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日本にいながらグローバルで活躍するために、どうしたらいいのか

日本に来てみて思うこと。
それは、プログラミングや英語をちょこっと学んだところで、アジアの若者たちに追いつくのは難しいだろうな、ということです。

コロンビア大学で理事に選出された花沢菊香さんのインタビューが興味深かったです。

花沢氏:「グローバルに活躍できる人材を育てる」という目的で英語やプログラミング教育に注力しても、残念ながら世界で勝てる競争力をもてるかは疑問です。私はハーバード大学の入試面接官*をしていますが、中国や韓国、インドなどアジア系の生徒の英語力や理数系のコンテストの成績は、一部の天才を除いては日本人の生徒は正面から競争しても太刀打ちできないのが現実かもしれません。

そもそも現場の先生方自身も経験が浅く、不慣れなことを無理強いしてまで、全国津々浦々の学校で英語やプログラミング分野の教育を徹底させる必要はないのではないでしょうか。

東南アジアで子育てした身からすると、正直、環境の違いが背景にあると思うのですね。日本語だけの世界にいると、この辺が相当にずれてしまいそうです。

「インクルーシブ」や「グローバル化」も言葉だけが一人歩きしていて、まったく違う何か別のものになっています。

環境が違いすぎる

まずは高齢者を中心とした「紙」ベースのシステムです。
本来はIT社会への対応を教えるべき学校ですらプリントが山ほど配られ、「連絡帳」や「親のはんこ」が必要です。
どんどん高齢化が進むので、おそらくこれを今からいじることは不可能でしょう。

大学受験もほぼ昔のままで、紙と郵送ベース。しかし、これが「当たり前だ」と感じてしまったら、世界で進行中の「IT化社会」を実感しにくいです。

マレーシア、カナダ、オーストラリア、オランダの学校関係の申し込みで、ここ数年、紙は1枚も郵送していません。オーストラリアの短期ビザは、スマホからのアプリからに統一されていました。

そもそもないものは見えないんです。一方で、日本ではシェアライドは解禁されていませんし、RedditやDiscordのコミュニティを見ている人も少数です。2009年ごろ、東南アジアで話題だったFacebookがほとんど知られてなかったのと同様です。

そして「ほぼ日本語だけの環境」なので、英語を勉強するモチベーションを保つのは至難の業です。

ところが、今や最新の情報はほぼ英語で共有され、日々更新されています。私のいたプログラミング教室でもしつこく「英語オンリー」と言われましたが、これには理由があるのです。

情報源に直接アクセスできないことは大変不利です。YouTubeにしても、日本語とはだいぶ世界が異なります。英語を話すだけで終わるのではなく、その先の情報に若いうちに辿り着けるか、が重要な気がします。

私も日本にしばらく住んだら、多分まったく見えなくなってしまうことでしょう。それくらい違うのです(だからこそ、観光客は面白いのですが……)。

結局は「変わり者戦略」でコンテンツを売るのが早道となる

本当にグローバル人材になろう、と思う人は、結局「変わり者戦略」というか、「日本人の個性(コンテンツ)で勝負する」のが早道だというわけです。

加藤:では花沢さんは、これから日本がどういった教育に力を入れるべきだとお考えですか。
花沢氏:日本にすでにある、世界をリードする「オンリーワン」のコンテンツを探すこと。その魅力に気付かせる教育です。

これって、以前政府がやっていた「クールジャパン戦略」ですよね……。ただですね、これも自分達だけでやろうとするとズレてしまいます。その難しさを、私はマレーシアの現場で体感してきました。実際にこの伊勢丹の地下でモノを売っていたのですから……。

重要なのは、「いかに日本にいながら、外の人と協力するかを学ぶ教育」ではないかなと思います。

幸い、日本は成長の真っ只中のアジアの端っこにあり、日本に来ているアジアの人々も少なくありません。

彼らとどうコミュニケーションし、人脈を作るかが、一つのポイントになっていくのではないでしょうか。

早い話しが、「外国人の友達ができたら、大事にせよ」ということです。彼らが「外で何が起きているか」を教えてくれる唯一の頼みの綱になるかもしれません。ぶっちゃけ、私がこの30年かけてやってきたことも、それと同じです。

それではまた。

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