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二十四節気の養生法【2024 處暑】


 8/22から「處暑」です。暦便覧には「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」とあります。「處暑」になり、一年で一番暑いとされる三伏天もようやく明日(8/23)で終わりますが、まだまだ残暑厳しいですね。中国では残暑を“秋老虎,毒如虎”と言い、虎のように恐ろしいと喩えられており、まだまだ「暑さ対策」が必要です。とはいえ、日中はまだまだ蝉時雨が喧しいですが、夕方にはヒグラシの声が聞こえたり、夜ベランダに出て耳を澄ますと、チロチロチロと秋の虫の鳴き声が聞こえるようになりました。
少しずつ気は巡っていますね。気の巡りの気配や兆しを感じながら日々過ごすことが大切です。
 8/8に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しましたが、皆さまご無事にお過ごしのこととお祈り申し上げます。またこの地震の発生により、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」の「巨大地震注意」を発表しました。一週間後には解除となりましたが、引き続き注意が必要とされています。さらにお盆休みの8/16には台風7号が関東地方に接近したため、新幹線や飛行機などの運休など行楽や帰省にも大きな影響が出ました。
 やはり自然のチカラには抗えませんね。立春から数えて二百十日(今年は8/31)は、昔から農家が最も忌み嫌う日です。9/1は「防災の日」でもあるので、避難経路や避難グッズ、非常食などのチェック、交通機関のストップで帰宅困難にならないよう事前に対策を考えておくことも大切です。
 台風10号が南の海上で発生し、日本の本州方面に北上する可能性があります。来週あたりは本州に近づくまたは上陸する恐れもありますので、くれぐれもご注意ください。 

災害に備えよう

今月の癒しの庭園 芬陀院「雪舟庭園」

 今回は、”画聖”雪舟が石で描いた枯山水の名園、東福寺の塔頭 芬陀院の雪舟庭園「鶴亀の庭」をご案内します。

東福寺塔頭 芬陀院

 芬陀院は臨済宗東福寺の塔頭寺院で、創建は鎌倉後期 後醍醐天皇の時代で、ときの関白一條内径公が定山祖禅和尚を開山として創建され、以来五摂家の一つ一條家の菩提寺となっています。紅葉で有名な東福寺の「通天橋」からすぐの所にありますが、今は観光客も少なくゆっくりとお庭を愉しむことが出来ます。

 恭礼門院の女院御所から移築された立派な唐門の横の大玄関から入ります。
雪舟は少年時代、修行をせずに絵ばかり描いていたため、住職に本堂の柱に縛り付けられました。夕方、住職が可哀想に思って本堂を覗くと、雪舟の足元で鼠が動いていました。しかしそれは本物の鼠ではなく、雪舟が涙で描いた鼠でした。それほどまでに活き活きと描かれた鼠だったそうです。

 本堂に入って南側にすすむと雪舟が作庭した「鶴亀の庭」が目に入ります。雪舟は幼少期に岡山県にある東福寺末寺の宝福寺で過ごされたそうですが、本山の東福寺にお詣りになられた際には、この芬陀院で起居されたと伝わっています。そして、一條兼良公に所望されこの「鶴亀の庭」を作庭されました。

 禅院式枯山水様式で、1460年ごろに作られ京都では最古の枯山水庭園の一つとされています。正面に見えるのが「亀島」でその左手少し奥にあるのが「鶴島」です。長い歳月の中で荒廃していましたが、昭和14年に作庭家の重森三玲氏により一つの石も加えることなく見事に復元されたそうです。

 一條兼良公が雪舟に亀を描くように所望されましたが、雪舟はなかなか筆を執らなかったそうですが、ある日、庭に出て石を動かし始めると次第に亀の形になり数日後には立派な石組みの亀が出来上がりました。その夜、庭で異様な音がするので和尚さんが覗いてみると、その石組みの亀が手足を動かし這っていたそうで、和尚さんが雪舟に処置を頼まれ、雪舟が亀の甲に大きな石を載せると亀は動かなくなったそうです。

鶴島と亀島

 兼良公はその功を認め一寺を与えようとされましたが、雪舟は画の修行がしたいからと断り、中国・明に旅立たれたそうです。それ以来亀島は「渡明の亀」や「亀に乗って明に渡った」などと言われるそうです。
本堂の縁側に座布団が置かれてあるので、ゆっくりとお庭を眺めていられます。

お堂の中から見た鶴亀の庭
一条藤紋の鬼瓦と手水

 お堂の東側には、南庭を復元した際に重森三玲氏が新しく手掛けた東庭があります。こちらは苔庭式の枯山水で南庭とはまた趣が異なり、綺麗に手入れされた立派な松が聳えています。

