見出し画像

子どものいない家庭に懲罰税を課して、大変なことになった国

日本の少子化が今さら問題となっています。
中には「子どもさえ増えれば、日本はまた復活する」と言っている人がいます。
本当でしょうか?

「子どもをただ増やせばいい」と国策で子どもを増やし続けた結果、大変なことになった国があります。

離婚や中絶を禁止したルーマニア。
1960年代に、子どものいない家庭に懲罰税を課したのです。

人口増加が国の経済を強化すると信じていたチャウシェスクは避妊と中絶を減らす政策を推進し、子供のいない家庭に懲罰税を課す一方、子供を10人以上産んだ母親には「英雄の母」の称号を与えて讃えた。

中国の一人っ子政策とは真逆の政策です。

1960年代後半、ルーマニア社会主義共和国の国家元首となったチャウシェスクは人工妊娠中絶や離婚を禁止。その結果、ルーマニアの人口は増えたが、貧困と育児放棄によって産後間もなく養護施設に引き取られる子どもも増えた。

こうして出来た「チャウシェスクの子どもたち」はあまりにも有名です。

ルーマニア最後の独裁者ニコラエ・チャウシェスクの支配は、24年におよんだ。ルーマニア国内には彼が残した孤児院が何百もあり、1990年になるとそこに推計17万人の乳幼児と未成年者の孤児が収容されていることが明らかになった。
https://courrier.jp/news/archives/207445/

マンホールで生活する人々

この子どもたちは、後にマンホールで生活するようになり、「マンホールタウン」とも呼ばれたりしました。
一時、首都ブカレストには、1万人以上のホームレスがいると言われました。

 下水道は、社会から不要とされる人間と麻薬患者の住む地下王国だ。ここでは住民が全員HIVポジティブであり、4分の1は結核患者でもある。

ルーマニアのブカレストは今でもあまり治安が良くないと言われますが、共産主義時代の暗い側面が影響していることは無視できないと思います。

国が家庭に関与することの難しさ

独裁者チャウシェスクは結局、「国家経済を衰退させた」と国民の怒りを買い、処刑されてしまいました。
子どもを増やしただけでは、国家の経済は救えないことを、自ら証明してしまいました。

国が個人の家庭に関与しようとするのは本当に難しいと思います。

ここから先は

410字
この記事のみ ¥ 300

これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。