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二十四節気の養生法【2024 小寒】

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

謹賀新年

 元日早々に能登半島を震源地とする広範囲な大地震に見舞われました。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い穏やかな日常生活が戻ってくることを願っています。
最も寒い時期での被災で本当に大変だと思いますが、暖を取るのも厳しいでしょうが何とか工夫してカラダの外からも内からも温を補い冷やさないようにしてお過ごしください。

 さて、1/6~1/19(大寒の前日)までの約2週間が小寒です。寒の入りでもあり立春の前日(節分)が寒の明け。夜明け前が一番寒くて暗いと言われるように、この29日間が最も寒い時期ですね。暦便覧には「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也 」とあります。

今月の癒しの庭園 「神泉苑」

 今回の癒しの庭園は、辰年に因んで「神泉苑庭園」をご案内します。
 こちらも京都のど真ん中で御池通りに面し堀川通りと千本通り(JR二条駅)の間で二条城のすぐ南側にあります。南は御池通りと北は押小路通りに面した広大な境内でどちらの通りも普段も良く通っており場所は良く知っていますが中を拝観するのは初めてです。御池通りに面した南側に石の鳥居があります。

旧御池通りに面した南門

 鳥居をくぐって中に入ると小さな石橋がありそれを渡ると日本で唯一と書かれた「恵方社」があり歳徳神が祀られています。丸い石台の上の祠を毎年大晦日には恵方廻しが行われ次の年の恵方に向けられます。
今年は東北東が歳徳神がおられる恵方になりますね。

恵方社と辰年の絵馬

 そしてその奥が善女竜王社という神社があります。辰年に因んで神泉苑をご案内していますが、それが善女龍王社です。もとは「鳴くよウグイス平安京」で有名な794年(延暦13年)に桓武天皇により造営され歴代天皇が宴遊される場所でしたが、824年に日本中が日照りになった際天皇勅命により弘法大師空海が神泉苑の池畔にて祈り北インドの無熱池の善女龍王を勧請(呼び寄せられ)されて雨乞いをして日本国中に雨を降らせて人民を救ったとされます。これ以降神泉苑の池には善女龍王がお住みになると言われています。

善女竜王社
善女竜王図

 朝から雨が降っていましたが神泉苑に参拝したころには陽が射してきました。朱に塗られた法成橋の上の空を見るときれいに虹がかかり、また写真で見るとまるで富士山に見紛うような雲が見えていました。これは吉祥に間違いない!

虹のかかった空に浮かぶ富士山のような雲

 善女龍王の住む法成就池に架かる朱塗りの法成橋が美しく池に映えます。思います。池には鯉が泳ぎ、鴨が水面を自由に散歩しています。
とても大きな池ですが、昔はもっと大きかったそうで御池通りの名前もこの池から名付けられたそうです。

善女龍王が住む法成就池

 一番寒いこの季節にも美しい花を咲かせる山茶花。少しだけ残った紅葉したモミジ。季節の移ろいを教えてくれます。
アヒルも身を寄せ合って寒さをしのいでいるよう。

山茶花が綺麗

 北西側に廻り込んだ小池があり古くから心鏡の池と呼ばれ、池を覗き込んだ時に池面に映る自分の顔を見ると心の奥の喜怒哀楽が映し出されると伝えられます。

自らの心の奥を映し出す心鏡の池

 1646年に造られた鐘楼。東西南北の四面には四智如来の梵字が記された、 密教的な曼荼羅を表すものとなっており、梵鐘そのものが大日如来と一体と考えられているそうです。
 1684年、弘法大師空海の850回忌に当たり建立された宝篋印塔(ほうきょういんとう)。一切如来守護の集まりで、少しの礼拝でも菩提の種を授かることができるとされています。

鐘楼と宝篋印塔

 大きな法成就池の周囲の庭園は普段は入れませんが、年末には除夜の鐘を撞くことが出来、またお正月まで庭園が公開され観賞することが出来ます。
池の中には中嶋がありますが、この島は浮かんでいて少しずつ移動すると昔から言い伝えられており、またこの島には謡曲にも謡われる五位鷺が棲むと伝えられます。

法成就池に浮かぶ中嶋

 帰りにもう一度振り替えると、一度は消えていましたが、またさっきよりくっきりとキレイな虹が鮮明に架かっていました。

再びキレイな虹が見送ってくれました

 北側の押小路通りには真言宗東寺 神泉苑と書かれた山門があり、こちら側から見るとお寺のようです。1656年に21歳の若さで崩御された後光明天皇を供養するため父の後水尾法皇が菩薩像を造られ、その後、後光明院の子女の孝子内親王(礼成門院)のもとで菩薩像は御信仏とされ礼成門院の薨去後、御遺命により東寺寳厳院に移され神泉苑の御本尊となり真言宗東寺の管轄のお寺となっているそうです。押小路通りを挟んですぐ北側には二条城があります。二条城にお越しの際にはぜひ神泉苑にも足を運んで見てください。

 気学では甲辰歳になるのは2/4の立春からです。せっかく初詣に行ったのにって感じですが、立春が過ぎたらもう一度初詣に行きましょう。元旦に行けなかった人はラッキーですね。
 皆さまもぜひ龍や辰に関するパワースポットに出かけて、心静かに過ごして気血を補いましょう。

小寒の養生法

しっかりカラダを温めて!!