左が東庭、右が南庭
青々とした松がシンボルの東庭

 東庭の縁側の突き当りに、茶関白と呼ばれ茶の湯を愛した一條恵観公が茶を楽しんだ茶室 図南亭があります。躙り口のない貴人好みの茶室が往時の姿を偲ばせます。丸窓から東庭が眺められます。

 また反対側の路地には勾玉型の手水鉢や崩家形の灯篭が置かれ風情を醸し出しています。

 石川丈山の揮毫の「図南」と書かれた扁額やいろいろな襖絵や屏風、衝立などが飾られてありこちらも見ごたえがあります。

 門からの参道にももみじが植えられているので、紅葉の季節も綺麗に色づくでしょうね。

 苔と青紅葉が眩しい、夏もそろそろ終わりに近づいてきました。

 東福寺さんは以前【2022 小満】でご案内しました本坊庭園や紅葉で有名な通天橋など見どころはたくさんありますが、すぐ近くにいろいろな塔頭があり、こちらはゆっくりと楽しむことが出来ますよ。

處暑の養生法

 日中の残暑はまだまだ厳しいですが、夕暮れが少しずつ早くなってきたり、夜に虫の声が聞こえてきたりと、少しずつ秋の気配が感じられるようになりつつあります。
 秋は、夏のから冬のへの大きな季節の変わり目です。春夏の生長の気から、少しずつ陰気が旺盛になり、万物は収斂し、秋冬の収蔵に変わりますが一気に変わることはなく、少しずつ少しずつ変わっていきます。
天人合一という観点からも、夏休みで乱れてしまった生活習慣や食生活を見直し、少しずつ早寝早起きの習慣を取り戻し、食事も冷たい物ばかり飲んだり食べたりしないで少しずつ温かいものを摂ってお腹の調子を調えましょう。日中はまだまだ虎ほど恐ろしい残暑に注意して「夏の養生法」を取り入れ心気を損なわないように気をつけてください。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、温暖化の現代では実際に日中でも秋の気候になってくるのは、10月半ばごろになってからでしょうかね。

声がかすれた!どうしよう?

 先日「声がかすれるのに良い薬膳は?」というお問い合わせがありました。先天的に障害のある人以外は、朝起きて普通に声が出るものと思っていますが、声が出にくかったりかすれたりするのは、中医学的にどのように考えるのかお話ししたいと思います。
 特に、歌手やアナウンサー、教師や講師など声で仕事をしている人が、普段通りに発生できなくなると大変です。しっかり養生して当たり前と思っている発声が異常にならないよう予防しましょう。

 前回は、中医学の診察で「聞診」の中の臭いを聞く(嗅ぐ)診察の話をしましたが、聞診には文字の通り患者の声や呼吸、咳などの音を聞いて今のカラダの状態を把握することも含みます。皆さんも、お子様や離れて暮らすご両親などの声を聞いて、「あぁ、今日も元気そうだな」とか、「なんだかちょっと元気が無さそうだな」と感じたりしますね。カラダが丈夫で元気があれば、声に張りがあり自然な発声で舌も滑らかで音調も柔らかでツヤがあります。伸びやかで落ち着いた発声が出来ているということは、心身も健やかで陰陽の調和が保たれ安定している状態だと考えられます。 
 また声は感情や精神状態とも密接に関係し、嬉しい時は声が弾み、怒っている時は声が引きつり、悲しい時は痛ましい声で途切れ途切れになり、喜んでいる時はノビノビと朗らかな声になります。尊敬している人と話す時は実直で厳粛な声になったり、愛している人と話す時は暖かくて優しい声になったりしますね。

声の調子で体調を知る

発声異常が起こる原因と弁証(体質診断)

 発声異常の原因は、やはり一番は咽喉の酷使や咽喉にダメージを与えることになりますね。煙草の吸い過ぎやアルコールの飲み過ぎ、辛い物など刺激物の摂り過ぎなどは咽喉にダメージを与えます。また大きな声やがなり声でしゃべり続けたり歌い続けるなど咽喉を酷使すると発声異常が起こります。花粉やウィルスなど外からの原因が影響することもあり、もちろん過労や睡眠不足、ストレスなども影響する場合があります。
 中医学では、「声」は、肺、喉、会厭(声帯)、舌、歯、唇、鼻などの器官が協力して働き作り出され、五臓のが主に関係していると考えます。発声異常については、五音、五声と五臓の関係や、声のかすれや失音(かすれがひどく声が出ない)の度合い、声に勢いがあるかどうか、また痛みなどによるうめき声、言葉数の多い少ないなどで寒熱虚実を診断します。
 発声異常は、肺または腎の働きが低下することによって起こると考えますが、 嗄声(させい=しゃがれ声やかすれ声)など声に異常が起こるのも、カラダの陰陽の乱れや、正気が足りない虚証(正気不足)と邪気が旺盛な実証(邪気旺盛)に分けて対処するように考えます。

