東京は「ポスト香港」になれるのか
香港が相変わらず揺れています。
低迷する経済や治安悪化に対し、香港を脱出する人が出てきました。
「ポスト香港はどこか」などと、気のはやい記事も現れ始めました。
今日は、マレーシア華人と話して見えてくる香港、そして忘れられた都市・東京のお話です。
ちょっと取り留めなく長いので、お時間のあるときにどうぞ。
ーーー
国境を跨いで緩く繋がる華人ネットワーク
アジアには、どうやら国とは別に、中華圏のゆるい連帯というのがあります。
クアラルンプールの紀伊国屋書店には、海外からの華人もたくさんくるそうです。ブックフェアには、台湾、中国、香港、マレーシアの書籍コーナーがあり、彼らのトークショーもありました。自国では得られない情報を求めて、わざわざの同じ中華圏の別の国の本を買うのです。
マレーシアには、家族の誰かが香港在住という人も多いです。友人は息子を香港に留学させ、彼は今でも香港にいます。
かつて「砂糖王」とよばれ、シャングリラ・ホテルを作ったロバート・クォックはマレーシアから香港に移住しました。
マレーシアに移住する香港人たち
最近、クアラルンプールにあるビザのエージェントでは、多いときで香港から一日200件もの問い合わせがあったそうです。マレーシアには一定のお金を持つ人に最長10年のビザを与える制度があります。移住先を求めてマレーシアに不動産やビザを探している人が増えています。
特に人気なのが、マレーシアのペナンです。
ペナンは多数派のマレー人ではなく、華人が中心の州で、中国語もよく通じます。
香港の英語新聞「South China Morning Post」に、「香港の不動産購入者たちは、マレーシアのペナンに恋している」という記事がありました。
ペナン人気の理由は、「不動産価格の安さ、香港からのアクセスの良さ(毎日直航便が飛んでいる)、さらに香港の有名人が移住していること」です。
騒乱の前から、ペナンは香港の人の移住先として人気だったそう。「過去5年に、リタイアした銀行家やセミリタイアのプロフェッショナルなど、かなりの数の人がすでにペナンに移住している」と。それが多少加速している。
ここから先は
これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。