秋臣、美貌の青年に秘密を打ち明ける
もし結婚する前にあの写真を捨てていたら……。
秋臣は今まで何百回何千回悔やんだか知れない。あれさえ捨てていれば、自分も母さんも智夏の成長をずっと見守ることができたのに。
十五年前のあの日、夕暮れの黄昏時に、妻の真理子は秋臣の秋臣の書斎で机を背にして立っていた。何かを探していたのか、引き出しが開いたままだ。
「これは……何?」
真理子は青ざめた顔を引きつらせ、ポラロイド写真を床に投げ捨てた。それは机の一番下の引き出しの奥にしまっておいたものだ。
そのツーショット写真は、