 虚証でかすれ声になったり声が出なくなることを「金破不鳴」(きんはふめい)と言い、肺気や陰液(津液)、腎精が不足していると考えます。
 カラダに自分の正気が足りていない状態で、発声に異常が起こる虚証は、まず1つめは肺気虚証で、これは肺に風寒湿邪の外感が侵襲したり、心配し過ぎや悲しみ過ぎて肺気を損傷し、咽喉を潤す津液(水分)を運ぶパワーが弱くなり津液が咽喉に送られないために起こる発声異常です。 
 虚証による発声異常の2つめは陰虚証という証で、辛い物の食べ過ぎやお酒の飲み過ぎ、ストレスやイライラ、不眠や夜更かしなどでカラダの中に熱がこもって陰液(津液・血・精)を損傷してしまい咽喉を潤わせなくなって起こる発声異常です。3つめは腎虚証で、過労や睡眠不足、恐がり過ぎ驚き過ぎ、房事過多などで腎精を損傷し腎の働きが低下して、肺腎の相生関係が崩れ、津液が肺と咽喉に送られなくなり発声異常が起こる状態です。
 また喫煙や冷風の当たり過ぎ、大声で怒鳴ったりしゃべりすぎたりして咽喉を傷める(津液不足)などが考えられます。いずれも自分の中の正気(エネルギー)が不足して、肺と咽喉を潤せなくなって起こります。

一方、実証でかすれ声になったり声が出ないことを「金実不鳴」(きんじつふめい)と言い、肺に風寒暑湿燥いずれかの邪気が鬱滞しています。
 実証による発声異常の1つめは、風寒実証(寒)で、風寒の邪気がカラダに侵襲し、つまりカラダが冷えているために起こる発声異常です。
2つめは風熱燥実証(熱)で、こちらも陰虚と同じように熱がこもっている状態ですが、陰虚の虚熱よりももっと強い熱邪です。最初は陰虚の虚熱が長期化するとだんだん実熱に変わり症状が激しくなります。虚熱のうちに対処して清熱することが大切です。

発声異常の養生法と予防する薬膳

 発声異常を予防するには、まず咽喉を酷使したりダメージを与えない生活習慣や食生活、精神状態を良好にすることが大切です。大事な講演などがあると言う時は、前日などは咽喉を安静にして休ませておいたり、適度な湿度を保つように水分補給したりやトローチなどで保湿することが大切です。
今はまだそれほど外気も冷たくありませんが、外気が冷たくなって来る頃にはマスクで直接外気を吸い込まないように気をつけたり、マフラーやハイネックでのどを保温したりしてケアすることも大切です。
普段、何気に普通にしゃべれて声が出ているので、あえて何かしなければというようなことは考えませんが、やはり朝起きて声がかすれていたり声の調子が悪かったりしたら大変ですよね。毎日の生活の中であえて声を守るためのケアは考えませんが、まずは自己免疫力が低下するような生活習慣や食生活を正しく調え、咽喉にも気血をしっかり補い巡らせることが大切です。

 中医学的には、自分の今のカラダの状態(体質傾向)が、寒熱虚実のどの状態にあるのかを把握し、その体質になっている原因を改善し、今の症状に対処していきます。声がかすれたり声が出にくいと言って病院に行っても、特に薬や治療は行ってもらえませんよね。せいぜいトローチなどを出して安静にしてくださいと言われるぐらいです。
中医学では、発声異常になっている体質を改善していくことで、はやく発生を正常に戻してくれます。
 発声異常が起こりやすい中医学的な体質(証)があります。声が正常に出せないというのは、このような体質(証)に傾いて行っているからと考え、この証を改善する施治を行います。この体質に傾いている人は、いつか声が出にくくなることがあるかも知れませんので、早めに対処しておくことが大切です。


