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【今すぐ使える!】売上の劇的アップに利用できる心理学 #認知バイアス

今回のテーマはマーケティングテクニックに関する心理学です。

今、大きな売り上げをあげているほとんどの企業は当たり前のように「心理学」の知識を駆使しています。日本にコンビニの文化を根付かせた現代で最も偉大な経営者の一人でもある、セブンアイアンドホールディングスの元会長鈴木敏文氏は、『ものに溢れた現代の消費は、経済学や経営学ではなく「心理学」で考えなければならない』と述べていました。

現代の経営学の基礎も心理学を中心に組み立てられているなど、ビジネスにおける心理学の重要性は、モノに溢れた現代においてますます高まっています。

どんなビジネスにおいても、「顧客の心理を掴む」ことが必要不可欠です。顧客が真に求めているものは何か、どんなこと・ものに幸せや充実を感じるのか。これらが分からなければどんなモノもサービスも売ることができません。

また、「顧客の心を動かす」ことも非常に重要です。様々な手法で、売りたいモノやサービスを顧客に「必要なものだ」「魅力的だから欲しい」と思わせるのです。

「顧客の心理を掴む」「顧客の心を動かす」には、心理学の知識が必要であり、売上を上げている人や企業は誰もが駆使しているのです。

ものを購入したり、サービスを利用したりすることは「判断」することです。「判断」というと論理的に考えて決断するというイメージがあるかもしれませんが、実は人間の判断は無意識の心の働きに影響されていることがよくあります。

今回は心理学のなかでも「認知バイアス」をテーマに取り上げ、人が判断をする時にどんな心の働きに影響されるのかをご紹介します。

ビジネスで圧倒的な結果を出し続ける人達は、経験的・感覚的にそれを知っていて、心理学的要素を意識的に使っています。このnoteを読めば、トップビジネスマンたちが持っている売上を上げる心理学「認知バイアス」を体系的に理解することができます。

まずは第1章で「認知バイアス」とは何かを説明します。第2章から第4章では3つの「認知バイアス」の例を紹介し、それらの活用例をご紹介していきます。

では、始めます。

1.「認知バイアス」とは

人が何かを選択するとき、非常に多くの要因を検討する必要があります。例えば洋服1つを買うにしても、価格、デザイン、サイズ、洗濯しやすいかなどの機能性、お店のブランド、既に似た服を持っていないか、自分の手持ちの服や靴との相性はどうか、周りの人に「似合ってる」と褒めてもらえるかどうか…などたくさんの要因があります。

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多くの要因全てを検討して適切な意思決定を行うのはとても難しいのです。直感や先入観、自分にとっての利害や「こうなってほしい」という願望などに影響を受け、論理的でない判断をしてしまうことを心理学の用語で「認知バイアス」と呼びます。

認知バイアス:直感や先入観、自分の利害や願望などに影響を受け、論理的でない判断をしてしまうこと

次の章からは認知バイアスの例を3つ紹介します。マーケティングにどのように活用できるのか、皆さんも一緒に考えながら読んでください。

2.認知バイアスの例①「バンドワゴン効果」

飲食店の前に行列ができているのを見たら、「きっと美味しい料理を出す人気店に違いない」と考えて自分も行こうと思うことはありませんか?そして、行列ができているお店はさらに行列が伸びてどんどん人気になっていくのです。当たり前のことのようですが、この現象にも名前があります。

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ある選択肢が多くの人に受け入れられている、流行しているということで、その選択肢を選ぶ人がもっと多くなるという現象「バンドワゴン効果」と呼びます。「みんなが持っているから自分も欲しい!」「みんなが好きって言っているものは自分も好きになってしまう!」という心理です。

バンドワゴン効果:ある選択肢が多くの人に受け入れられていることで、その選択肢を選ぶ人がより多くなるという現象

バンドワゴン効果は商品の広告におおいに活用できます。

例えば、「10年連続シェアNo.1」「1年で100万個売れた!」といった宣伝文句をよく見ますよね?これらを見ると消費者は「そんなに多くの人が使っているなら良い商品に違いない。自分も購入しよう!」という気持ちになるのです。商談の時でも「既に100社以上が導入」「アンケートで満足度95%」というような言葉が有効です。

バンドワゴン効果から考えれば、マーケティングにおいて商品の実績や利用者のレビューを数字などで具体的に示すことが非常に有効であることが分かります。

3.認知バイアスの例②「コンコルド効果」

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あなたはいま映画館で映画を見ています。物語は中盤ですが意外とつまらなく、これから面白い展開になりそうな気もしません。そんな時あなたはどうしますか?

