりする時間が多くなりました。すると、今まで気づいていなかった地元の魅力や、地元の外の人からするといい点がたくさんあることに気づき始めたのです。
これまで地元が様々な問題を抱えているのを見てきて、地元が衰退している事実に対して何かしたいと思っていたし、地元のことが好きだった私の中で、"地元に対して何かしたい" という想いが大きくなっていきました。

「休学して一度地元に戻り、
 地元の人に話を聞きながら自分が地元のためにできることをしたい。」

その後、とりあえず地元で頑張っている知人の話を聞いてみようと考えていました。そうしていると、大学の先輩から「海外で居候生活すると、その国の生活感とか考え方とか深く知れるよ」と言われて考えが一転しました。その一言がきっかけで、ただ話を聞きにいくだけじゃなくて、具体的な質問を準備して地元の人達にインタビューしてみたのです。すると、インタビューしていく中で、大学生である私が取材するという手段を通じて、町の人が思っていることを聞いて発信することは自分ができることなんじゃないかと思ったのです。

"休学中の過ごし方は、決めていますか。"

「町の人とつながって、私が地元の人たちを繋げていくお手伝いをしたい。」

私が育った地域で、1年に1回、獅子舞を踊る祭りがあります。
私が小さい頃は、その祭りを通じて老若男女関係なく繋がりを深めたり楽しんでいる姿を見てきました。しかし、最近は踊れる人やそもそも関われる人が少なくなってきている現実を目の当たりにして、その祭り自体が消えてしまうかもしれないという寂しさを感じていました。

「町の人の意識としては、感情的な部分が鍵だと思います。
 町の人を幸せにするためには、
 "過去との繋がり" と "受け継がれてきたものとの繋がり"
 が重要ではないかと考えるようになりました。」

休学中は、私の地元に伝わる伝統(特産品や芸能など)に関わる人達に対してインタビューしたり、作業の様子を撮影しながら、文化を保存したいと思っています。伝統を引き継ぐ後継者がいなくなっていく事実があるので、後世の人がいつでも伝統を復活させられる仕組みづくりをしたいと考えています。

地域に対してのプロジェクト

<地元の伝統に関わっている人にインタビューをしている様子>

地元で18年間暮らしていたけれど、町の伝統に関わっていた人の話を聞くことがありませんでした。だからこそ、地元に住む人達の伝統文化や町に対する想いを聞ききながら、その人達の想いや町の伝統文化を町に住む人たちに広めて、町に愛着を持ってもらいたいと思っています。

町に伝わっている伝統文化がなくなっていくと、町のアイデンティティが失われていく気がしています。文化をしっかりと保存していく過程で町の人たちにも文化の存在に気づいて欲しいですし、文化を学んで、将来的にはその文化に関わって欲しいと思っています。

そういう意味では、ゼミで研究している「ハプスブルク家」の統治下で生まれた "愛郷主義" や "ナショナリズム"という考え方にもあるような、自分たちの文化・慣習を大事にしようとする人たちがお互いを同胞(仲間)と認識するという動きを地元で実現させたいと思っているような気がしていて、オーストリア留学と休学中にしたいことが繋がっている気もしています。

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<とある地域創生プロジェクトにて>

"「休学に向けての決意」と休学の集いコミュニティーメンバーへのメッセージをお願いします!"

「やりたいことをやる時間を過ごしたい。ポジティブな意識を休学に対して持って欲しい!」

やりたいことをやる。そういう時間にしたいと思っています。
「自分の好き」を見つめる経験をあまりしていないので、自分がどのような職業につきたいか、なににワクワクするのかを知っていきたいと思っています。

「休学するしないに関わらず、集まっているメンバーと話してみたい。」

国内で活動する休学者の話や、地域に興味がある人とその活動内容について意見交換したいと思っています。検討している人には、休学することに対してポジティブになってもらえると嬉しいなと思います。自分もネガティブだったし、休学者はそもそも少数派ですが、自分のやりたいことをしたり、いい経験をして休学を終えた人もいるので、いい選択としての休学を選んで欲しいと思います!

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