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全て出逢いの先に

あまりにも仕事に追い詰められていたこの数週間

犬が亡くなったことを考える暇もなく
仕事と、最低限生きるためだけに思考を費やしていた

なにか違う世界と思考へと
導いてくれるものが欲しくて、

金曜の夜、チケットサイトをザッピングしまくって
目に止まった「Play a Life」のミュージカル

あらすじは調べなかった
詳しいことは調べなかった

だけど、きっと「今」観ないといけないと思った。

本も音楽も演劇も
私は偶然の出会いしか信じていない

その時に直感で感じたものこそが
今の自分に必要な思考と感覚なんだと、

そう信じているから


今回も、その直感が外れることはなかった

亡くなったのに、
遺してきた人から、どうか生き続けていて欲しいと願われすぎて、幕が下りない人生

故人の叫びを聞いた気がした。

同時に、
私は、犬にそれを強いているのではないだろうかと
不安になった。

忘れたくない
犬の顔も声も匂いも
あなたと生きた数々の日々をひとつも忘れたくない。

だけど、意識をすればするほど
思い出せなくなるような気がして、
時が過ぎていくのが怖くて

あなたの死を認めるのが怖くて

家に写真も飾れないままでいた。

犬の代わりに、
幼稚園の時から相棒にしていた、
犬と目の潤み具合がよく似ているモルモットの人形を撫で、腕の中に抱き、生活を共にしていた。

自分でも、このままじゃだめだと薄ら思っていた。

だけど、前に進むための思考が思いつかず、
ずっと時を止めていた。


もうすぐ四十九日だ。

「消えて無くなるんじゃない。
 貴方の世界に溶けて、貴方と同じものを見ていく」

「だから、怖がらないで貴方の人生を生きて」

今日見たミュージカル、「Play a life」のテーマだった。

感動しても、涙の膜が張るくらいで、
本も映画も舞台も基本終わるのに

鼻を啜っていた。
終演後、涙の跡ができていないか鏡を見て気にした


帰りに、新しい香水を買った。
写真立てを買った。
お花を買った。
お香を買った。
キャンドルの置物を買った。

進むよ、あなたと一緒に。

14歳で亡くなったあなたが、最後の誕生日を迎えたときに買ったネックレス。
これがないと落ち着かない身体になってしまったけれど。


一緒に色んなものを見よう
そうしてまた、この世界で
あなたを見つけてみせるよ



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