 前回もお話しした三九天。冬至から九日ずつ数えた三回目の9日間が一年で一番寒い9日間と考え、この九日間(今年は1/9~1/17)を特に三九天と言い漢方ではこの一番寒い季節に陰陽論に従って、夏の病気を治療する夏病冬治を行います。三九貼三九天灸というお灸や専用の膏薬をツボに貼って慢性気管支炎や喘息、アレルギー性鼻炎、慢性消化器疾患、リウマチなどの原因となる体質を改善するのです。三九天の治療効果は、温陽益気、健脾補腎益肺、袪風散寒、通経活絡など。つまり体内の陽気不足、消化器系、呼吸器系や生命エネルギー全体の低下、風寒邪気の侵襲、気血の巡りの低下などを改善して免疫力を高め邪気に負けないカラダを作ります。花粉症など春にツライ症状がある方は、このような早めの対策で春の症状が楽になります。

九九消寒図

小寒の食養生

 昔から「三九に営養を補えば、翌年は病気にかからない」と言われ、春、夏、秋の1年近くは活動により臓腑の陰陽バランスや気血は消耗するので、この時期にしっかり温と営養を補って寒邪の侵入を防ぐことが出来れば、翌年には病気にあまりかかることがなく養生できると教えています。
 冬は特に温熱性の食材を多く摂り、出来れば漢方や薬膳食材などを加えて効果的にカラダに温と営養を補うことがオススメです。
 よく使われる漢方生薬は、自分の体質に合わせて高麗人参、黄芪、阿膠、冬虫夏草、何首烏、枸杞、当帰などでこれらと一緒に一般食材の羊肉、豚肉、鶏肉、スッポン、サワラ、エビなどとナツメ、竜眼、蓮の実、百合、クルミ、ゴマ、ヤマ芋、栗などを一緒に合わせて温かく調理してカラダに温と営養を補います。

春の七草「七草がゆ」

 1/7は五節句の一つの「人日(じんじつ)の節句」で、七草がゆを食べて邪気を祓います。七草がゆは、平安時代に光孝天皇を偲んで、宇多天皇が中国の風習にならって宮中の行事として取り入れられたのが始まりとされ、その後江戸時代に庶民にも広まったとされています。
 また、小寒の七十二侯の初侯は「芹乃栄う (せりすなはちさかう)」と言いせりが群れをなして生え、凍っていた泉が流れ出し、キジが鳴き始める季節です。七草がゆには、このせりのほかなずな・はこべ・ははこぐさ・ほとけのざ・すずな・すずしろの7種を入れてお正月の間に飲み過ぎ食べ過ぎで弱った胃腸を調えます。

七草がゆに入れる七草の性味と帰経、効能
[せり]
 
性味:涼、辛・甘、帰経:肺・肝・膀胱、効能:袪風湿、清熱、利湿、涼血止血、清胃滌熱、清熱解毒など
[なずな]
 
性味:涼、甘・淡、帰経:肝・脾、効能:涼肝止血、清熱利湿、清肺止咳、涼血止血、解毒、健脾胃・和中、平肝明目など
[はこべ]
 性味:涼、微苦・甘、帰経:肝・大腸、効能:清熱解毒・消癰、清熱涼血、痔出血、清熱解暑、清肝瀉火、治肝積肥気、活血化瘀、補中益気など
[ははこぐさ]
 性味:微寒、甘・淡、帰経:、効能:清熱、疏散風熱、去風明目、清肺止咳、止咳平喘、清熱利湿、清心安神、去風除湿、補血明目、平肝明目など
[すずな]
 性味:平、辛・甘・苦、帰経:胃・肝、効能:消食導滞、下気寛中、行気除脹、通中益気、開胃、清熱解毒、解酒毒、利水解熱、清熱瀉火、散寒、温中益気など
[すずしろ]
 性味:涼、辛・甘、帰経:脾・胃・肺・大腸、効能:清熱、清肺瀉熱、降逆下気、化痰熱、清熱解毒、行風気、涼血止血、清熱生津、消食導滞など
[ほとけのざ]
 性味:平、苦、帰経:肺・胃・肝、効能:清熱解毒、消癰解毒、咽頭炎、乳腺炎、下血、発表透疹など

 ご覧の通り七草のどの性質も平か寒涼ですね。温める物は一つもありません。つまり飲み過ぎ食べ過ぎで胃熱が溜まっているのを冷まして、消化を促進させる食材ばかりです。

臘八節(ラォバァジェ)

