これも一つのブランディングだったのではないか
調剤薬局でのエピソード
最近学んだブランディングについて
自分が過去にこれがブランディングだったじゃないかなぁと思うことについてnoteにしてみました。
最近「ブランディング」ということを学んだのですが、今まではなんとなく、というかほとんどブランディングがどういうことがが分かっていませんでした。
- アディダスだから買う
- ナイキだから買う
ぐらいかなと。
僕は前職で町の調剤薬局で約5年程勤務していました。
いわゆる医療事務です。
調剤薬局とは病院で出た処方箋を調剤薬局が薬を準備して患者さんにお薬の説明や飲み忘れがないかどうかの残薬確認などを主にします。
医療事務の役目はというと、その処方箋を受け取ってレセプトコンピュータと呼ばれるもので、処方箋の内容を入力し、適切な指導があれば加点して最終的にお会計がいくらですよ、というものを出す仕事が主なものです。
初めのころこそ、仕事を覚えるので手一杯で患者さんのことよりも自分の事で頭がいっぱいでしたが、1年経過すると仕事も慣れ、周りを見渡せる余裕が出てきました。
調剤薬局というところは基本的に慢性的に薬を飲まなければいけない、あるいは突然発熱があって病院にかかって薬をもらいにくる方、要するに基本的に元気ではない患者さんがが来局されます。
元気がないということは、気持ちも憂鬱、気分が晴れていない状態です。
病気に対する悩みを抱えている方も当然いらっしゃいます。
一人のおばあちゃんとの出会い
そんな中、毎週薬をもらいに来る、一人のおばあちゃんがいたのですが、その方は足が悪く、いつも杖をついて歩いて薬局に入ってくるのですが、薬局に入ってくるなり、僕は基本入口まで処方箋を取りに行って、最初は「どうぞ近くの席におかけになってお待ち下さいね」という感じだったのですが、それを毎週毎週当たり前のようにやって、処方箋の中身とかその場で確認して、「今日いつもと違う痛み止めの薬出てますね、どこか痛めちゃったんですか?」などとちょっとした声かけもするようにいました。
たったそれだけのことを毎週毎週やっていたら、おばあちゃんからは「いつも悪いわねぇ。いつもいつも入口まで取りに来てくれて本当に助かるわぁ。これメロンパン買ってきたんだけど、お礼に食べて」と患者さんからメロンパンをもらうこともありました。
バレンタインの日にはチョコまでいただいちゃって…笑
そこからは基本毎週世間話や膝の痛みの悩みなど、僕が何も言わなくても相手から話を自然にしていただけるようになりました。
おそらくファンになっていただけたんだなと。
あるとき、お店に置いてある6000円くらいするサプリメントを見て、「これ、どんなサプリメントなの?」とそのおばあちゃんから声掛けしてくれて、「これは実は僕も最近飲み始めたんですけど、毎日飲んでたら身体の疲れとか結構吹き飛んで楽になったし、夜の寝つけもよくなって体調いいんですよね~」(これは体感は本当にそう感じていました)
と話しただけで、「じゃあそれ一ついただくわ!」と6000円もするサプリメントもご購入いただけました。
これ、何が言いたいかというと、僕はサプリメントについては一言も勧めていなんですよね。
勧めてないけど、毎週処方箋を入口まで取りに行って、お話しをして、悩みを聞いて、たったそれだけのことだったんです。
それを継続的に続けることで、そのおばあちゃんは僕のファンになってくれていたんだなと。
「あなたがいるなら毎週来るわ」
「あなたが言うなら、そのサプリメント買ってみるわ」
これも一つのブランディングだったんじゃないかなと。
とにかく、そのおばあちゃんがやってほしいことを先走って(この時は自然とですが)やり続けてやり続けて、ファンになっていただけた。
そうするとそのおばあちゃんの娘さんも同じ薬局に通われていたんですが、「いつも母がお世話になっております。いつも親身にお話を聞いていただけていると喜んでおります」と言われ、娘さんからも、そのおばあちゃんのご相談をいただくこともありました。
そこからファンがファンを呼んで薬局の評判が良くなっていくという連鎖につながっていく。
これがブランディングなんじゃないかと。
当時そこまで考えてはいなかったのですが、大事なのはとにかくお客さんや患者さんの懐に入って親身になって悩みを聞いていくこと。これに尽きるのかなぁとそう思いました。
最後に
ちょっと思い出しながら書いてみたのですが、この気持ちを忘れず自分をファンになっていただけるようにこれからもホスピタリティを大事にしていきたいと思います。
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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