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わからないことは「わからない」と認めよう


こんにちは!

新型ウイルスは「わかってない」ものを「わからない」と認めることの大事さを教えてくれているようです。

「孫子の兵法」には「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とあります。
まずは敵と自分を正しく把握しろ、ってことです。

ところが、どうもなかなかこれができません。

ウイルスは危険か危険でないか

初期に多くの人が楽観的でした。WHOは「暖かくなったら自然に治る」と言い、「インフルエンザと同じ。恐れることはない」という論があふれました

一方、初期から中国が「やってきたこと(言ってきたことではない)」を見ていた人々は、この危険性に気がついていたと思います。
中国のことは何も信じられない!という人がバイアスによって見逃したものも大きいでしょう。彼らが経済を止めて払った犠牲に気がついていたら、今の惨状は十分予測できました。

では、初期に中国からの観光客をシャットダウンしていれば防げたかというと、どうもそうでもないらしい。比較的厳しめに対応してきた国々も、苦戦しています。

そして今や世界中のほとんどの国に広がってしまいました。あれだけ猶予があったように見えた米国も、やはり甘くみていたように見えます。

検査は必要か、そうでないか

日本では長らく広範な検査が必要か否かで、医師の間でも議論になってました。私はずっと、日本の数字については、「よくわからない」と思っていました。数字がバラバラでよくわかりません。

米国は、日本のPCR検査の実態に不安があるとして、ついに自国民の帰国を要請したようです。

在日アメリカ大使館は4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、帰国を強く促す文書をホームページ上に掲載した。その中で、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘した。同盟国のアメリカから、日本の検査不足が指摘される形となった。

同盟国からここまで言われ、国は、ようやくPCR検査の実態に乗り出すと言い出しました。

政府は、新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査の必要性について、都道府県で適切に判断されているかどうか調査に乗り出した。

特に東京都は、検査の不透明性がいろいろ言われてましたが、変更するのではないかな(私は初期に書いたように、現場のマンパワー不足が原因じゃないかな、と思ってます)。

だから、今の時点で日本の現状については、何もわからないとしか言いようがないんです。正確な数字がわからないと、有病率も死亡率も出せませんし、各国や各県でバラバラなものを比較することに、大きな意味を感じません。

マスクは必要か。布マスクはどうか

マスクについてもWHOを含め、世界中の指導者の意見が二転三転。
米国やシンガポールは、最近になって「マスクをするように」と言い出しました。

また、日本で話題の布マスクですが、マレーシアではマスクは基本使い捨てです。毎回使ったら捨てるように、との政府からの指示があります。布マスクがあまり有効ではない、という論が優勢ですが、こちらも「正解」はわかりません。

「PCRは絶対必要ない!」とか「マスクは意味がない!」とか、あまり強く言い切る人にも要注意かなと思う。「分かっていない」前提で動くこと、重要です。

何が正解かは、数年経たないとわからない

先日、スペインかぜの例を紹介しましたが、いまだに分かってないことも多いです。信頼できる専門家は、「わからない」ことは率直に「わからない」といいます。

取材していても、専門性が高くなれば高くなるほど、「わからない」という。記事にはしにくい(面白くならない)。

わからないことも「全部知ってる」っていう人は何かを見落としているか、世の中を舐めてる可能性があるので、要注意なのです。

その意味では、日本語では、このBBCの記事が一番私の肌感覚に近く、こういう記事を読むとほっとします。

【解説】 新型コロナウイルス、まだ分かっていない数々のこと

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-52080723

うまくリンクが貼れませんが、ぜひ読んでみてください。

多分これからも、いろんなことが二転三転するでしょう。子供とよく「世の中でわかってることは、0.001パーセントもないと思う」って言ってるけど、本当その通りだと思います。

それではまた。

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