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なぜ日本人は海外旅行に行かなくなったのか

ちょっと前のニュースです。CNNが海外旅行に行かなくなった日本人について取り上げていました。

 進んで海外旅行に行きたいとは思わない日本人が、驚くほど増えている。米調査会社モーニング・コンサルトが昨年実施した調査によると、再度の旅行は気が進まないという日本人は35%に上り、どの国よりも多かった。

他の国では、どちらかというと、旅行熱が爆発している感じがあります。

マレーシアでは3年ぶりに行われた有料の旅行フェア「マッタフェア」では、入場者数の最高記録を更新し、2019年9月で10万1789人だったのが、今年は18万人になったと聞いたばかり。まあマレーシアは日本に比べて小さい国なので、気軽に海外旅行に出かけるのは当然だ、と言われる気持ちもわかるのですが……。

国際観光振興機構の最新統計によると、2022年の日本人海外旅行者数は、19年の2000万人に比べて86.2%減の約270万人となった。
かつて安いからというだけで出かけていた人や、特に旅行好きではなかった人たちが今、旅行に出かけなくなったと鳥海氏は話している。

円安やコロナも理由にあるでしょうが(2022年の旅行はけっこう面倒くさかったので!)、この原因は、まあ普通に高齢化ではないかと思います。体の衰えや好奇心の欠如、そしてリスク回避の意識が強まっているのでは? そしてその高齢者たちのマインドに、若者を含めた国全体が支配されている気がします。

ジャーナリストの一色清さんは、円安や燃料サーチャージの高騰に加えて、意識の変化を上げています。

こうした理由に加えて、そもそも日本人の意識が内向きになっているのではないかという心配もあります。島国の日本ではもともと海外の国や地域に比べて出国率(人口当たりの年間出国者数)が低い傾向にあります。日本旅行業協会(JATA)によると、19年の日本の出国率は15.3%ですが、この数字は欧米の国々だけでなく、韓国や台湾などに比べても低い数字になっています。

私も日本でニュースを見ていて、「国内のことが中心でなんだか新聞の地方版みたいだ」と思いました。

70年代、80年代にはテレビでもレギュラー番組で洋楽や洋画を流し、人々は翻訳小説を読み、ドストエフスキーやトルストイが大流行していました。公立中学生には洋画雑誌が流行しており、私も友達の影響で愛読していました。本屋に行くと、平積みの半分くらいは翻訳物だった気がします。

その後、小田実さんの「何でも見てやろう」や沢木耕太郎さんの「深夜特急」がヒットし、バックパッカーが増えたのです。私は頑固で影響を受けなかったのですが……。

しかし、今では、国内に流通しているコンテンツの多くが日本のものです。ニュースも日本のこと、ないしは日本に関係があることが多いです。

かつては世界のどこにでもいたのは日本人でしたが、今はそれが中国人になっているように思います。

友人と話しても、「海外、行きたいけど、お金と時間が……」「やっぱり日本が一番清潔で安心」という声が聞かれます。ぶっちゃけ今でも、日本はそれなりに豊かな国なので、やっぱり年齢的に冒険をしづらくなったのかなーとも思いますね。

また、海外に行くと、スマホがないとかなり不便です。
一時のマレーシアは政府のアプリがないとどこにも入れませんでした(今は撤廃されました)。紙の地図を配っているところを見なくなり、みんなアプリが当たり前という感じです。
この辺については、改めて書こうと思います。

それではまた。

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