見出し画像

子どもが海外に興味を持ちません。どうしたらいいでしょうか、に答えました

最近よく聞くお悩みの1つが、「子どもが海外や英語に全く興味を持たないが、どうしたら興味を持ってもらえるだろうか」です。

「世界のどこでも生きていける人になってほしい」と思っている親御さんが多いようです。

しかし、実は言葉も習慣も違う場所に適応するのは、それまでの常識を一旦捨てたり、場合によっては学び直さねばならないため、面倒臭いことです。誰にとっても基本的には、苦しいことです。

私の感覚では、全員が海外移住に向いているわけではなく、「向いてない人」も明らかに存在します。
「トイレが濡れているのは絶対に嫌」「日本の白いお米がないところでは生きていけない」みたいな人が、英語を必死で学んで、「さあ駐在してください」と言われても苦しいだけです。

今海外に馴染んでいるように見えた人も、必ずと言っていいほど、孤独に耐えて語学学習に苦しんだ時期があるのです。この時期を経ないと、なかなか現地に対応するのは難しいです。

ですから私は基本的に、「楽しめる人が出たらいいのでは」「本人が出たくなるまで放置しては」とお話ししています。

無理やり海外に出た方の中には、苦しい思いをしていたり、親に対して恨んでいる方も少なくないからです。

そうはいっても、自分の子供には世界で生きていけるようになってほしい、と思う方のために、もう少し突っ込んでみます。

人間は基本的に「変わりたくない」生き物である

基本的に、人は変わりたくない生き物ではないでしょうか。
ましてや、「他人を変える」は親子であっても難しいと考えています。

私は95年からインターネットによる社会の変化をみてきましたが、そこには大きな軋轢がいつもいつもありました。電子メールに反対する人々、インターネットに反対する人々、テクノロジーに対しては常に「変わりたくない」勢力があります。

以下は、「嫌われる勇気」の一説です。現状に不満はあるけど、変われないーーと言う大人に対する哲人の言葉です。

少しくらい不便で不自由なところがあっても、いまのライフスタイルのほうが使いやすく、そのまま変えずにいるほうが楽だと思っているのでしょう。もしも「このままのわたし」であり続けていれば、目の前の出来事にどう対処すればいいか、そしてその結果どんなことが起こるのか、経験から推測できます。いわば、乗り慣れた車を運転しているような状態です。多少のガタがきていても、織り込み済みで乗りこなすことができるわけです。

一方、新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分になにが起きるかもわからないし、目の前の出来事にどう対処すればいいかもわかりません。未来が見通しづらくなるし、不安だらけの生を送ることになる。もっと苦しく、もっと不幸な生が待っているのかもしれない。つまり人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

ですから、「変わりたくない」のは当たり前なのです。

私も、あなたもです。自分で「変えたい」と思っていても、そこには障壁が存在するのです。

「変わる」ためには自分をメタ認知する必要がある

ここから先は

1,020字

世界から学びたい人へ。日本でも役立つ教育・語学・社会の最新情報をお届けします。掲示板で他のメンバーと…

世界から学ぶ メンバーシップ

¥1,200 / 月

これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。