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今の時代ならではの歴史の学び方

こんにちは!

先日、農民的メンタリティと長時間労働には関連があるんじゃないか? って仮説を書きました。

そしたら、杉原健さんが、記事を引用しつつ、実は「日本は農業社会だった」という説そのものが違うのでは? と教えてくれました。

私たちは教科書で「日本人の多くは農民だった」と習っており、その前提で私も議論してます。

しかし、その前提が違ったとしたら?

学校では、日本は農業国家だった、という風に教わりました。今の学校がどんな風に教えているのかはわからないのですが、僕の時代はそんなふうに習ったし、実際に江戸時代は実に8割以上の日本人が士農工商の「農」の身分だったといいます。
僕はここに一つの落とし穴があると思っています。というのも、少し考えてみればわかるけど、当時の日本人の8割が農業「だけ」をやっていたわけなんかない、と思うからです。
どう控えめに考えても、その8割のうちのいくばくかが「兼業農家」だったと考えるほうが自然です。そして、そんな事を考えて日本の歴史を紐解いていった偉大な学者がいます。網野善彦です。

最近、教科書で習った歴史が「実は違ってた」ってことが多かったのですが、まさかここも異論があったとは知らなかったです。

答えがない時代の学び方

そんなわけで、紹介している歴史学者の網野善彦さんの本、早速読み始めたのですが、「百姓は農民か」という項目で、詳しく説明してました。網野さんがここに気づいたのも最近だそう。どうやら中国の漢字でも「百姓」に農民の意味はなく、日本の多くの教科書や学者が誤解したままになっている可能性があるとのことです。

「お百姓さん」といえば農民に決まっているじゃないかという理解は日本人に広くゆきわたっており、このグラフ(編集注・「詳説日本史」など教科書のこと)の作成者もその常識に基づいてこれをつくっているのです。しかし、本当に百姓は農民と同じ意味なのか、本来「百姓」という言葉には「農」の意味はないのではないかと問いなおしてみますと、こうした常識が意外に根拠のないことがわかってきます。
(中略)
これまでの歴史研究者は百姓を農民と思い込んで史料を読んでいましたので、歴史家が世の中に提供していた歴史像が、非常にゆがんだものになってしまっていたことは、疑いありません。

この本には、女性の権利についても、常識を覆すような発見を書かれています。こうして歴史家がいろんな事実を照らし合わせ、議論しつつ、史実も日進月歩で変わっていく。

学び直しはこんなところでも必要だったんだなー。
今のアクティブ・ラーニングっぽい学び方じゃないかと思います。

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