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教材作りに必要な4つの準備

教材戦略ラボでは、毎月個別相談会を開催しており、講座の構築や運営、教材作りに関する様々なお悩みや課題をお持ちの方とお話しする機会があります。
その中でももっとも多いのが
「教材を作りたい(教材が必要)なのだが、自分でやろうとしてもなかなか進められない。いつまで経っても形にならない。完成しない。どうしたら良いか」
というご相談です。

他の記事でも似たようなことを書いていますが、この状況を打破するためには、まず「どこで詰まってしまっているのか」「何がネックなのか」を特定することが必要です。

今日は教材制作において、その「詰まりやすいところ」「ネックになりやすいところ」を4つの要素に分けて紹介したいと思います。


教材作りの土台になっているものは何か?


まず「教材を作りたい」ということを、以下のような図で示すとします。

ただ、これをこの状態のまま漠然と捉えていては、いつまで経っても冒頭の「進まない・形にならない」という状態になってしまいます。
そこで教材戦略ラボでは、教材作りのプロセスを以下のようなステップに分解して説明しています。

この図から分かるように、一番右のステップ「教材化」(教材を作る・教材にする)には、その前提として4つのステップが必要です。
1つずつ簡単に解説していきます。

ステップ①|目的・ゴールの明確化


教材作りに必要なステップの1つ目は、「何のために教材を作ろうとしているのか」を明確にしておくことです。

個別相談会などでお話しさせていただくと、多くの方が「講座を開催するのに必要だから」と回答されます。
ですが、別に教材がなくても講座は開催できます。

ここではもう少し深掘りして、「なぜ教材が必要だと思うのか?」を考えます。すると、それぞれこんな目的・目論見が出てきます。

「教材があれば、講師である自分が教えやすいと思うから」
「受講生にモチベーション高く学んでもらうためには、教材があった方が絶対に良いと思うから」
「ちゃんとした教材があれば、受講生満足度が高いし、講座の評価が高まると思うから」
「教材を作り込むことで、講座をブランディングしやすくなると思うから」

そうです! このような「教材を作りたいと思う目的・ゴール」があるはずです。
あるいは「こんなスキルや知識を持った、こんな人材を育てたいから」
といった「育てたい人材像」を定義する形でも構いません(むしろ本質的です)。

どんな理由でも構いません。ここでは自分が「そう思う理由」を明確にできればOK。この「目的」が教材作りにおける「大きな指針」となります。

ステップ②|対象者の明確化


目的・ゴールが明確にできたら、次に考えることは「誰に向けて伝えようとしているのか」です。
「そもそもその講座や研修が誰向けのものなのか?」を明確にします。

「〜〜という悩みを持っている人」
「〜〜という資格を取りたいと思っている人」
「入社3年目の人」
「自分たちの協会で活動したいと思っている人」

など、これもどんな人でも構いません。
要はこれから作る教材を「どんな人が使う前提で作るのか」を決めておきましょう!というお話です。

いわゆる講座や研修の参加者となる「ペルソナ」です。
(「より売れる講座を…」という目線で考える場合は、マーケティングの専門家の方に相談してみましょう)
この「誰向けに」が決まっていないと、講座や研修のカリキュラムや教材は作り始めることができませんので、これは必ず決めておく必要があります。

ステップ③|コンテンツの客体化


「目的・ゴール」と「対象者」を決めた上で、「その人たちに伝えるべきことは何か」を考えるのが次のステップです。

「客体化」という少し難しい言葉を使っていますが、要は「自分の頭の中から、その対象者に伝える必要があるコンテンツだけを引っ張り出す」という作業です。

よく「この講座の中で、どこからどこまでの内容を扱ったら良いかわからなくない」というお悩みを聞くのですが、「目的や対象者が曖昧だから」というのが大きな要因の一つです。

「目的や対象者」が明確になっていることで、「自分が持っている引き出しの中から、どの部分・どの範囲のことを、どのレベルで伝えていくか」を取捨選択することができます。

ステップ④|カリキュラムの体系化


ステップ③で「だいたいこんな内容を伝える」というコンテンツの目処が立って初めて、「その内容をどんな手順で使えるか」というカリキュラム作りに着手できます。

ここでは「どんな対象者たちを、どのレベルまで育成するのか。何ができるように導くのか」という視点で「スタート地点とゴール地点」を設定し、「そのギャップを埋めるためには、何をどんな手順で伝えていく必要があるのか」を考えていきます。

この体系化のプロセスは、「自分にとっては当たり前の内容」(いわゆる暗黙知)であることが多いため、自分ひとりの目線では難しいかもしれません。身近な人や私たちのような専門家を壁打ち相手として、「第三者目線」を取り入れながら客観的にリストアップしていく必要があります。

教材作りにはこの4つの準備が不可欠

  • ステップ③で明確にした「コンテンツ」を

  • ステップ④で洗い出した「カリキュラム」(手順)を考慮しながら

  • 「それをどんな ”手段" で伝えていくか」を考える

これが最後の「教材づくり」のフェーズです。

ここまでの土台があって初めて

「紙のテキストが良いのか」
「それは教科書なのか、ワークブックなのか」
「はたまた動画教材が良いのか」

という「必要な教材の形」を具体的ににイメージできるようになります。

そしてそれを具体的な「言葉で・ビジュアルでどのように伝えていくか?」を考えて形にしていくのが「教材作り」です。
ここの「言語化・ビジュアル化」の作業が、多くの方にとって「教材作りの最後の難関」になります。
ちなみに以前こんなことがありました。

コンサルティングを通してステップ④までを精査した上で、「それをどんな手段で伝えていくか?」と検討した結果、「教材は必要なさそうだ」という判断になったケースがありました。
「いつまで経っても教材を形にすることができなかった」のは、教材が必要ではなかったからだったのですね。
こんなプロセスを踏むことで、「講座や研修をやるには教材が必要」というのは単なる思い込みだったこと… ということに気づけたケースです。

自分はどこで躓いているのか?


以上「教材作りに必要な4つの準備」として、ステップ①〜④に分けて解説しました。
仮に「教材作りがうまくいかない! 進まない!」という状況に直面したときに、大切なのは「自分はどのステップで躓いているのか?」を特定し、そこをクリアする手段や方法を考えることです。
あなたが躓いているのはどの部分でしょうか?


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