残りの1時間をつまらない映画に費やすのは時間のムダだと分かっていても、せっかく払った映画代がもったいなから最後まで見続けるという人が多いのではないでしょうか。

あるものへの金銭面や時間の面での投資を続けることが損失につながると分かっていても、それまでの投資を惜しんで投資をやめられなくなること「コンコルド効果」と呼びます。

コンコルド効果:あるものへの金銭面や時間面での投資を続けることが損失につながると分かっていても、それまでの投資を惜しんで投資をやめられなくなること

この名前の由来は、超音速旅客機コンコルドから来ています。コンコルドは開発中に開発コストが高すぎるため採算が取れないことが判明しました。しかし、これまでに投入した予算や時間が水の泡になってしまう惜しさから開発を続け、結局大赤字になりプロジェクトは破綻してしまったそうです。

では、コンコルド効果はマーケティングにどのように活かせるでしょうか。

例として、購入額や入会の継続期間によって会員をランクづけするシステムがあります。ポイントがたまったり、ランクが上がったりしていくことで消費者は「せっかくポイントがたまってきたからもう少し使い続けよう」「せっかくシルバー会員になったから次はゴールド会員を目指そう」と感じ、他社ではなく自社のサービスを利用し続けてくれるのです。

また、課金型のゲームも例に挙げられます。数百円など少額から課金できるようにしておくことで、最初の課金のハードルを下げます。そして、少額の課金でも何度も続けているうちに消費者は「これまで課金してきたのだからここでやめてしまうのはもったいない。もっとレベルを上げよう。」という心理になり、そのゲームを利用し続けるのです。

コンコルド効果をマーケティングで活用するならば、最初の投資のハードルを低くし、継続して使い続けたいと思わせるようなサービスを提供することができるでしょう!

4.認知バイアスの例③「認知的不協和」

あなたはいま新車を購入しようとしています。車Aと車B、どちらも同じくらい気に入った車が2つありましたが、もちろん両方は買えません。迷った末に車Aを買うことに決めました。

さて、このあと、車Aと車Bそれぞれの印象はどう変わるでしょうか。車Aと車Bの好ましさ(どのくらい好きか)のアンケートを取ると、選択する前より選択した後の方が車Bへの平均評価が下がることが分かっています。つまり、選ばなかった方の車は「それほど良くなかった」と意見を変えてしまうのです。どちらも同じくらい気に入っていたはずなのに不思議ですね!

この例では自分の感情と行動が矛盾していました。つまり、「どちらも同じくらい好きで欲しい」という”感情”と「車Aを選んで車Bを排除した」という”行動”矛盾しているのです。

自分の感情と行動が矛盾している状態はとても不快なので、無意識のうちに矛盾を解決しようとします。既にとってしまった行動は変えることができないので感情の方を変えます。「本当は車Bはそれほど気に入ってなかったんだよね」と。そうすると、車Aを選んだ正当な理由ができるので納得することができます。

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このように、自分の感情と行動が矛盾していて不快・不安な状態のことを「認知的不協和」と呼びます。認知的不協和に陥った時、人は矛盾しない感情に変えることで不快・不安を解消する心の働きを持っています。

認知的不協和:自分の感情と行動が矛盾していて不快・不安な状態

この認知的不協和を解消したいという心理もマーケティングに活用することができます。

例えば、「糖質制限なしで10kg痩せられる!」というようなダイエットの広告をよく見ませんか?これはまさに消費者の認知的不協和を捉えた広告であると言えます。

痩せたいけど痩せられないという人には、「甘いものを控えて痩せたい」という"感情"と「どうしてもスイーツやパンを食べてしまう」という"行動"が矛盾している場合がよくあります。そこに、「糖質制限なしで10kg痩せられる!」というダイエットの提案があれば、「痩せたいけど甘いものも食べたい」という矛盾が一気に解決します。糖質を制限しなくても痩せられるのですからとても魅力的で、そのダイエットのサービスを利用したくなるのです。

このように、マーケティングでは消費者の認知的不協和を解消してあげられるような提案をすることで、消費者にとってそのモノやサービスが非常に魅力的なものに見えるようになるのです。

おわりに

様々な認知バイアスを紹介しました。紹介した例は日常的によく経験するものがほとんどだったと思いますが、心理学の知識で説明できることを知らなければ気づかずに通りすぎてしまいます。

はじめにも書きましたが、ビジネスで圧倒的な結果を出し続ける人達は、経験的・感覚的にそれを知っていて、心理学的要素を意識的に使っています。日常的に遭遇するこのような些細な気づきを自分のビジネスに使っているのです。

この記事で、心理学、特に認知バイアスについて体系的に理解していただけたかと思います。即応用できる内容の学びだけでなく、日常に新たな概念と視点が加わり、皆さんのマーケティングの知識により深みが出たことを願っています。

心理学の知識は「顧客の心理を掴む」「顧客の心を動かす」ことにすぐに応用ができます。

心理学を学ぶことで、皆さんの日常生活が少しでも豊かになったら嬉しいです。

今後もビジネスに役立つ心理学や人生に役立つ教養について発信していきますので、ぜひフォローお願いします。スキもぜひ押してください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。忌憚なきご意見、ご感想をいただければ幸いです。

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