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新しい時代の先生に求められること

こんにちは。
「自宅学習でもういいんじゃない?」って気付いてしまった人、結構いるみたいです。

Twitterでこんな意見が流れてきました。


パラダイムシフト、起きてますね。

長男は中1のとき「学校での一斉授業は非効率だ」と言い出し、以来、ホームスクールで学習しています。「自習せよ」「それぞれのやり方で学べ」というスタイル。YoutubeやKhan Academyで勝手に学ぶ生活を続けてきました。先生の役割は基本コーチング。「こんな教材があるよ」「もう少し、ここを深く学習したら」みたいな感じで声かけてくれる。

今日は、新しい時代の教育、先生の役割について書いてみます。

オンライン教育時代に必要になる「二種類の先生」

オンライン教育では、「教える」から「コーチする」のパラダイム・シフトが起きるかもです。オンラインになると、「一方的に教える」先生は淘汰されてしまうかもしれません。

なんでかっていうと、動画で「教える」先生、たくさんはいらないのです。
タイなどでは、オンライン教育の代わりに学校の代わりに、テレビで授業をやってるらしい。

日本も教育テレビが始めるかもしれませんね。そしたら「たった一人の先生」が数十万に教えることになる。

「これで十分」って子も、「この先生の教え方は嫌だ」って子供が出てくるかもしれません。「教える」ことが上手い人はYouTubeにも登場するでしょう。好きな先生を選ぶ時代になるかも。文字からの入力が得意な子は、書籍で自習してしまうかも。

こうして、学習が「学び」に変化し、それぞれの子供が自分にあったやり方で学べるかも。

話を戻すと、オンライン授業ができる先生の役割は、

すごく上手に喋れる人

になっていく。DJとかユーチューバーに近い役割です。

以下は私が世界で最高の先生の一人と思う、vSauseのマイケルさん。
こんな感じの先生がYoutubeにはたくさんいます。

マイケルは有名なエデュケーターですが、数千万回も再生されてて、まさに世界のスーパースター先生の一人です。もう教員免許もいらなくなるのかも。


しかし授業の役割は、「先生が一方的に喋る」だけじゃない。
これだと、残りの「生徒の疑問に答える」「生徒とのインタラクティブにコミュニケーションする」「雑談する」という部分が足りないんです。

そこで、第二の先生の出番が来ると私は思う。

生徒の側には一時間の授業を黙って聞いてられない人、モチベーションが続かない人がたくさん出てきます。40人のオンライン授業でも同じ。完全に興味を失う人、教室の授業より、多く出ると思う。

そういう一人ひとりのモチベーションを管理したり、「こっちの教材やってみる?」「知られてないけど、面白い議論があるんだよ」などとコーチする役割の人は、やっぱり必要。やる気の出ない子供を導ける人、子供の個性を見つけられる人、なんとなく、全体を知ってる人。

つまり新しい時代の先生には、

少数のうまく授業できる先生
大量のコーチングができる先生

の両方が必要になるんじゃないかな。

息子のスクールが5年前からこのスタイル。社長が作ったビデオを教材にして、たくさんの(いろんなレベルの)トレーナーが、質問に答えたり、Youtube上の別の教材を教えてくれたり、進む先を紹介してくれたりする。

しかし問題もある。このシステムを理解してないと「誰も何も教えてくれない!」とがっかりしてしまうし、そもそもやる気がない人には向かない。だから、従来のような「学校スタイル」も、そのやり方が良いという人のために残ると思う。

新しい時代の先生

文部科学省なんかは、だいぶ前に「先生の役割はコーチになる」と言ってました。

以下は、文部科学省大臣官房国際課・国際協力企画室長だった松木秀彰さんへの2013年ごろのインタビュー。少し長いけど引用します。

「知識を詰め込む学習ではない”探究型の学び”は、先生がたった1つの答えしかない問題を一方的に提示するものではなく、自分で考えて答えを出す生徒をサポートする形で実現します。(中略)「数学は創造か、発見か」、「歴史に置いて事実とは何か」、「人文社会系は学問と呼べるのか」、「美は主観的なものか、それとも客観的なものか」など、生徒たちが取り組むテーマの答えは、たった1つではありません。それに対して、先生は「主張に対する論拠が足りない」や「議論が矛盾している」と言う予言をしますが、「答えは〇〇です」とは言いません。それが、TOKと言う授業の進め方で、まさに課題探求型の学習であると考えています。
先生が「teacher(教師)」ではなく「facilitator(促進者)」の役割を担うことで、子供たちの課題解決能力を育成しようとする。そうした観点でも、IPは非常に優れたプログラムだと思います。長い年月をかけて実績を積み重ねてきたIBの力を借りることで、日本の教育変革もスムーズに進むのではないかと考えています。」(出典:「世界一の扉を開く”考える人”の育て方国際バカロレア(IB)教育が与えるインパクト」大前研一)

解説すると、TOKというのは、インターナショナル・バカロレア(IB)の教育の方式の一つ。IBは、非常に細々と日本に定着しつつありますが、まだまだ、ごく一部の人のもので、文科省の当時の理想にはなってません。

興味ある人は、全インタビューを読んでみてください。ただ、かなり古く本というより、メールマガジンをまとめたものでもあります。(Kindle Unlimitedだと無料で読めるので、会員の方はぜひ)

英語ができれば、国境を超えて教育を受けるチャンスでもある。私が紹介した以上のことを、思いついて実行してしまう人もいるかもしれません。

オンラインで教育せざるを得ないこの時代が、新しい教育に結びつくといいなと思います。

それではまた。
明日の更新をお楽しみに。

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