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話題沸騰中のドラマ「地面師たち」を観た感想


※まだ観ていない方でも下のキャラ相関図だけ把握していれば楽しめる感想文となっています。
(まだ観ていない人がこれから見れるように書いたつもりです…!)

※100%完全なネタバレを防ぎたい場合は読むのをおすすめしません。

Netflixシリーズ「地面師たち」人物相関図


「地面師」というワードを、詐欺凸系YouTubeのサムネイルなどで近頃よく見かけるようになった。

おそらく詐欺師とかそういった類の語彙なんだろうと思っていたら、どうやらその手のドラマが流行っているらしい。

ネトフリで鑑賞できるとのことでとりあえず1話だけ観てみよう、
と思ったら丸一日で見切ってしまったという誤算。。。サスペンスというか、この類の作品はほとんど見たことないし、興味もなかったはずなのだが…
そしてもちろん今日の予定は丸潰れである。しかし後悔はしていない。…台風も来てるし!気圧低くてやる気出ないし!いいよね\(^o^)/


1話約1時間、7話で完結。
もう少し話数あってもよかったなという後ろ髪引かれる思いも残しつつ、しっかり満足感のあるいい長さ。これくらいがベストな気がする。

人がやたら死ぬ上に死に方もかなりグロテスクなので、寝る前に見るとよくないかもしれない…。アダルトな描写も多く、年齢制限が必要な大人な作品だった。地上波ではまず放送できない。ネトフリだからできることである。

グロいものが苦手な私にとっては思わず目をつぶってしまうようなシーンもあったが、登場人物同士の人間関係や人物像を深く考えさせられるところが多く、アダルト要素を差し引いてもおもしろいと思える作品だった。

簡単に言うと【土地売買の詐欺師グループの物語】である。この詐欺を図る人たちを『地面師』と呼ぶ。

土地売買には大きな金額が動く。
身分証などの法律に基づいた個人情報書類も多く必要であり、それらを偽造して詐欺を行う。
とんでもない技術力を用いた詐欺である。

その詐欺実行における、はたして成功するのだろうかというハラハラ感。その彼らを追う警察側。事件に関わったものたちが次々と謎の死を遂げていく。首謀者のハリソン山中は人を殺すことに一切抵抗のない人物であった。

簡単に人を殺す人はどういう感覚で生きているのだろうか。通常、人は幼少期からの教育の中で「人にされて嫌なことは人にしない」という道徳観を理解していく。その「人にされたくないこと」の最上級は、命を脅かされることである。
というか、「死にたくない」というその感覚だけで言うと、それは教育云々ではなくて生き物としての本能である。誰も死にたいとは思っていないし、そう願っていても実際には直前で恐怖が心を支配するだろう。

しかしそれでもたまにバグってる奴がいて、平気で人殺しをすることがあるわけだ。彼らは自分が同じ目に遭うことへの想像力が欠けているのではないだろうか。それとも死ぬことへの恐怖心を人より持っていないのだろうか。
だからそういう人たちへの抑止力として、それを犯罪とし、法律で人を裁けるようになっているのだ。

平気で人を殺すことをゲームのように楽しむ。
倫理観バグってる上に、自分のいのちをかえりみてなくて、法で裁かれることを懸念していないということだろうか…?

なんていうか、、、まじでパンピーの私には本当に理解ができない人間すぎる。

物語の中で地面師グループに騙されるターゲットとなった石洋ハウスという会社の中の人間関係が非常に興味深かった。

ちなみにこのドラマは実話を元にしているらしい。私も今回調べるまで知らなかったのだが、過去に積水ハウスが地面師詐欺で55億円の被害に遭ったことがあるらしく、それを元に制作したのが今作品だという。

なるほど…石洋ハウス…
通りで既視感があると思えば…。

さて、石洋ハウスでは70億規模の新しい土地開発プロジェクトを進めていたが、土地購入直前に売り主側の問題で購入できなかったというところから物語は進む。

このプロジェクトを最前線で進めていた青柳という人物はこれにより上から責められ、切羽詰まることになる。
これを実現できなければ前から決まりそうだった昇進の話もなくなるだろう。

懸念した青柳は血眼になって代わりの土地を探す。なんでもいい。とにかく一刻も早く代わりになる土地を。そして青柳はしっかりと情報元を確認せずに土地の契約を進めていく。

こうして青柳のせいで石洋ハウスは騙されることになるのだが、そんな青柳の判断を最後までずっと反対していたのが同僚の須永である。

青柳と須永はいわば犬猿の仲といったところで、
お互いに目の上のたんこぶのような、ライバル同士である。

青柳はおそらくMBTIでいうとENTPあたりだろうか。須永はENTJかESTJかどちらかだろうか。

両者の共通点は、上昇志向があるところである。

しかし、社内のコンプライアンスを大きく外れ、周りの情報や人材までも自己実現のためにフル活用する青柳と、
あくまでも社内ルールや常識に則った上でしっかりした基盤の上に実績を積み上げて地位を獲得してきた須永。両者はかなり異なると言える。

両者とも仕事熱心で出世しやすいが、ENTPタイプの青柳は、普通の人が思いつかない思い切った発想で出世するタイプであり、EXTJタイプの須永は、コツコツと確実に昇進していくタイプだ。

青柳は自分より出世している須永に嫉妬して仕方なかったが、須永からすれば青柳が出世できないのは当然だという風に思うだろう。だから須永は青柳をずっとあしらってきた。
「おまえはいつもそんないい加減だから出世できないのだ」と言わんばかりである。

ある種この態度は青柳への牽制でもあるだろう。常識を重視する須永にとって、青柳の存在は会社の将来を脅かす存在であるからだ。須永にとっては青柳の出世どうこうよりも、会社にとってよくないかもしれない行動をされる方が許せないのだ。

しかし青柳からすれば須永の存在は「いつも俺の邪魔ばかりしてくるおもしろくない奴」である。
青柳は何よりも自分の出世を優先事項としているため、彼は須永ももちろんその価値観で生きていると思っているし、【須永がしつこく俺の計画を止めようとしてくるとは、自分に成功してほしくないからに違いない】と思うのだ。

現実世界でもこういったことはよくあることだと思う。
相手に対して何か思うところがあるとき、相手の言動の意図は、こちらが捉えているものとその真実に大きな乖離がある場合があるのではないだろうか。


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