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広葉樹の自伐型林業

2月23日

一関市花泉にて 九戸山族 夏井辰徳先生の講習に参加しました。

夏井先生は、12年以上広葉樹のみの施業で、補助金に頼らずに経営を存続されている方です。

午前は座学で、 山守 の心得について学びました。

まず始めに、
20年経って初めてわかることもあるため、自分が続けてきた施業でもまだわからないことが多い。
そのため、自分の中にルールを確立させ、5年、10年後に検証できるようにしておく、と夏井先生は話します。


・山から養分が流れ、麓の畑の土が肥える。
山守とは、その大元である山を守る、ということ。

・左右対象、シンメトリーは人間の思考であり、森は乱調の中に美がある。
 乱調の対照語は正調。思考停止、理屈の世界。自然は理屈ではない。

・良い木を育てるには、一定のストレスを与えること。
例えば、日の当たりにくい、そして水が少ない頂上付近は、一番環境が厳しいけれど、良い木が育つ。
逆に、南向きで谷あいの麓付近は、土に養分が溜まっているので環境が良いが、材としてはあまり良く育たない。

・木は年間2.5%程成長する。10年で25%。
2割間伐で、10年後に山の立木体積が追いつく。

・干伐は、頂上付近を濃く残し、中腹〜麓が薄く、が良い。

・ぶどう蔓の多いところは水脈が走っている可能性。バケットをむやみにいれると、水脈に当たりやすい。

・ゆるやかな山は掘削すると水が出やすい。


・以前、林内に生えた足元のイバラを全刈りしたところ、その後周辺の木がドミノ倒しで倒れてしまった。植物も木々と共生している。

・植林は、土壌に菌糸があると成長が芳しい。

・達人は、いろいろな ものの声を聴く。
山の声、木の声が聴こえるようになってほしい。


・今日はここまで終わらせておきたい!という場合に焦りがでて事故が多い。


近くの広葉樹林へ


どの木を残すべきか。

午後は実際に広葉樹林を歩き、選木の仕方や、アオダモ、松枯れにあるファットウッド、クヌギのホダ木など、価値がある木々などについて教授いただきました。

ミズナラのウィスキースティック(ウィスキーにいれるだけで味が激変する)に、独自のスモーキーフレーバーを開発したものが、一番の売れ筋商品なのだそうです。




初めてのお話が多く、勉強になりました。


これから山守の心得を基に、山と関わっていきたいと思います。

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