 一方、台湾や中国など中華圏では、旧暦12/8(今年は1/18)は臘八節(ろうはちせつ)と言われるお祝いの日で、お釈迦様が悟りを開く前にあまりの苦行で死にそうになった時スジャータという娘が捧げた乳糜(ミルク粥)で体力が回復し、旧暦12/8に菩提樹の下で悟りを開いたということから、この日を「佛陀成道紀念日」や「法宝節」というようになり、お寺ではこの日を祝うため臘八粥(八寶粥)をお供えされ、参拝者にも臘八粥が振舞われ、この日を過ぎるといよいよ春節を迎える準備をはじめる大切な日だそうです。
 一年で一番寒いこの時期にいただく臘八粥 (ろうはちがゆ)には、もち米、はと麦、緑豆、小豆、栗、ヤマ芋、ナツメ、蓮の実、百合、白きくらげ、竜眼、クルミ、氷砂糖などを入れて食べるそうです。
日本でも中国でも長い歴史に培われた食文化や伝統食がありますね。

八寶粥の作り方♪
材料(1人〜2人前)
小豆  50g
はと麦 50g
玄米  30g
蓮の実、枸杞の実、なつめ、黒豆など 適量
砂糖  50g
水 600cc

1.はと麦は硬い為事前に水をつけておきます。
2.あずきは、お鍋にたっぷりの水を入れ中火で一度沸騰させ、ザルに一度上げます。
3.”2”をまた鍋に戻しはと麦・玄米・水600ccを入れます。
4."3"に蓋をし中火でかけ、沸騰したら弱火にして50分ほど茹でます
5.50分後は火を止め砂糖を溶かして完成♪
八寶粥は中に入れるものに決まりはないので、お好みで白きくらげや緑豆などを入れてもいいですね♪

臘八粥(八寶粥)

 さて、今年は日本式の七草がゆか中華式の臘八粥(八寶粥)かどちらにしましょうか?

小寒の京の風物詩

 また、京都では毎年1/9から3日間、祇園街にある京都ゑびす神社で初ゑびす祭があります。これも京都の風物詩ですね。「商売繁盛で笹持ってこい!」という掛け声で商売繁昌・家運隆盛を願い宝船などの縁起物をいっぱいぶら下げた吉兆笹やお金を根こそぎかき集められる熊手などを求めてたくさんの人がお参りします。
 たいがいの京都の店では祇園祭のちまきやえべっさんの笹や熊手が神棚などに祀られています。神社では女優や舞妓による福笹が配られたりします。
 同じく9日は泉涌寺の泉山七福神巡りや15日には前回ご案内した三十三間堂で弓引き初め通し矢が行われ、ほかにも毎月21日の東寺の弘法さんや25日の北野天満宮の天神さんは、その年の初めてのことをそれぞれ初弘法初天神と言って普段よりも盛大です。この時期に京都に来られる予定の方はぜひ行ってみてください。いっぱい福が授かりますよ!

京都伝統中医学研究所の"小寒”におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.「温陽補腎」の薬膳茶&食材

温陽を補い気血を巡らせるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
 薬膳茶では、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイ、黒薔薇茶、気血巡茶など。
 薬膳食材では、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、蓮の実、松の実、マイカイ花、桂花、茉莉花、紅花など。 
 薬膳火鍋紅白スープセット手足冰凍鍋セット、冬の美薬膳鍋セット、四物鍋スープセットは、薬膳食材もセットになっているのでオススメです。

腎を補い働きを高めるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
 薬膳茶では、肝腎かなめ茶、なつめ薬膳茶、なつめ竜眼茶、からだを温める黒のお茶など。
 薬膳食材では、黒きくらげ、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、金針菜、紅花、マイカイ花など。

2.いろいろお豆のお汁粉セット…をお粥に!

  薬膳スィーツ「いろいろお豆のお汁粉セット」の中身は「小豆・緑豆・金時豆・蓮の実・黒豆」の五種の豆類です。木火土金水の五色をバランスよく配合して五行周流。ココナツミルクで味付けて東南アジア風のスィーツとして人気がありますが、この季節はこれをそのまま「いろいろお豆のお粥」にもアレンジするのがオススメです。年末年始に飲み過ぎ食べ過ぎたという方は、ぜひお試しください。お腹の調子がグッと楽になりますよ。お好みで百合やヤマ芋、白きくらげなどを加えてもOK。 

3.漢方入浴剤 ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」

 この季節の養生にオススメの漢方入浴剤。ヨモギの香りが浴室いっぱいに広がり、香りに癒され芳香浴の効果も抜群です。ヨモギは昔から「婦人科の要薬」として血の道証改善に使われてきました。

中医学や薬膳の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。

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次回は、1月20日「大寒」ですね。一年で最も寒い三九天も1/9~1/17までです。しっかり温補腎陽の養生法でカラダを守ってください。


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