『BUTTER』を読んで。
知人の薦めで手に取る。
週刊誌の女性記者と、連続不審死事件の容疑で拘束中の女。両者の、アクリル板を挟んだ対話が物語の軸である。記者は取材対象への心理的な接近に成功するが、関わる者を死へと追いやる被疑者の念に侵され、その脅威はやがて記者の親友にまで及び始める。獄中から伸びる魔の手に抗いながら2人は事件の真相を探り、その過程で各々の人生、価値観、とりわけ女性観を更新していく。
作中でキーファクターとなっているのが、料理。あるいは、素材も含めた食べ物一般である。梶井真奈子という