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”正しい”歩き方とは?①

よく踵から踏み込んで、最後にしっかりと蹴りだすのが良い歩き方だと言いますよね。

しかし、その歩き方は、観察したらそうやって歩いてる人が多いよね?って感じで定着した考え方で、医学とは全く関係ありません。

医学的に ”正しい” 歩き方とは、踵をから踏み込まず、蹴り出さない歩き方です!つまり、皆さんが思っているのとは、真逆の歩き方になります。

なんで?って感じですよね。他にも、重心の置く位置などもあるのですが、それぞれにきちんと理由がありますので、一つずつ解説していきたいと思います。

踵から踏み込む必要はない!

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一般的には、上のイラストのように接地の時に踵をつけるのが良いとされています。

では、これの何がいけないのでしょうか?それは、東京オリンピックのマラソン代表にも内定している大迫 傑(おおさこ すぐる)選手が走っているところを観察するとよくわかります。

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上の写真のように、大迫選手は確かに足を大きく前に降り出していますが、接地では足が重心の下にきています。

この走り方は、フォアフット走法やミッドフット走法などと言います。ケニア人ランナーや、裸足で走ったり、ワラーチ(クッション性のないサンダル)で走ったりする方に多い走り方です。

では、なぜ彼らはこのような走り方をしているのでしょうか?

理由は一つではないのでしょうが、重心の移動という物理的観点から考えるとわかりやすいです。

まず歩いたり、走るというのは、当たり前ですが「重心」を前へ移動させる動きの連続になります。(下イラスト参照)

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この時、踵を前に着くとどうなるでしょうか?

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このように、重心は前に行きたいのに、踵を前に着くことでブレーキをかけるように反力を受けてしまいます。

つまり、アクセルを踏みながら、ブレーキも踏んでいるような感じです!

効率が悪くないですか?

だから、このエネルギーロスを少なくするために、大迫選手は接地の時に、足が重心の真下に来るようにしているのです。

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このような観点からも、接地の際に踵を着ける意味はないし、踵を前につけることで「大腿四頭筋」などのブレーキに使う筋肉が使い過ぎで硬くなってしまうというデメリットが生じます。

ランニングなんかをした後に、大腿四頭筋が張ってしまうランナーの方などはその傾向があると言えます。

大腿四頭筋が硬くなることで、膝のお皿の付近が痛くなったり、股関節が痛くなったり、腰痛の原因になったりします。

ランニングだけではなく、街の方の歩きを見ていると、ほとんどの方が踵を前について歩いています。しかし、歩くという動作、つまり重心を前に運ぶということを考えると、大切なのは後ろにある足です。

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そして、今の方の多くは、アクセルになる足を蹴り出すことで前に進んでいるので、上のイラストのように股関節を後ろに伸展させていません。

これが次に大事となる、蹴り出さない歩き方なのですが。それは、また次回述べたいと思います。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!少しでも参考になれば幸いです。


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