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ゲームにおける没入感と臨場感②

 前回、没入感は自分の感情に起因して得るものだと書きました。今回は自分の感情がどのような場合に動きやすいか、また動きやすい状態になるのかを考えてみようと思います。


前回の記事はこちら↓



はじめに

感情の動きを作用するものは次に掲げる3+1の4つの要素です。

①~③はゲームの設定や演出によるもの、④はゲームデザインによるものです。④は特殊のなので+1にしました。

近年ではスタッフロールなどを眺めていると「ナラティブプランナー」や「ナラティブデザイナー」みたいな部門があったりするので、全体の流れとして没入感やゲーム体験の向上をより具体的に研究して取り入れてるのだろうなと思う。

ではそれぞれ見ていきたいと思います。



①作中の人物に共感できるか


 単純に主人公の感情が行動が理解できないと厳しいですよねということです。それを逆手に取る演出もありますが例外なので触れません。

激しい感情ほど分かりやすいのでそれが使われることが多い印象。特に怒りとか。プレイヤーが好きになったであろうキャラや主人公の近親者を殺害したりが簡単な手法ですね。

逆に繊細な感情の場合は一撃というより、描写の積み重ねになるので遅効性で気付いたら共感が多いと思います。欠点は描写に気付かないプレイヤーが出やすいこと。


②世界観を納得して受け入れられるか

 理由なく荒廃していたり特殊な怪物いるよりは、その理由や原因があった方がいいというだけの話です。何故、どうしての回答が得られる世界観かどうかということです。

 ファンタジー系であればその世界の信仰であったり価値観にその基となる歴史や伝説があるか。歴史物のフィクションであればフィクション部分が許容される下地となる設定がちゃんとあるかといった感じです。

説明が少なくとも矛盾した描写がなかったり、ある程度の共通認識があるテンプレ世界観では問題になりにくい。変に凝った設定だと顕在しやすいとも言える。

気にならない人は全く気にならないポイントでもあり、所謂バカゲーなどは該当しなかったりします。


③ゲーム内でのリアリティが担保されているか

 ゲームとしての制限は別としてゲーム内の設定は無視して欲しくないという意味です。見えない壁や無敵時間などのゲームを成立させるためのリアリティの無視は前者なので対象外。

「世界で最も高価」とテキストありつつ買い取りクソ安いとか。特殊な力がないと行けない設定のマップに一般人がいるとちょっと疑問がわいて興が削がれますよね。

ムービーだけ身体能力超人とか始めて会う敵の弱点を味方が知っていたりは微妙なラインだけどギリアウト。



④上記の3つを無視できるほど熱中できるシステムや要素があるか


 各種考察であったり、タイムアタックや縛りプレイです。とにかく個人的にぶっ刺さる何かと言っても良いです。アクションゲームやシュミレーションゲームに多いです。

ストーリー矛盾だらけだが戦闘は最高などです。ストーリー薄味でシステム面に全振りのゲームなどです。

 スキル構成や効率計算、ストーリーに関する考察など実際にゲームをプレイしていない時間にも影響しやすい。ゲームしてないけどゲームのことを考えている状態になるのもここに該当します



まとめ

 通常はこの4つの要素の内、①から③を満たした場合に感情が動き没入感を得やすいと考えています。④は単独でたり得る場合が多いです。

この4つの要素は「プレイヤーの意識をゲーム向けさせる為の手段」であるという共通点があります。つまり、前回の記事を踏まえると「プレイヤーが没入感を抱くにはゲームに意識を集中している必要がある」とも言い換えることが出来ます。

 では、意識の集中がどのように上記の4要素に影響して没入感に至るか……なんですが、なんだか長くなったので別の記事にします。

前回の記事でも書きましたが「私個人の考えであり感じ方」なので万人がそうであるわけではありません

次回「タイトル未定」

続き記事のリンク


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