1.肺気虚証
 
肺は「喜潤悪燥」と言い、滋陰潤肺することが大切です。冷たい飲食物は避け、体を温める食べ物を選び栄養バランスを考え、ビタミンやミネラルが豊富な食材を摂取することが大切です。また、夜は早めに就寝して十分な睡眠と休息を取ることが大切です。そして肺経を良く伸ばすヨガやウォーキングなどの軽い運動を日常的に取り入れ、体力を維持しましょう。リラックスするように心掛け、ストレスを溜めないことも大切です。
おすすめの食材は、
 鶏肉、牛肉、うなぎ、山芋、大根、大豆(豆腐)、黒豆、栗、くるみ、白身魚、貝類(あさり、しじみなど)、はちみつ、ごまなど。
薬膳食材では、
 なつめ、枸杞の実、白きくらげ、百合、桑の実菊花、杏仁、山薬(山いも)、銀杏、枇杷、麦門冬、五味子など。

2.陰虚証
 
陰虚証の主な原因は、激辛い物の食べ過ぎやアルコールの摂り過ぎ、ストレスやイライラ、怒りなどの感情が激しい、夜更かしや睡眠不足、長時間労働や過度な運動など肉体的、精神的な過労が続くと陰液(津液、血、精)を消耗します。改善や予防法は、食生活を見直し、リラックスする時間を持ち、出来るだけ穏やかなココロで過ごすよう心掛け、適度な運動と休息を採り入れバランスの取れた生活リズムを保ち質の良い睡眠をとることです。
おすすめの食材は、
 梨、りんご、ぶどう、柿、きゅうり、トマト、大根、白菜、山芋、豆乳、大豆(豆腐や納豆)、くるみ、ごま、はちみつなど。
薬膳食材では、
なつめ、竜眼肉、白木耳(しろきくらげ)、百合根(ゆりね)、黒きくらげ、蓮の実、桑の実百合、党参、黄耆など。

3.腎虚証
 
加齢や過労や睡眠不足、恐がり過ぎ驚き過ぎ、房事過多などで腎精を消耗します。腎は冷えが苦手なので、出来るだけカラダを冷やし過ぎないように心がけ、あまり怖いものや驚くことは避けましょう。夜更かしや房事過多も腎精を損傷します。腎精を減らすことを避け、補うよう心掛けましょう。
おすすめの食材は、
 腎虚にオススメは、黒豆、黒ごま、くるみ、うなぎ、牡蠣、鮭、羊肉、鶏肉、山芋、ほうれん草、ブルーベリー、黒いちじく、黒米、もち米など。
薬膳食材では、
菊花、ジャスミン、松の実、桑の実、なつめ、竜眼、玫瑰花、山楂子など。

4.風寒実証(冷え)にオススメは、
 生姜、にんにく、ねぎ、唐辛子、羊肉、鶏肉、牛肉、温かいスープ、生姜紅茶、シナモンティー、大根、にんじん、かぼちゃ、黒砂糖、くるみなど。
湿邪と熱邪が滞り、ニキビ、湿疹、かゆみ、赤みなどの皮膚の炎症やトラブル、胃の重い感じ、消化不良、下痢、便秘、腹部の膨満感などの消化器系の不調、カラダや頭が重い、手足がだるい、疲労感、口の中が粘っこい、口内炎、排尿困難や頻尿など排尿異常などが起こります。この証の原因も不規則な生活、睡眠不足、運動不足、脂っこい食べ物や甘いもの、生もの、冷たい物、アルコールの過剰摂取、精神的なストレスにより起こります。
おすすめの食材は、
 ごぼう、くわい、春菊、生姜、セリ、セロリ、だいこん、たけのこ、玉ねぎ、たんぽぽ、冬瓜、きゅうり、苦瓜、へちま、スイカ、なす、みつば、みょうが、ミント、やま芋、カシューナッツ、銀杏、栗、くるみ、しその実、海苔、昆布、ワカメ、柿、梨、枇杷、仏手柑、ハチミツ、茶、クラゲなど。
薬膳食材では、
菊花、はと麦、緑豆など。

5.風熱燥実証(熱)
 
カラダの余分な熱を冷まし潤いを保つ陰液が不足し、火(熱)が過剰になり火が暴走して発熱やのぼせ、ほてり、異常な発汗、口やのどが渇く、皮膚や目の乾燥、便秘気味、尿量減少、睡眠の質が悪い、イライラ、不安感などの症状が現れます。
おすすめの食材は、
きゅうり、スイカ、梨、メロン、白木耳(しろきくらげ)、ナシ、豆乳、大根、緑豆、ミント、苦瓜(ゴーヤ)、蜂蜜、トマト、ほうれん草など。
薬膳食材では、
百合根、松の実、枸杞の実、桑の実、白きくらげなど。

