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『これからの学校を創る校長の10のマインドセットと7つの思考法』

新任校長になる4月、「不安」と「期待」の割合はどのくらいでしょうか?

初めて1校を任されることへのわくわくとした気持ち、校長としての重責に耐えることができるのか、校長として課題を解決していくことができるのかという不安な気持ち、どちらもお持ちのことでしょう。

本書は、そんな新任の校長先生の不安な気持ちや、日々学校経営に尽力されている現職の校長先生のリアルなお悩みにお答えするとともに、新しい時代の校長に求められるマインド・知識・スキルを解説します。

第1章では「校長の10のマインドセット」として、これからの校長として身につけておきたい10の心がまえを整理しています。

 マインドセット1 校長としての言葉・文章に細心の注意を払う
 マインドセット2 指示から支持へ
 マインドセット3 校長としての夢をもつ
 マインドセット4 理想の姿を想定する
 マインドセット5 現実を観る目を確かにする
 マインドセット6 情報収集力を高める
 マインドセット7 校長の視座をもつ
 マインドセット8 経営課題を時間軸で考える
 マインドセット9 経営課題に軽重や順位をつける
 マインドセット10 学校改善の手法を身につける

第2章では「校長の7つの思考法」として、学校経営を担う校長の考え方を示しました。校長だからこその考え方や、ご自身の思考法を確立する際のヒントにしてください。 

 校長の思考法1 違和感を大切にする
 校長の思考法2 早い判断を心がける
 校長の思考法3 仕事だと割り切る
 校長の思考法4 情報を隠さない
 校長の思考法5 好き嫌いで仕事をしない
 校長の思考法6 最善を尽くす
 校長の思考法7 できない理由を探さない

さらに1章・2章では、現職の校長先生や、これから校長になるプレ校長の悩みや不安、相談について、「10のマインドセット」と「7つの思考法」に対応したQ&Aを掲載しています。

〈Q&A 校長のマインドセットに関するお悩み〉
Q1 教職員への指導・助言の際にどう言葉かけすればよいか/緊張してうまく話せない
Q2 長時間働きたい教職員の働き方改革をどうすればよいか/どう「任せて」、どう「伸ばす」か
Q3 地区全体と自校独自での取組のバランスをどうとればよいか/赴任校での教職員の合意や納得を得られるか
Q4 教頭との折り合いのつけ方/指導力不足教員をどう指導すればよいか
Q5 人員不足のなかでの若手育成/教職員の悩みへの助言
Q6 教員のICT活用指導力の向上/赴任時の最初の着眼点
Q7 コロナ後の地域全体との連携・協働/校長としての覚悟をもてるか
Q8 改革を進めても新年度に元に戻ってしまう/責任者として対応できるか不安
Q9 誰ひとり取り残さない教育をどう実現するか/風通しの悪い学校に赴任したらどう対応すればよいか
Q10 部活動の地域移行に向けた理解促進をどう図るか/校長としての資質向上をどうすればよいか

〈Q&A 校長の思考法に関するお悩み〉
Q1 学校全体での危機管理体制づくり/教職員の不祥事発生時の対応
Q2 学校トラブルの際の保護者対応/校長としての適切な判断
Q3 やる気のないベテラン教員の指導/再任用や年上の教員への対応
Q4 保護者・地域の理解を得る関係づくり/相談相手がいない
Q5 個性の強い教職員とうまくやるコツ/多様な保護者への対応
Q6 人事異動のヒアリングの留意点/同僚性の高い教職員集団づくり
Q7 研修の充実と勤務時間との兼ね合い/校長としての資質向上のための時間確保

第3章では、「グランドデザイン」の作成手順を示しています。グランドデザインをつくるという作業が、つくりたい学校のイメージと校長としての覚悟を確かなものにしていきます。ぜひ、グランドデザインをつくる作業を大切にしてください。

第4章では、現職の校長先生や、これから校長になるプレ校長に聞いた「校長としてスキルアップを図りたいこと」をもとに、校長に必要な資質・能力を10に整理し、それらを高めるための方策を解説しています。

スキル1 人材育成力
スキル2 アセスメント力
スキル3 ファシリテーション力
スキル4 コミュニケーション力
スキル5 指導力
スキル6 理解力
スキル7 情報収集力
スキル8 論理的思考力
スキル9 問題解決力
スキル10 ICT活用力

巻末の付録では、着任前の3月までにしておきたいことをチェックリストにしています。また、着任早々発生するかもしれない危機管理を想定し、ご栄転の先生方に活用いただきたい内容になっています。

次の学習指導要領の議論が始まっています。「令和の日本型学校教育」の先にあるものは、大きな教育改革かもしれません。それが、現状の打開策になるか否かは、現場をあずかる校長の実践をもとにした知見と発信力にかかっています。そのためにも、校長同士の凝集性を高め、学び合う校長へと成長していくことが、今、求められています。

本書が校長の学びの端緒となり、校長同士の学び合いのツールとして活用いただけることを願っています。

喜名 朝博(本書「はじめに」をもとに作成)

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