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続・GACKTさんの「日本は狂ってますよ」発言に思うこと

こんにちは。

昨日の続きです。
GACKTさんが、日本のCovid-19対応について「狂ってますよ」「危機感がない」と言って話題になったようです。

最後に出演者のかたが仰ってた疑問。

「この(補償額の)額の小ささでマレーシアに混乱が起きていないと言うのは、それ以外の何かがあるんじゃないですか」

この「何か」一言で説明するのは難しいですが、私なりに解説を加えてみます。

1 命>経済 の優先順位付け

1つは、命>経済 がはっきりしてること。

日本では「お金がないと自殺が増える!」って言います。
「経済破綻で自殺が増える」という話、マレーシアではあんまり聞きません。

マレーシアでは、お金と幸せを結び付けない人が多いです。先日の新聞 The Starには「マレーシア人の7割が幸福を感じていて、大事なのは家族や意味のある人間関係だと思っている」って記事がありました。

家族や宗教を大事にする人が多く、セーフティーネットにもなってる。うちのメイドさんもお金がないから家族で助け合って暮らしてます。

家族が何よりも大事で大好きな方が多い(だから都会で働く独身者が帰省してしまった原因にもなった気がするけど)。遅くまで飲み歩く文化もなく、夕食は家族と食べるのが普通。

だからこそ、マハティール前首相が「Covid-19以前の世界はもう終わった。今は、質素なライフスタイルに備えよ」と言っても、炎上もせず受け入れられるのでは。

以前経済破綻したスペインでも、別に自殺は増えてないっぽい。
世界には、そういう国もあるのかも。

スペインの失業率は非常に高く、2ケタは普通だ。それでも国民は、明るい太陽を浴びながら談笑したり、寝転んだりしている。
しかし日本は違う。失業のダメージは大きく、「失業=人生終了」という深刻さで考えられている。職を失っても命まで取られることはないのだが、思いつめて自ら命を断ってしまう人もいる。

2 国民性が違う

もう1つはマレーシアと日本の国民性の違い。
ステレオタイプで断じるのは危険だけど、この方達は大体変化に強い。

いつもはダラダラしてるように見える。余計なことは断固やらない。
けど、本気出すときは出す。そして決断も行動もずば抜けて早いです。

2年前の政権交代のとき。消費税は選挙後のわずか1ヶ月に実質廃止。なのに、政府も国民もパニックしないので驚きました。

国民の側もそうで、いざとなれば、転職。新しいビジネスを始めてみる。
そんな風景を、何度も仕事の現場で見てきました。

普段から8割くらいの力で働いてる人も多く、嫌なことはやらない。
また、社会や他人への恨みがたまってないから、いざという時、協力できる。無差別殺人とか、無敵のひととか、あんまりいない気がする。

3 人々の政治意識が高い

3つ目は、政治に対する意識が高いことです。日本だと政治=怒りって捉えてる人もいるけど、こちらの人は怒りを行動(投票)に変える。だから投票率7割前後と高いです。

国民の政治に対する意識の高さは、みんな2年前でよく覚えてると思う。
みんなが政治を自分ごとと感じたら、下手なことはできないです。

例えば、マレーシア政府が自宅での過ごし方についてした発言は、しっかり炎上。撤回してます。

政治にさほど期待していない。けど、みんなみてるところは見てる。

4 仕組み自体が違う

4つ目は、GACKTさんの指摘通り、そもそも国の仕組み自体が違う。

日本を見てると、縦割り行政で、さらに「都と国」「市町村と都」「省庁同士」が争っててぐちゃぐちゃ。マレーシアはもっとシンプル。

日本は国の規模も大きく複雑です。例えば経産省の「Go to travel」とか農水省の「和牛」とか批判されるけど、省庁ごとに予算が振り分けられるからしょうがないんでは。経産省は経済のことに予算を使うしかない。

リーダーが優れてる? 

マレーシアはリーダーが優れてるからでしょ? って思うかもしれません。
しかしその反対で、マレーシアでは、この騒ぎの途中に政権交代があったんです。

民衆の支持を得たとは言い切れない新政権ですから、信用してない人もまだ多いと思う。
けど、みてる限り、今回の件については、私の周囲のマレーシア人は少なくとも信頼しつつある(不本意な人もいるだろうけど)。

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