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最新研究を取り入れ続けると教育はどうなるかーーニュージーランドの学校制度について聞く

別の国から教育を見ると、まただいぶ違った風景が見えるようです。今日はニュージーランドの教育を見てみます。

日本と真逆の「変え続ける」教育

留学サポート事業をする「リアルニュージーランド」の藤井巌さんによると、ニュージーランドの教育は「リサーチベース」として世界に知られています。

リサーチベースとは、
教育に対しての学術研究が出るたびに、最新の結果に基づいて変えていく」こと。
「変える」ことに柔軟なのです。

「ニュージーランドは、冒険をする人が作った国です。国民の根底に、新しいもの、変化に対する躊躇いがない。新しいものを取り込んでいく意味で、日本とはいい対照を成している」

と代表の藤井さん。

小学校教育はどう変わっていったのか

ニュージーランドも昔は日本と同様、教壇に先生がいて、大多数に向けて講義するプロイセン型でした。
まず、1980年代に大改革があり、以降、小学校で「教壇から教師が教えるスタイル」は消えました。

いくつか特徴があります。

1 複式学級・少人数制

小学校では多くの学校で複式学級を採用しています。

例えば、ある学校の例。

Year4-6(小学校4−6年生)は同じ教室です。
同様に、Year0と1、Year2と3、Year7と8が同じ教室です。
生徒24人に対して先生が1人。
40人くらいの教室に担任の先生が2人いるイメージです。

学年関係なく、教科によっては、できる子が能力のグループで教えることも。
グループごとに別のタスクをやることもあります。


2 教科は3つのみ

教科はnumbers・ reading ・writingの3つのみ。
あとは全部プロジェクトベース・ラーニングです。
社会・サイエンスもヒストリーもアートもありません。

3 「楽しい」を主軸に「自主性」「自信の確立」を

個人の「楽しい」を追求する姿勢がある。これも脳科学的に「楽しければ学べる」という研究結果に基づいたものだそう。

では、「楽しい」を実践するために何をする?

たとえば、小学校では、

教科書全くなし。
時間割なし。
宿題なし。
塾もテストもない。

では何を大事にするのか。
「自主性」「自信の確立」を育てることが大きな目標だそうです。

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