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活動まとめ 9月27日-10月3日

岩手県一関市地域おこし協力隊の丸谷留奈です。
令和5年7月に夫婦で広島から移住し、自伐型林業×複業というテーマで活動しています。
このnoteでは、毎週金曜日に1週間分(土〜木)の活動を更新しています。

林業に興味のある方、これから林業を始めてみようかなと思われている方、地域おこし協力隊とはどのように活動しているのか知りたいという方などに読んでいただけると、少しは参考になるかも知れません。
この場を借りて、自分自身の振り返りもさせていただいています。
林業初心者の私が3年間でどのように成長し自立できるのか、見守っていただけると幸いです。
それでは今週の活動のまとめをどうぞ ↓


板倉の小屋作り

9月28日
株式会社アースカラーさん主催の「地球のしごと大學いわて九戸キャンパス 「板倉の小屋づくりからこれからを考える」の第1日目に参加しました。
全8日の行程で、これから学んでいきます。

「板倉造り」とは、日本で古来から受け継がれてきた伝統工法で、神社やお寺にも使われている、釘を使わず木組みのみで組み立てられた建築です。
余談ですが、東日本大震災で被災した集落が復興する様子を描いたノンフィクション映画にこの板倉が少しだけ登場していて、興味を持ったのが始まりです。
それから約10年後の昨年、自伐型林業の研修でその集落を訪れる機会があり、板倉の建物に触れた事で、その温かさに惹かれました。
偶然その時の講師の方も板倉造りに関わられていて、勉強すれば自分でも建てられるようになるかも知れない・・・という情報をいただいたのでした。
自分たちの伐った地域の木を地元の製材所で引いてもらい、セルフ・ビルドで自分たちの家を建てる・・・このような夢が芽生えてきた時、この学校が開催されると知り、パンパンなスケジュールの中何とか調整し飛び込みました。
建築にかけてはど素人ですが、将来的に自分の家だけではなく、地域で希望される方がいらっしゃれば木材の伐り出しから建築まで請け負う事業に発展して行ければ、という思いです。

余談が長くなりました。
この日は初めての顔合わせという事で、自己紹介がありました。
皆さん、私たちと同じようにそれぞれ建築以外の職業に就かれていますが、熱い思いをお持ちの方ばかりでした。これから一緒に学ぶのが楽しみです。

午前中は、日本板倉建築協会代表理事の安藤邦廣さんによる座学が行われました。
安藤さんは、いわき市の仮設住宅を担当、板倉造りで建築され、その後も幾度となく現地へ足を運ばれ住み心地を聞き取られるなど、板倉建築の文化・技術の継承と振興を図るための事業に取り組んでおられます。そのような素晴らしい先生に教わる事ができてとてもありがたい思いです。

板倉造り以前に知っておかなければならない「木の特徴」。
木はどのように成長するのかという基本的なところから部分による構成や組織の向き、それをどのように木材へ活かすのか・・・という少し専門的なところまでを分かりやすく教えていただきました。
その後、実際に板倉造りに使われる基本的な木組みの方法を教えていただきました。大きく分けると木を水平に継ぐ「継手」と垂直に継ぐ「仕口」という2種類があり、それぞれ方法は色々とありましたが、とてもシンプルなものでした。

午後からは現場へ移動し実技へ。
今回の学校のために地元の工務店さんが実習場所を提供してくださり、技術的な事も指導してくださいます。
まずは木材へ彫ったり切ったりする印を付ける「墨付け」を行いました。
図面を読み取るのに苦戦し、何度もご指導いただきました。時間内に終わらなかったため翌日へ持ち越しとなりました。

墨壺の墨を竹製の「墨差し」に付けて線を引いていきます

9月29日
前日の墨付けをやっと終わらせ、実際に加工していきました。

ノミと玄能で線の通りに削っていきます
要領を得ない私を見守りながら、丁寧にご指導くださる工務店・大工の方々
彫りやすいように木材の向きや体勢も変えていくと効率が良いのだそうです

彫刻のように少しずつ彫っていたところ、ノミの入れ方と手順を教わり、やり方次第で効率的に作業が進む事が分かりました。

時間内に終える事ができず、次回に持ち越しとなりました。
それまでに自主練の宿題が出されました(ユルく、ではありますが)。
別の宿題もたくさんありパニックを起こしそうですが、それも自分で選んだ道。
消化不良にならないよう、一つ一つ丁寧に整理しながら行っていきたいと思います。

