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ゲームにおける没入感と臨場感③

予想外に長くなり第三弾です。今までと変わらず私個人の考えであり、予想ですので「そんな考え方もあるんだなぁ」程度で流してください。

最初に言っておきますが今回の記事はなかなか散らかった内容になってます。文章力と構成力が足りないよw

前回までの記事


▼没入感を得るための前提とは

 結論から言うと前回の最後にも述べた「ゲームに意識を集中しているか」だと思います。「意識を集中」をさらに具体的にすると「いかにプレイヤーの脳のリソースを割かせるか」となります。

ゲームに関係するのは感情、思考、五感(嗅覚、味覚は除く)あたりになると思うので、ここら辺のリソースを現実よりゲームに向けている間は没入感を得やすい状態だと考えることが出来ます。

 では次はゲームでの様々な演出やシステムがどのように意識を集中させるためのリソース消費に関係して、プレイヤーを没入感へ誘導しているか5個に絞って自分なりに説明してみたいと思います。

記憶に紐付けた感情の誘導


①QTEとの関係

 通常のプレイ中は操作を通して、カットシーン(イベントシーン)では物語の進行を通してプレイヤーの意識を画面へと繋ぎ留めます。

後者の方がコントローラーの操作が少ない分、割くリソースは少なくなるので「新たな展開」「興味を引く演出」といった視覚と思考によりリソースを使わせる

 それでも操作している時間に比べると劣りがちなので意識を切らさないためにQTEなどが採用されるのではないか。QTEにより「ムービーであっても手が離せない」「常に何かが起きるかも」と思わせることで強制的にゲームに向き合わせる。ムービー中であってもキャラを操作していると思わせて、通常のプレイと地続きだと思わせるのも目的だと思います。

ただし、大概はうまく機能してないことが多いように感じます。

うまく機能していない場合は、QTEの成否がゲーム進行に直結していてその成功に対して意識が向きすぎて、肝心の物語や演出に集中できないパターン。通常のゲームプレイとのボタン対応が解離(ゲーム中は×ボタンがジャンプなのにQTEは◯ボタンなど)している、若しくは成功に対して物語の進行が著しく少ないパターン。

 ノベルゲームやアドベンチャーなど、そもそも操作が少ないものは上記の差は発生しない。常に視覚と感情及び思考にリソースを割かせるように設計されているからですね。

時間制限による焦りでもリソースを奪う


②ロード時間との関係

 次に問題となるのがプレイ中に発生する「ロード時間」です。ゲームが出来ない時間なので「夜はなに食べよっかな」みたいな別の事を考えたりしちゃう訳です。ゲーム体験のテンポを損なう原因なので可能な限り少ない方が良い。

その解決策としてロード画面でのミニゲームやTips表示などゲームに対する意識がゼロにならない工夫がされていたりします。初代バイオハザードの扉の演出も有名ですね。

 「じゃあロード無くせば良いじゃん」と力業で解決したのが「GoD of War」などです。DEAD SPACE(リメイクじゃないほう)もロードが終わったら自動ドアが開く形で工夫していました。最近ではファストトラベル以外ではロードがないゲーム増えてきて嬉しい限りです。


とにかく、ゲーム中におけるゲーム以外の事を考えてしまえるような「隙」が生じてしまうのがロード時間なのです

 ではロード画面のような非プレイ時間の発生が悪かというとそうではなく、感情や思考の整理の為の「間」として機能する場合もあるので全てが悪というわけではないのでご注意を。

衝撃の後の余韻で追い討ち


③画面情報との関係

 人間は外部からの情報の大部分を視覚に頼っています。先にあげた2つも視覚に関するものですが、こちらは演出としてではなく画面に映る映像に関してと思ってください。

a.光の表現

 大半のゲームはビジュアルに力を入れていますが視覚からの情報が重要だからです。最近の「HDR」もその流れですね。ゲームの輝度表現をより現実に近づけたり、より幻想的な画作りが出きるように成りました。より光の反射を現実に近くシミュレートする「レイトレーシング」もそうです。ゲームと現実の差を少なくすることで自然とゲームに意識を移行するための工夫であると同時に、より現実離れした表現をして世界観に引き込む為の工夫だと思います。

アニメ調であっても反射はないよりあった方が良いし影も不自然さが少ない方がいい。フィクションだからこそリアルな部分があることでよりフィクション部分が際立ちます。色彩の豊かさにも必要な項目なのでグラフィックの種類に関わらず関係する部分でもあると思います

画面に映ってない部分も反射

b.HUD(ヘッドアップディスプレイ)

 HUD関してもここに該当します。出来るだけHUDを目立たないようにして画面に集中させようとしたり、デザインを凝らして常に見えていても雰囲気を邪魔しないようしたり様々です。逆に世界観より操作や効率に集中してほしい場合には見易さ重視だったり、文字や数字をバンバン表示したりします。どういう手段でプレイヤーを引き込むかに一番影響される部分でもある

フォントも大事ですね

c.フレームレート

人間の目と脳のでのフレームレートは千や万ではきかないくらい高いそうなので、フレームレートは高ければ高いほど普段見えてる世界に近くなります。しかし、高ければ高いほど良いかと言えばそうじゃなかったりします