 オススメの食材や薬膳食材は、自分の今の体質をチェックしてカラダが寒熱虚実のどちらに傾いているかを把握して、それを正常に戻してくれる食材を選ぶことが大切です。オススメに記載されていても、今の自分のカラダの寒熱虚実に合わない食材は、かえって体調を悪化させてしまいますので、必ず自分の今のカラダに必要な食材を選んで使いましょう。
弁証論治の無い薬膳や治療法は中医学とは言えません。

発声に関係する臓腑経絡とツボ

 咽喉に関する臓腑経絡は肺経、腎経になります。ヨガやストレッチなどで肺経、腎経を心地良くストレッチしたり、咽喉に関するツボを心地良い強さで刺激したりお灸などをすることで鬱滞した邪気を取り除き、気血の巡りが調いスムーズな発声が出来るようになります。

京都伝統中医学研究所の"處暑”におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

まだまだ残暑が厳しく暑邪、湿邪が旺盛です。暑邪は心気を損傷し心(しん)の働きを低下させます。カラダに暑湿邪を溜め込まないようにし、出来るだけ暑湿邪を追い出す薬膳茶や薬膳食材を摂りましょう。

1.「安神養心」精神を安定させ心を養い穏やかに過ごすための薬膳茶&食材

 まだまだ高温多湿で残暑が厳しい時期なので、「安神養心」「清熱解暑」の養生法の継続が必要です。
心気虚にならないように気血をしっかり補いましょう。
オススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、なつめ薬膳茶、なつめ竜眼茶、酸梅湯、水巡茶、気血巡茶など、
薬膳食材では、新彊なつめ、枸杞の実、黒きくらげ、金針菜、竜眼、蓮の実、緑豆、はと麦、桑の実、紅花などがオススメ。

2.「清熱解暑」カラダの熱を冷まして、余分な熱がこもらないように

 まだまだ、夜も蒸し暑くて寝苦しい日が続きます。カラダに熱がこもりやすくなり「熱邪」にやられます。心は火に属し熱と結びつきやすく熱がこもると「心火」を炎上させます。心火が炎上すると頭痛、めまい、精神錯乱、不安感、煩燥、不眠、動悸、脳出血などを引き起こします。出来るだけ意識的にも心(ココロ)を穏やかにしてリラックスして安静になるように心掛けて過ごしましょう。
心を養い、気血の巡りを調え、精神を安定させるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、気血巡茶、酸梅湯、水巡茶、理気明目茶、五望茶、ダイエット応援爽快茶など、
薬膳食材では、金針菜、菊花、はと麦、緑豆、百合根などがオススメ。
いろいろお豆のお汁粉セットでお粥にしてもGoodです!
清熱解暑や暑気あたり予防に、蒸し暑い台湾の夏の定番薬膳スープ四神湯もぜひオススメです。

3.入浴時におすすめ漢方入浴剤

寒湿タイプにオススメ
 一日中冷房の効いた部屋で仕事をしている人や乗り物などでカラダが冷えた人は、カラダをしっかり温めることが大切です。
 ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」もカラダが温まりココロの緊張もほぐれ気の巡りを促進。
 ヨモギは漢方で艾葉(ガイヨウ)と言い、古来から擦り傷や切り傷など出血時に止血薬などとして使われたり、浄血や造血、デトックス作用(むく みの改善)、冷え性改善、美容効果があり、最近では「よもぎ蒸し」なども流行っていますね。

湿熱タイプにオススメ 
 仕事やスポーツなど屋外の活動で汗をかいたりカラダが火照っている人にオススメ。エキゾチックでオリエンタルな香りの 「すっきりさっぱり乃湯」暑気あたりの体調不調やストレス、気鬱などを解消してくれます。
 藿香(かつこう)は、お腹を温め、湿を追い出冷たい物の飲みすぎ食べ過ぎで傷めた脾胃を補ったり夏カゼの予防など。漢方薬の「藿香正気散」でよく使われます。アロマではパチョリと呼ばれオリエンタルでエキゾチックな香りで人気があります。藿香に生姜や陳皮をブレンドして冷房などで冷えたカラダを温め、爽やかな香りでリラックス。
☆どちらも、漢方の香りが浴室全体に広がり、ココロもカラダも癒されリラックス♪

薬膳茶や薬膳食材などの商品は各ショップでお買い求めいただけます。
薬膳茶&薬膳食材専門店 京都 楽楽堂  本店公式サイト
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 中医学や漢方の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。
次回は、9月7日「白露」ですね。暑さも収まってくれると良いのですが、長期予報では11月にならないと秋の気配にならないとか。まだまだ、暑邪や湿邪を避けしっかり熱中症や夏バテ予防の対策をしてお過ごしください! 

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