宿題・・・経営とブランド戦略の学校

9月30日
翌日の経営とブランド戦略の学校で提出する宿題に取り組みました。
前回考えた新規事業を具体的に把握するため、原価や売上、変動費などを細かく分析して数字に現していきます。
少しずつ進めてはいたのですが、根拠となる数字を引っ張り出すのにリサーチに次ぐリサーチで、とても時間がかかりました。

経営とブランド戦略の学校

10月1日
先月は経営を現実的に学べる「MG」というゲームで脳に脂汗をかきましたが、この日は業務改善の考え方を学べる「TOC」というゲームが行われました。
「TOC」とは〝 Theory of Constraints 〟の略で日本語に訳すと「制約条件の理論」となります。
業務の流れは複数の部門に分かれていますが、制約条件とはパフォーマンスを低下させている原因の事で、それを「ボトルネック」と考えその部分に着目して業務改善を目指していくという手法でした。
例えば、6工程ある製造ラインのうち4工程目の機械製造能力が他の工程より低いとすると、そこがボトルネックになります。仕入れから3工程目まで順調に製造できても4工程目で滞り、結果販売までに余計時間がかかってしまいます。それを改善するための案をグループ毎に話し合いゲームを進め、明らかに業績が伸びていきました。
業務が滞った時、複数の原因が入り組み整理が難しく思いがちですが、この手法を用いる事で課題発見もでき、改善案を出し取り組みやすくなると感じました。

10月2日
業務を進めるためのコミュニケーションの重要性を学びました。
伝える側の言葉ももちろん大切ですが、受け取る側の共感や質問などの相互のやりとりが質の高いコミュニケーションに繋がります。

白板の裏に描かれた複雑な図形を言葉のみで伝えるゲーム

図形を言葉のみで伝えるゲームでは、
 ①受け取る側は、一切頷いたり質問をしてはならない
 ②受け取る側は、反応したり質問して良い
という2パターンの制約で行われ、②では全員の正解を導く事ができました。

ボトルネックは「弱点」と思われがちですが、物理的なものなので、その工程がご機嫌に動けば全体の流れが円滑になり、お客様へも還元する事ができます。
そのボトルネック改善に集中できるよう、他の業務を整理する事も大切です。

業務の流れを付箋に書き、視覚的に捉えていきました

現在の私たちに置き換えて考えると、作業道作りから木の市場出しまでの工程の中で、伐った木を搬出がボトルネックになっている事が分かりました。
山から土場に木を運搬し置いておくまでは円滑に流れても、委託したトラックは
少ない人員でたくさんの案件を抱えておられるためすぐには運んでもらえません。
そこをどう解決していくのか・・・緊急・重要性の高い業務を行いながらその他の業務の「無駄」を整理し辞める工夫をする事で時間や余裕が生まれ、対策を考える事もできる事が分かりました。

これは、実生活にも同じ事が言えますし、その「無駄」が無くなれば業務に集中する時間も質も生まれると痛感しました。

興田地区文化祭の打ち合わせ

10月3日
昨年に引き続き、私たちの住む興田地区の文化祭に協力隊のブースを設けてくださる事になり、展示案の打ち合わせをしました。

着任当初から応援してくださっているSさんと

昨年と同じく活動報告のパネルをそれぞれ準備し、木の雰囲気を感じていただけるように本物の木を使った展示もしてはどうか、というお話になりました。
予算も、昨年と同様にSさんも所属される環境安全部会から出していただけるそうで、感謝です。
私たちが自伐型林業に取り組む事によって、環境安全部会が目指される里山整備にも繋がる・・・と言っていただき、とても心強く思いました。

文化祭展示レイアウトの打ち合わせ

10月4日
前日出た展示案をもとに、京津畑集落で簡易製材機を作られているIさんにご相談をさせていただきました。

親身になって相談に乗ってくださいました


木を使った展示という事で、棚やベンチなど考えていたのですが、Iさんから「シーソーを作ってはどうか」という妙案をいただき、作成に向けて話が弾みました。
私たちが伐った木をIさんの製材機で引いていただき、それぞれパーツを作りシーソーに仕上げていきます。
大人の私たちでもワクワクしますが、当日子どもたちも興味を持って楽しんでくれる事を想像しながら、これから準備に取り掛かります。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
夫もまた、地域おこし協力隊として一緒に活動しています。夫 丸谷誠司のnoteはこちら↓
https://note.com/kyotuhata_m

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