過去と他人は変えられへんねん

目が覚めたのは、約束の時間を1時間過ぎた頃だった。
「やってしもた…」

心底悔しいとき、人って声でないんやな。起こっている現状に抗うことのできない無力感で、数秒固まったままだった。

一年が終わろうとしているこの日。今年の悔しいランキング１位が更新された。

約束をすっぽかすなんて、これまでのわたしには信じがたい出来事なのに、「悔しいランキング１位！」と楽しそうにしている。

数秒の沈黙が終わると、自分の失敗が面白おかしくて、ずっとにやけていた。

Web予約できるところを、丁寧に電話予約までしていたのに。
あと2時間くらいしたら出ようとか、余裕綽々だったのに。

美容院の予約を寝坊ですっぽかしてしまった。

すぐに新しい予約をした。
Webで。

担当してくださっている美容師さんには深々と謝ろう。
そう心に決めた。

社会人になって数年が経ち、少しずつ生活リズムも確率されつつある今。
こうやって、小さなミスを笑い飛ばせるくらいになった自分にちょっとホッとしている。

もちろんミスしたことについては猛省しているが、いつまでも引きずってちゃ、人生もったいない。

そう思えるまでになったことが、ちょっぴり嬉しい。

「過去と他人は変えられへんねん。」
ほんま、それな。

前よりも軽やかに生きられていることに喜びを感じる。