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介護施設で事故報告電話をする際の伝える順番

特養でケアマネをしています。
1人で100名を担当しています(毎月20~30時間残業しています)。

さて業務上、ご家族に電話をしないといけない事が多々あるのですが、私は電話が苦手です。特に事故報告の電話が苦手です。
何をどういう手順で伝えれば良いのか、わからないのです。言い方によっては相手を怒らせるかもしれない。それなのにこの仕事を始めてからというもの、一度も「正しい電話の仕方」も「事故報告の仕方」も習った事がないのです。
大人なら知ってて当然と思われるかもしれませんが、その人それぞれの経験やセンスに委ねられるところが大きいと思います。

そんなわけでこれまで悩みながら試行錯誤して培ってきた「謝罪報告」の電話の仕方をここでまとめておきます。
と言っても私の備忘録であってこれが社会や世間の正解ではないのであしからず。

1.電話をする前にする事

1.情報収集

事故の経緯のおさらい、前後のご本人の様子(変化の有無や食事量など)、看護師の処置内容を確認する

2.シミュレーション、話す手順を紙に書き出す

脳内でシミュレーションしながら、ご家族に話す手順を紙にまとめてみる(頭が真っ白になっても喋れるように)

3.無理せず誠意を持って話す

ご家族からの不意な質問に答えられないかもしれず、その場合は無理せず、適当なその場しのぎの言葉は使わず、
「…また確認してご連絡させて頂きますね」
と誠意を持って答えるよう心に留める。

※気の利いた返しが出来なかったり、適切に返事が出来ずにあたふたするとご家族を不安にさせてしまい不信感を抱かせてしまいますし、あとから自分の醜態を思い出して土に埋まりたくなります。

4.早口にならないよう注意


2.電話をする

上記準備や心構えをしてやっと電話が出来ます(準備と深呼吸大事)。
話す手順↓

1・挨拶して名乗る

例:「こんにちは、◎◎苑のきょうしろうです。今お時間よろしいでしょうか?」

2・冒頭に要件を言う

例:「実はですね、事故のご報告になります…」

※挨拶をしてから急に内容を喋りだして「…という事故が起きました」だと、相手に心の準備をさせず、怖がらせてしまうかもしれないので、先に何の要件かをお伝えします。

3・事故の程度を先に伝える。

例:「と言いましても、受診が必要とか、ケガをしたとかではなく、ご報告だけですので、ご安心下さい」

※以前ご家族に事故の経緯を話し終わると「…で、私はどうすればいいの?」と聞かれた事があるのです。「いえ、あの、報告だけです」と伝えると「あ、そういう事ね、わかりました、わざわざご報告ありがとう」と仰ってました。

※また別のご家族は「事故」と聞いて「ええ…!」とおびえたような声色になり、事故の経緯を聞いている間も「はい、はい…」と神妙に聞いておられて、聞き終わってから「…あ、なんだそんなに大したケガとかしてないんですね…?」と拍子抜けした様子でした。
なので最近は先に事故の程度と「これは報告の電話である」という事をお伝えするようになりました。

4・事故の経緯を説明

例:「先ほど昼食前に、職員がお部屋に行くと、◎◎さんがベッドの下で座っておられたんです。ご本人は『座っただけや』と仰っていました」

※5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのよう)のように情報を整理して話すと伝わりやすいです。

5・看護師の処置の有無、内容、結果を伝える

例:「事故後すぐに看護師を呼んで身体確認をさせて頂きましたが、気になる外傷や発赤等も見当たりませんでした」

※現場だけの判断で大丈夫でしたと安易に伝えず、必ず医療専門職が確認した事を伝えます。「看護師さんに見てもらった」と聞く事で安心されるご家族も多いです。

6・その後のご本人の様子を伝える

「ご本人から痛みの訴えはなく、普段と変わらず歩けており、そのまま歩いて食堂まで向かわれました。お昼ご飯も全量召し上がっておられました。」

※事故の内容だけでなく事故後のご本人の様子はご家族の知りたい事なので必ずお伝えします。

7・今後の事を伝える

「とりあえずはこのまま経過を見て参ります。また何ありましたらご連絡させて頂きます」
「今後このようなことのないよう、関係者で話し合って、早期に対策を検討いたします」

8・謝罪

「ご心配おかけして申し訳ありませんでした…」

※明らかにこちらの落ち度で起きた事故の場合は「本当に申し訳ありませんでした…」と謝るのですが、そうでない場合は「ご心配をおかけした」事を謝るようにしています。

※相手が忙しくて先を急いでいる雰囲気の時はこちらもつい早口になり「また何かありましたらご連絡いたしますので、ご心配おかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」のように一気に流して言っている事もあります。しゃーない。

3.まとめ

ご家族のキャラクターや返事によってこちらも言葉を変えつつお伝えしています。
流れとしては
①挨拶②要件③事故の程度を伝える④事故の経緯を説明⑤看護師所見⑥ご本人の様子⑦今後(対策を皆で話し合って検討)⑧謝罪

ですが、以前Twitterで「謝罪の順番教えて(´・ω・`)」と問いかけたところ

①謝罪②要件③事故の説明④現在の様子⑤今後
と仰っていた方もおられました。

こういうのって皆さん職に就いた時に先輩から口伝えで習ったり経験しながら自分なりのマニュアルを作って乗り切っているのですかね。
施設ごとになにかマニュアルないのかな。
とりあえず私の作ったマニュアルはここに置いておきます。
以上。


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