あえて30hzや24hzのゲームも存在します。ゲーム画面を映画やドラマ、アニメっぽく「魅せたい」場合ですね。シネマスコープ(上下の黒帯)もそういった意図があります。カットシーンだけシネスコになる演出も「ここはドラマ=観る部分」という意味で使われていると思います。

アニメといえば24hz

 まとめると画面情報に関しては「プレイヤーにどういう方向性で意識を映像に向けて欲しいのか」となります

しかし、いくら理由や意図があってもプレイヤーが求めている体験と一致しないことも多く、批判の対象になりやすかったりします。


④音との関係

 聴覚は視覚には及ばないものの重要な外部情報の取り込み感覚です。音はBGMによる感情への働きかけ、シーンの非言語による説明そして環境音やSEによるキャラの居る場所と位置を教えてくれます。

従来のサラウンドから3Dオーディオに進化してより表現の幅が広がってきて居る気がします。

 画面外の情報をプレイヤーに提供できる数少ない方法で、これによって「画面に映っていない部分にも世界がある」と思わせる。視覚情報の補足としても機能して表示人数は少ないけど雑踏や喧騒を感じさせる環境音を流すと「沢山の人が居る」ように感じさせます。

 こういった「~っぽい音」の積み重ねで実際の画面ではそうでないのにそう思わせることでその場に居るような感覚を補強する。逆に突っ込みどころになりやすい部分でもあるので悪くみようとすると幾らでも悪く言える部分でもあります。

音に関しては特に「っぽさ」が重要視されていると思います。実際の音を収録するより人工的に作った音にしてる部分が多いです。実際に物を斬ってる音より「スパン」「ザシュ」のようなあからさまの音の方が「斬ってる感」ありますよね。

いくらリアルな音でもプレイヤーに伝わらなければ意味がありません。そしていくら映像がリアルでも音が違えば齟齬が出る。

ゲーム内容に合わせてリアルと人工音の使い分けでバランスを取って、プレイヤーが一番その世界にいるっぽい音を作ってくれているのです。

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⑤振動との関係

 視覚、聴覚ときて次は触覚です。別の記事で熱く語ってるので短めに。

SwitchのHD振動そしてPS5のハプティックフィードバックと順当に進化している部分。プレイヤーはコントローラーという入力機器を通じてゲームと繋がっています。なのでなんやかんやで超重要ポイントなのです。

 振動で情報を的確に伝えることにより画面情報を減らしたり、音との相乗効果によりよりゲームへの没入を促すことが出来ます。

指先は人間の感覚受容器官として優れている部位でもあるので、振動を極めればゲーム世界を感じることが出来る……はず。

傘を握っている感覚に陥る


▼プレイヤーとしての姿勢も大事


 色々と書いてきましたが、大切なことは「ゲームを楽しもうという気持ち」と「ゲーム文脈への理解」だと思います

 叩いてやろう、粗探ししてやろうという気持ちで遊ばないということです。レビュー目的でゲームをするのと楽しむことを目的にゲームをするのは全く違うので入り口を間違えると大変なことになります。しっかり遊んだ上で見つけた粗や批判を否定するものではありません。

 後者はやや面倒くさいのですが簡単に言えば「ゲーム脳」です。ある程度はゲームだからと受け入れる必要があるということです。モンスター倒したらお金落ちることやインベントリに大量アイテムにいちいち文句をつけていたらキリがない。もちろんゲーム的な制約にしっかりと理由があるものもありますが、無い場合でも多少は目を瞑ることも必要です。


それを考慮した上で疑問や矛盾を挙げるべき。ギャグやネタではなく真面目に突っ込んでる人がたまに居ますが……

生魚をカバンに入れる図


▼まとめ

 以上が私が考える没入感についてです。「意識の集中」については結構いい線いってるのではないかなと思う反面、音や振動辺り関しては全く該当しない人とか居そう。

感性は個人で異なるものなのでこうして文章や言葉にすることで「自分の楽しいと感じるポイント」を共有できたら良いなと思います。


皆さんも「なぜ楽しい」のさらに根本の理由を考えてみるとよりゲームを満喫できると思います。

キャラが可愛いから楽しいもアリ



▼最後に

 自分がどう感じるかの説明なので科学的なソースや理論があるわけでもなく、「俺はこういう理由で没入感を感じて、こういう時に没入感って言葉で表現する」という内容です。

 簡単な気持ちで始めた「自分の感想の根拠となる考え方の言語化」でしたが全然簡単じゃなかった。しかしながら自分の中のフワッとしか判断基準をある程度明確に出来たのは良かった。

人間、思考の基準や価値観は意外と変わるもんだし感情的に判断するときも当然ある。自分の考えを文章として現実に楔を打つことで、より鮮明に都度ごとに矛盾ない感想を持つことが出来ると思う


ここまで含めて「単なる私の考え」だし、ここまで書いたこと全部無視して「お気持ち100%」の感情論で感想書くこともあると思います。


だって楽だしスッキリするじゃん「お気持ち100%」って


でも感情論は結論ありきで理論や過程が破綻するので、ネタ意外は出きる限り少ないくしたいと思ってます。


《感情論の例》

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